IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
IS学園に到着した俺とクロエはメインストリートを歩くが人は殆ど歩いていない。理由は簡単。早く行けば気まずい時間が長いので朝のHRが始まるギリギリが好ましいからだ。学校案内によれば朝のHRが終わったら直ぐに授業だからギリギリに教室に入って、極力静かに過ごしたいのだ。
「問題はクラスか……お前とは同じクラスが良いな」
「あ、それは大丈夫ですよ。束様が学校に私と恭弥様を同じクラスにするよう脅し……頼んだら了承されたようです」
「そうか。一部とんでもない事を聞いたような気がするが、気にしないでおく」
そう返しながら校舎に向かうと流石に生徒もいて、こっちをガン見してくる。ボーダーでも隊服を着てればかなり目立つが、ここまで露骨ではない。
掲示板を見れば俺もクロエも1組だった。もう1人の男性操縦者の織斑一夏も1組で、束さんの妹も1組だった。代表候補生についてはイギリス代表候補生セシリア・オルコットは1組で、俺を敵視する日本代表候補生の更識簪は4組だった。
教室の場所を確認した俺達は校舎の中に入り、案内に従って進み、HR開始1分前に教室に入る。すると案の定、注目が集まる。
その中で教室にいる唯一の男子の織斑は救われたような表情を浮かべているが、余程男1人で過ごすのはキツかったようだ。席を見れば窓際の2席以外は埋まっているのであそこが俺とクロエの席だろう。
座席表を確認すると俺は窓際で前から4番目の席で、クロエがその前だ。
俺達が座るとドアが開き、以前会った山田先生が入ってくる。
「全員揃ってますねー。それじゃあHRはじめますよー」
黒板の前でにっこりとほほ笑む山田先生。見るからに優しそうだし当たりの分類だろう。つーかこの人、おっとりな人柄の割に谷間を強調する服を着るなんて意外だな。
「私は副担任の山田真耶です。さん、一年間よろしくお願いしますね」
「「宜しくお願いします」」
返事をしたのは俺とクロエだけだが、もしかして間違えたか?
「はいっ!宜しくお願いします!」
しかし山田先生は返事をした生徒がいたのが満足だったようで笑みを浮かべている。癒されるな……
「じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順でお願いします」
「はい。相川清香です。趣味は……」
山田先生の言葉を皮切りに1人1人自己紹介を始めていく。そんな中、江口って女子が終わり……
「織斑くん、織斑一夏くんっ」
「は、はいっ!?」
順番になっても何も言わない織斑にに山田先生が呼び掛ける。それによって織斑は声を裏返らせてしまって、クスクスと笑いが巻き起こる。
「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒ってるかな?ごめんねっ!でも出席番号順だから自己紹介して貰えるかな?」
山田先生はなぜかあたふたとしているが、アレを見ていると織斑が悪い事をしているように見えるな……
そう思う中、織斑は立ち上がるが見るからに緊張している。
「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
自己紹介をするが、クラスメイトは物足りないようでもっと喋ってオーラを出している。
「…………………」
皆が注目する中、織斑は深呼吸するが、何を言うのだろうか?
疑問に思っていると……
「以上です」
まさかの終了だった。思わずずっこける女子が数。中には勢いよく頭を机にぶつけてしまっている。
「あ、あのー」
山田先生は困ったような声を出しているが、同じタイミングで教室のドアが開き、黒スーツを着た千冬さんが教室に入ってくる。
そして織斑の背後に回ると出席簿を高く挙げて……
パァンッ!
織斑の頭に直撃する。アレは痛そうだ……
「いっ――!?げえっ、関羽!?」
パアンッ!
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
無慈悲な一撃が再度振り下ろされる。まあ今のは織斑が悪いな。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「すまなかったな、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてしまって」
「い、いえ。副担任ですから……」
千冬さんは珍しく優しい声を出している。そして教室にいる俺達を見回す。
「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になるIS操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らっても構わんが、私の言うことは聞け。いいな?」
何処の鬼教官だよ?普通の学校なら教育委員会が来るぞ。
「キャ~~~~~!素敵ぃ!本物の千冬様をこの目で見られるなんて!」
「お目にかかれて光栄です!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来ました!!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて本望です!」
「私、千冬様の命令なら何でも聞きます!」
物凄い歓声だ。流石最強のIS乗りだな。まあ当の本人は鬱陶しそうにしているけど。
「……はぁっ。よくもこれだけ馬鹿者共が毎年たくさん集まるものだ。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者だけを集中させるように仕組んでいるのか?」
毎年これかよ。大変だな千冬さん。
「きゃあああああっ!お姉さま!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして~!」
しかし女子達は盛り上がる一方だ。太刀川さんと戦う千冬さんはイビルジョーみたいで、男が離れそうな獰猛な表情を浮かべているが、そんな彼女をクラスの女子達が見たら……っ!殺気!
そこまで考えていると殺気を感じたので反射的に手元にあるノートを掴んで、頭上から振り下ろされる出席簿を受け止める。
「……ほう」
千冬さんは楽しそうに笑いながら軌道を変えて出席簿を振るってくるのでノートを丸めて受け流すが……
「流しが甘い!」
3回目の受け流しの際にノートを跳ね上げられて、そのまま頭上に落とされる。
パァンッ!
頭に激痛が走る。物凄く痛い……
「ISの練習にかまけて剣の鍛錬を怠っていたな。もっと緩やかに受け流せ」
「いや、スコーピオン使いの俺からしたら受け流しは専門外ですから」
受け流しと言ったら村上先輩や熊谷先輩の十八番であり、俺はガンガン行こうぜタイプだ。
「迅なら出来るし、出来ない事はない。それと次からは失礼な事を考えるなよ」
いや、あの人には技術以外に未来視があるからな。というか俺の考えている事が読まれていたようだ。
「わかりました千冬さん。次からは気をつけます」
「学校では織斑先生と呼べ」
パァンッ!
まさかの2発目、痛くて泣きそうだ。
「……はい、織斑先生」
「結構。次はお前だ烏丸。マトモな自己紹介をしろ」
そう言って千冬さんは織斑を見るが弟に対する慈悲はないようだ。
まあ何にせよ自己紹介はちゃんとやろう。千冬さんの出席簿は凶器だし。
俺は立ち上がって口を開ける。
「初めまして。烏丸恭弥です。烏丸でも恭弥でもとりまるでも好きに呼んでください。好物はビフテキ、趣味はランク……こほんっ、格闘訓練です。一応界境防衛機関『ボーダー』にも籍を残していて、データ提出などから放課後はいないこともありますが宜しくお願いします」
自己紹介をするとかなりの拍手が貰えた。まあ一部の人間はボーダーって言った瞬間、嫌悪感を出していたが、ソイツは間違いなく女尊男卑の考えの持ち主だろう。
少し前に二宮さんがISのコアを壊した事でIS=最強って式が成り立たないって評価になったし。
そんな事を考えながら俺は一礼して席に着いた。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない