IS×World Trigger   作:ガイストは男のロマン

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第8話

 

 

 

「では我らが烏丸恭弥がハーレム生活を送る事を羨ましくも思いながら……乾杯っ!」

 

『乾杯っ!』

 

女好きの佐鳥のジョーク混じりの音頭に他の面々は笑いながら乾杯をするので、俺もやむなくノリに乗って乾杯をする。

 

今いるのはボーダーの近くにある中華料理屋『菜香楼』でボーダー隊員に人気の個人経営店で、同い年のボーダー隊員が俺の為に送迎会をしてくれたのだ。

 

この場にいるのは俺、兄貴、嵐山隊の佐鳥とトッキー、諏訪隊の日佐人、東隊の奥寺とコアラだ。佐鳥はそれ以外にも呼んだようだが、防衛任務やランク戦、私用などが重なって来ていない。

 

「いやー、俺も適合したかったぜマジで」

 

「お前そしたら嵐山隊はどうすんだよ?」

 

佐鳥の羨ましそうな呟きに奥寺が突っ込みを入れるが、適合したら女尊男卑の馬鹿共に命を狙われるぞ。比喩表現抜きでマジで。

 

「兼任兼任!恭弥だって太刀川隊に籍を残すんだろ?」

 

「まあな。ただ偶に防衛任務に出るのが関の山でチームランク戦には出れないな」

 

個人ランクについても鎬を削っている生駒さんや雪丸より下にはなるだろう。下手したら最近伸びてる村上先輩にも抜かされるかもしれん。

 

「じゃあ冬島隊にA級1位を取られるかもしれないって事?」

 

日佐人がそんな風に聞いてくる。

 

「いや、クロエも護衛の為にIS学園に入ってくれるから一概にそうとは言い切れない」

 

クロエは俺の護衛、各国のISのデータ収集、織斑一夏の強化と護衛、篠ノ乃箒の護衛を束さんから依頼されて俺と一緒にIS学園に入学する。

 

「じゃあ最低1人は知り合いがいるって事か」

 

「ああ、そこは救いだな」

 

クロエが居なかったら針の筵によって精神にダメージが入るだろう。知り合いが0と1では天と地ほどの差がある。

 

しかしクロエが入学しなかったら確実に太刀川隊はA級1位の座を取られるだろう。ウチのチームにはお荷物が1人いるし。

 

更に……

 

「少なくともボーダー最強部隊は兄貴達玉狛第一になるだろ」

 

「そうだな。唯我は戦力外だし」

 

兄貴は強く頷くが、これについては絶対だ。太刀川隊と玉狛第一、どっちが強いのかって意見は偶に出るが、殆ど差がない。

 

何度か戦ったが、太刀川さんが小南先輩と斬り合って、出水先輩がレイジさんと撃ち合って、俺が兄貴とやり合うのがテンプレで、先に脱落者が出たチームが負けに直結していた。

 

しかし俺が抜けたことで兄貴がフリーになるので太刀川隊に勝ち目はない。唯我は弱過ぎて当てにならない。ドラゴンボールで例えた場合、兄貴と唯我の間には初期ベジータと桃白白くらいの差があるだろう。

 

「まあ太刀川さん達は順位に拘ってないし、俺は俺で頑張るだけだ」

 

太刀川さん達は順位にそこまで拘っていない。強い奴と戦う事が第1だし、チーム結成理由も旧東隊と戦いたいって理由だからな。

 

「でも大丈夫かよ?東さんが言ってたけど、ハニートラップを仕掛けてくる女子もいるかもしれないし」

 

「ああ。その辺りの話は城戸司令からも言われてるな。女子と仲良くするのは気にしないが、代表候補生や資産家あたりには用心しろって」

 

コアラの質問に頷く。暗殺などもあり得るから、寮では基本的にトリオン体で過ごすつもりだ。

 

「恭弥が誰と付き合おうと、外国に所属するのは自由だけど、可能なら卒業しても変わらずボーダーに所属して欲しいよ」

 

「俺もトッキーの言うように過ごしたいよ」

 

ISを起動したから人生が変わったが、可能ならコイツらと同じ学校を過ごしたいのが本音だ。

 

「ま、何にせよ食べなよ。折角の送迎会なんだし、食べて入学に備えて」

 

トッキーが肉まんを突き出し、他の面々も料理を突き出してくるので俺はお言葉に甘えて食べ始める。折角皆が奢ってくれるのだからありがたく食べるのが筋だろう。

 

 

 

 

 

それから俺は料理を食べつつ、友人と何気ない雑談をしながら楽しい時間を満喫するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

2時間後……

 

「じゃあまたなー!お休みー!」

 

佐鳥の元気な声に俺と兄貴は小さく会釈をしながらボーダー基地に戻る。もう直ぐ4月だから夜もそこまで寒くないな。

 

夜空を見上げていると携帯が鳴るので取り出すと束さんからだった。

 

「もしもし」

 

『やーやーきょーくん!さっきパーティーが終わったって聞いたから電話したんだけど、きょーくんの専用機が出来たから基地に着いたら第2訓練室に来てねー!』

 

そんな言葉と共に通話が切れた。相変わらずマイペースな人だ。

 

「専用機が出来たらしいな。俺も見に行って良いか?」

 

「もちろん」

 

兄貴の質問に頷きながらボーダー基地の入り口に着いたのでトリガー認証システムにトリガーをかざして中に入る。

 

そして指定された第2訓練室に入ると中央に巨大なシルバーのケースがあり、その近くに束さんにクロエ、加古さんがいた。

 

「おっ!来た来た!お疲れさーん」

 

「お疲れ様です。これ、店で買った肉まんです」

 

「サンキュー!後で貰うよ〜、じゃあ早速ご覧あれ!」

 

束さんが指差すとケースの4面が倒れ……

 

「これがきょーくんの専用IS、黒天だよ!」

 

現れたのは黒いISだ。ドイツのISも黒を基調としているがこのISは全てが黒一色だ。例外は胸の部分にある太刀川隊のエンブレムだけだ。

 

更に装甲も薄い。ISは肩、腰、胸、腹部、アーム、レッグに装甲が装着されるのが普通だが、このISは全体的に他のIS装甲より半分くらい薄い。

 

「はい。これが基本スペックね」

 

束さんは俺達にスペックデータを渡してくるが……

 

「これ、極端過ぎません?」

 

そう呟いてしまう。速度については、瞬時加速抜きを使わなくても、現存するISが瞬時加速した際と同等の速度である。

 

しかしシールドエネルギーの量は第3世代ISの平均の3分の2くらいだ。国近先輩の言うところの極振りってヤツだ。

 

「そりゃきょーくんは現在のボーダー隊員で最速の攻撃手だから、ISでも最速にしようかなって」

 

「大抵の相手なら完封出来るけど、カウンタータイプとも相性が悪そうね」

 

加古さんの言うようにカウンターされたら一気に流れを持ってかれる所も真似てるよ……

 

「じゃあ早速フォーマットとフィッティングね。乗って乗って」

 

促されるので黒天に乗る。

 

するとかしゅっ、かしゅっ、という空気を抜く音が響く。

 

生まれたときから我が身だったかのようなあの一体感が生まれ、俺と黒天が繋がった事を確信する。それに伴い解像度を一気に上げたかのようなクリアーな感覚が視界を中心に広がって、全身に行き渡る。

 

各種センサーが告げてくる値はどれも普段から見ているかのように理解できる。これで本当の意味で俺専用の専用機になったようだ。

 

(装備……スコーピオン、ハウンド、ベルセルク、シールド、中々ユニークな装備だな)

 

直ぐに使いこなすのは無理だが、速いうちに慣れる必要があるな。

 

「じゃあ早速練習っすか?」

 

「そだね。きょーくん以外距離を取ってね」

 

俺以外の面々が訓練室から出ていく。

 

『まずは基本飛行から練習してみて』

 

束さんに言われて飛行をするが……とにかく速い。普段練習で使っている訓練機の倍近くの速さだ。この速さだと近接戦闘は兎も角、射撃戦は至難だ。それでも遠距離武器を装備しているって事はマスターしろって束さんからのメッセージだろう。ならば会得しないといけない。

 

『じゃあ次はミサイルを撃ち落としてみて』

 

束さんがリモコンを操作すると訓練室の床からミサイルポッドが出てきてミサイルが12発飛んでくるので、スコーピオンを両手に展開しながら突っ込むが……

 

「っ!うおっ!」

 

早過ぎる為に全てを斬り落とす事が出来ずに半分斬り損ねててしまう、

 

『うん、斬るタイミングがズレてるね。とりあえず少しずつ改善して12発は斬り落とせるようにね〜』

 

「了解しました……」

 

束さんの指示に想像以上のじゃじゃ馬の扱いの難しさに俺はため息を吐くことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後……

 

「じゃあ行くぞ、クロエ」

 

「はい。宜しくお願いします、恭弥様」

 

俺とクロエは白を基調としたIS学園の制服を着ながら、IS学園の校門をくぐった。




次回からIS学園入学編です

入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?

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