今回はVSオルティガ。楽しんでいただけると幸いです。
「強く、あざとく、美しく!いけっ、マリルリ!」
「鋼の甲殻見せてやれ、ぼむん!」
オルティガが指で示したのは4VS4。そしてオルティガが繰り出したのはマリルリ。俺は先頭に置いていたぼむん。マリルリは確かはがねが等倍になってたはず、相性不利だな。
「かわいがってやるから、吠え面かいて帰れよ!」
「吠え面かくのはどっちだ、永遠の二番手!」
「なんだと!?マリルリ、とびはねる!」
フォレトスのタイプ相性を知らないのかむしタイプに効果抜群なとびはねるを仕掛けてくるも、余裕で耐えきるぼむん。
「ヘビーボンバー!」
「それを待ってた!あざといの食らえ!キュートな強さに悶絶しろ!じゃれついてアクアテール!」
そのまま突撃するが、それを見越していたかの様にマリルリは一歩引いて直撃を避けて、拳の一撃でぼむんを浮かしたかと思えば一回転。水を纏った尻尾を叩きつけてぼむんを地面に埋めてしまう。
「っ…戻れぼむん!」
その状態じゃ何もできないため、咄嗟にぼむんを戻してジャックを繰り出す。
「今のどう見てもじゃれつくじゃないだろふざけんな」
「力の差、思い知った?降参するなら今なんだけど」
「この程度で降参して溜まるかよ」
「あ、そう。アクアテール!」
「素早く!つるぎのまい!」
今度は横に回転して放たれた水を纏った尻尾と、ジャックの高速で振り回した岩斧の乱舞がぶつかり合い、弾かれて距離を取る両者。
「あまえる!」
「遅い!力強く!くさわけ!」
つるぎのまいでぐーんと上がった攻撃力をあまえるでガクッと下げてプラマイゼロにしようとしたようだが、その前に勢いよく草をかき分けるような斬撃がマリルリに炸裂。効果は抜群だ。
「マリルリ!?くっ……美味しく料理しちゃえ!バウッツェル!」
「むしろ料理される側だなそいつは!?交代、ぼむん!」
力業は万能じゃない。どうしても隙ができてしまう。上げた攻撃力と素早さはもったいないがジャックは温存するべく、ぼむんを再度繰り出すと、ルクバー・スターモービルの上からバウッツェルが飛び降りてきた。こんがりと焼き上がったパンや焼き菓子でできた様な姿から香ばしく良い香りを放つその体は確か、とくせい:こんがりボディ。ほのおタイプの技を受けると、ダメージを受けずにぼうぎょのランクが2段階上がるとくせいだ。例えばウルガモスや、アイアールのシングにとっては天敵だろう。特定のタイプを無効にするとくせいはそれだけ強い。
「まあ俺ほのおタイプ持ってないから関係ないが」
「ウルガモス持ってないのかよ!メロコが言ってたぞ、強いって!」
「持ってても出さねえよ」
敢えて言うならウカがニトロチャージを使えるが使う理由はない。
「ぼむん!ヘビーボンバー!」
「あざとく防げ!つぶらなひとみ!」
ヘビーボンバーを叩き込まんとしたが、うるうると輝く瞳で見つめられて動きが鈍ったぼむんの一撃を真正面から受け止めるバウッツェル。なんて防御力だ!?
「そう簡単に当てさせないぞ!どろかけ!」
「てめっ!?くそっ…まきびし!」
さらに泥をかけられて命中率を下げられてしまう。咄嗟にまきびしを放たせるが見当違いな方向にばら撒かれる。ダメか。なら、あえて近づかせる。
「かみくだくで防御を下げろ!」
「直上にでんじふゆう!」
噛み砕こうと大きく口を開いて牙を突き立てんとしたバウッツェルの攻撃を真っ直ぐ上昇することで回避。ぼむんの真下に位置し、差した影に見上げるバウッツェルに、ぼむんが迫る。
「下がった攻撃力は勢いでカバーだ!力強く!ヘビーボンバー!」
直撃。ぼむんがそそくさと離れると、叩き潰されたバウッツェルは目を回してオルティガに回収される。悔しげに歯噛みするオルティガ。
「蟲なんかにここまで追い詰められるなんて…」
「一寸の蟲にも五分の魂ってな。なめてると痛い目を見るぞ」
「まったくだよ。じゃあこいつはどうだ。プクリン!」
繰り出してきたのはプクリン。逆転できるとは思えないが……用心していこう、交代だ。
「頼むぞレイン。怯ませろ、エアカッター!」
「プクリンの歌声に聞きほれろ!うたう!」
「しまっ……」
エアカッターを受けながらもアイドルソングの様な美声が響き渡り、空中で眠りこけてしまうレイン。プリンの代名詞、覚えていたか…!
「相当速いだろそのアメモース?ジャイロボール!」
「いい技覚えてるな!」
なにもできないまま縦に高速回転したプクリンに轢き飛ばされ、目を回すレイン。耐久力の無さは要改善だな。
「頼む、レクス」
ぼむん、ジャック、レインに続く四匹目の選出はレクス。フェアリーに弱いあくタイプだがやるしかない。
「見るからにあくタイプ?は?なめてんの?」
「そいつはどうかな?」
「まあいいや。容赦なくやっちゃえプクリン、うたう!」
「遠ざかれ、こうそくいどう!」
放たれた歌声が聞こえない距離まで一瞬で遠ざかるレクス。これしか思いつかなかった。ってやばい、あんまり聞いていると俺も眠くなってくる。
「見るからに接近戦タイプだ!近づくしかないだろ!うたう!」
「空から攻めろ!」
俺の指示に頷き、アジト内に乱立するステージや木を乗り継ぎながら跳躍していくレクス。ルクバー・スターモービルが納まっていたキャンプの上からさらに跳躍し、歌声を避けていく。
「落ちてきたところにのしかかれ!じゃれつく!」
「決めろレクス……かかとおとし!」
覚えたての新技を指示。天高くから片足を振り上げながら急降下し、勢いよく踵を叩き込むレクスと、こちらも跳躍してお腹から体当たりをしながら拳を振るうプクリン。その脳天に踵が叩き込まれ、同時に腹部に拳が叩き込まれる。こうかはいまひとつ、だが…!
「どうした、プクリン!?」
目を回してふらつき、そのまま自身の頬を全力で殴りつけ背中から倒れ込みダウンするプクリン。狙い通りだ。
「こんらんだ。かかとおとしは30%の確率で相手をこんらん状態にする」
「それを引いたってこと?はあ!?おかしいだろ!なんで俺が追い詰められてんだよ!!」
▽オルティガは ブロロロームを くりだした!
「出たか…」
ルクバー・スターモービルが咆哮を上げると同時に濃い桃色の霧が足元に立ち込めた。ミストメイカーか。このままフェアリータイプの技で攻めてくるか、それともこのフィールドを利用してくるのか。どっちだ?
「マジカルアクセル!」
「レクス、避けろ。……レクス!?」
桃色のオーラを纏いながら突撃してくるルクバー・スターモービルに、回避を指示するも反応しないレクスに不思議に思って見てみれば、何故かびくりとも動かなかったレクスに直撃、吹き飛ばされる。なんでだ…!?
「プクリンは仕事したよ。じゃれつくの前にのしかかりを当てたんだからな」
「…器用な真似をするな」
「あと二体!あざとくキュートに決めてやるから覚悟しろ!」
さりげなく技を放つとは、二番目の強さは伊達じゃないな。ぼむん、行くぞ!
あざとい曲者揃いなオルティガの手持ち。
ゲームでは命中率が低くて使い物にならないかかとおとしもリアルバトルでは大活躍。絶対痛い。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。