ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、パラドックスポケモンの某むし・かくとうの子(ネタバレ配慮)に心を奪われた放仮ごです。発売後三日でクリアして、パルデアを舞台にポケ蟲書きたいなと構想していてようやく書けました。新蟲ポケ最高すぎて書くしかないよね。本当はレジェンズアルセウスでも書きたかったけどさすがに断念しました。

主人公は何故か記憶喪失のラウラです。楽しんでいただけると幸いです。


記憶を失くした蟲の女王
VSイワンコ


 諸君。俺は蟲が好きだ。蟲ポケモンが好きだ。愛してる。だからこの愛を以て証明する。蟲ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと。そのためには目の前のチャンピオンを倒さないといけない。

 

 

「ネモ!今日こそは勝たせてもらうぞ!」

 

「うん、いいよラウラ!輝いてる!」

 

 

 俺がメイドとして居候させてもらっている屋敷の一人娘、ネモと日課のバトルに今日も今日とて勤しんでいた。バトルジャンキーなところがある彼女にバトルの腕を見抜かれて以降、毎日飽きもせず戦っている。もはや日常の一部だ。

 

 

「イワンコ!いわおとし!」

 

「マメバッタ!岩を足場に、にどげり!」

 

 

 ネモのイワンコの飛ばしてきた岩を小さな体で身軽に足場にして跳躍し、突進してくるりと反転し蹴りを二連撃で浴びせるマメバッタ。そのまま着地すると、イワンコが体当たりしてきた。

 

 

「かみつく攻撃!」

 

「着地狩りか…っ、こうそくいどう!」

 

 

 マメバッタの脚力を生かして高速で移動させることで回避させる。ネモのポケモンに対抗するべく覚えさせた技だ。しかしネモは不敵に笑う。まるでわかってましたとでも言うように。

 

 

「甘いよラウラ!ステルスロック!」

 

「っ!?止まれ、マメバッタ!」

 

 

 咄嗟に指示するもこうそくいどう中で急に止まることはできず、マメバッタは頭から透明な岩にぶつかって怯む。地面と空中、フィールドの一帯にばら撒かれすぐ透明になる、交代するだけで傷付く尖った岩石だ。これじゃマメバッタの機動力を活かせなくなった。

 

 

「そのまま押し潰して!がんせきふうじ!」

 

 

 ステルスロックで迂闊に身動きが取れなくなったマメバッタに向けて多数の岩を一纏めにしたものを叩き付けんとするイワンコ。ネモめ、ここで決める気か。だが…!

 

 

「懐目掛けて、とびつく!」

 

「なっ!?」

 

 

 がんせきふうじを発動すべく仰け反らせた体勢のイワンコの懐目掛けて飛び込ませる。完全に予想外だったらしいネモは驚愕。すぐに首を振って気を取り直す。

 

 

「距離を取っていわおとし!」

 

「フェイント!」

 

 

 空中に岩を出現させてぶつけようとするイワンコにフェイント。鋭い蹴りがイワンコに突き刺さり先手を取る。

 

 

「にどげりだ!」

 

「かみつく!」

 

 

 すかさず蹴り二撃を叩き込むがしかし、イワンコはにどげりの一撃目にマメバッタの足に噛み付いて無理やりにどげりを止めてきた。

 

 

「がんせきふうじ!」

 

 

 呆気にとられる俺を余所に、噛み付かれて逃げられないマメバッタに岩の塊が炸裂。マメバッタは押し潰されて目を回し、戦闘不能となった。俺はマメバッタをボールに戻し、今回のルールである2VS2のシングルバトルに従って二匹目のボールを取り出し、自然体で口元に寄せてから投げる。

 

 

「タマンチュラ!」

 

「無理は禁物!交代するよイワンコ!…あれ?」

 

「とおせんぼうだ」

 

 

 タマンチュラを出す前にこっそり指示をしておいた技で交代を妨げる。ならばと攻撃に切り替えてくるネモ。

 

 

「いわおとし!」

 

「いとをはいて、カウンター!」

 

 

 いわおとしをいとをはいて飛び退くことで回避、した勢いのままカウンター。イワンコを戦闘不能にする。ネモが交代してきたのはパモだ。手にしたテラスタルオーブからしてテラスタルする気だろうが、それをイワンコに使わなかったのは慢心だぞ。

 

 

「パモ!テラスタルいくよ!」

 

「むしのていこう!」

 

 

 テラスタルして結晶化し、電球の様な結晶を頭部にくっ付けた姿になったパモに、タマンチュラの渾身の技が炸裂する。パモが吹き飛ばされたその威力に驚いている様子のネモ。

 

 

「凄い威力!?なんで…!?」

 

「とくせい、はりこみ。交代で出てくるポケモンに威力は二倍だ!蟲だからってなめるなよ!むしのていこう!」

 

 

 そのまま追撃。俺はこの日初めて、ネモ相手に勝利を収めたのだった。

 

 

「手加減したメンバーとはいえ私に勝つなんて、やっぱりラウラは凄いね!」

 

「それは嫌味かなんかですかお嬢様」

 

「もう、お嬢様はやめてって言ってるでしょ!」

 

 

 嫌味で嫌がってる呼び方にしてやるとぶすっとむくれるネモ。手加減した奴に勝てたって嬉しくないんだけどな。

 

 

「むしろ言わないと旦那様に怒られるんだが……まあいいや。今度は本気のネモに勝つからな」

 

「なら冒険して仲間を増やさないとね!」

 

「記憶喪失の居候の身に無茶を言うな」

 

 

 家もない。身よりもない。記憶もない、何ならこのパルデア地方に俺がいたという記録すらない。気付いたら凶暴な野生ポケモンの巣食う岩場に投げ出されていた俺が覚えているのは名前と蟲ポケモンに対する愛だけ。そんなないない尽くしの俺を助けて拾ってくれたネモと、住み込みのメイドとして雇ってくれた旦那さまには感謝してる。だが身分証明もできないと身動きが取れないのも事実だ。

 

 

「あ、それなんだけどね。お父様のコネでラウラの新しい身分証明書作ってもらったよ!」

 

「は?」

 

 

 そう言ってポケットから取り出したトレーナーカードを見せてくるネモ。ラウラって書いてあるしここに雇ってもらった時に撮った顔写真が貼ってあるな。我ながらもう少し愛想よくできないのか。って違う、そうじゃない。なにそれ聞いてないんだが?

 

 

「一緒にテーブルシティのアカデミーへの転入手続きもやってもらったから思う存分戦えるよ!やったね!」

 

「待て待て待て待て」

 

 

 アカデミーってあれだろ、パルデア地方が誇る世界基準でも有数の歴史がある私立学園。教師の何人かは元ジムリーダーや現役ポケモンリーグ四天王とかいう魔境。この戦闘狂お嬢様の行動力は知っているつもりでいたがここまでとは。伊達に毎朝アカデミーから自宅まで俺と戦うためだけに通っているだけのことはあるな。

 

 

「仕事は?俺、一応ここのメイドなんだが?」

 

「そんなのいいってさ!メイドとして雇ってたのも形式的なものらしいし」

 

「でも無料でそこまでしてもらうのも悪いって言うか……」

 

「アカデミーの課外授業で「宝探し」ってのがあってね。それならラウラの宝物…「記憶」を探すいい機会になるんじゃないかなって。お父様も記憶を見つけてからお返ししてくれればいいってさ」

 

「なるほど…」

 

 

 思わず納得してしまったが正直蟲ポケモンがいたら記憶とかどうでもいいんだが、蟲ポケモンを集めるためにもその課外授業はありがたいかもしれないな。あんまり気乗りはしないが。

 

 

「そう言えば先日引っ越してきたお隣さんのお子さんもアカデミーに通うかもなんだよね。どんな子だろ、楽しみだなあ!」

 

「強い奴だといいな」

 

「うん!ラウラみたいなライバルになってくれるといいな!」

 

「今日初めて勝てた奴がライバルでいいのか?」

 

 

 会話の間に回復させたマメバッタを頭に、タマンチュラを肩に乗せて溜め息を吐く。お前の興味が俺以外に向いてくれることを祈るよ。




記憶喪失したことでTS要素皆無になってタダの俺っ娘メイドになったラウラ。手持ちはデンチュラたちではなく、マメバッタとタマンチュラです。ネモが凄い便利。

キャラ詳細とか前作みたいにあとがきに書いた方がいいかな?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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