今回はグロリアとの対決、決着。楽しんでいただけると幸いです。
「まさか、トドロクツキ…!?それにあれは一体……?」
「知っているのかネルケ!?」
「あなたから行きましょうか。テツノブジン、行くのですわ!」
何か知ってるらしいネルケに質問する暇なく、トドロクツキと呼ばれたボーマンダっぽいのが引っ込んでテツノブジンと呼ばれたサーナイトもしくはエルレイドっぽいのが前に出る。メガサーナイトとメガボーマンダにニックネームをつけた感じか…?いや、メガシンカとも全然違う。近いのはあれだ。ムウマによく似たハバタクカミ…あれと同じ存在と考えてよさそうだ、同じブルーフレア団だしな。…もしかしてウカもそうなのか?
「ウカ!とびかかる!」
エルレイド・サーナイトに共通するエスパータイプだと推理し、効果抜群のむしタイプの技である飛び蹴りを叩き込む。しかし難なく受け止め、刃の様な腕で弾き返すテツノブジン。エスパータイプじゃ、ない?
「チヲハウハネ。知ってますわよ、むし・かくとうタイプ!ソウルクラッシュですわ!」
「しびれごな!」
確か、オーロンゲの使う技だった気がする。フェアリータイプの技のはずだ。つまりフェアリータイプか?しびれごなで妨害、麻痺させて行動をキャンセルさせる。とびかかるに対応する高い素早さもこれで低下させることができた。行ける!
「まひ程度で止められると思ったら大間違いですわ!エレキフィールド!」
「なんだと!?」
刃を地面に突き立て、電気が迸るフィールドを作り上げるテツノブジン。でんきタイプ……いや、違う。内部で何かの器官がエレキフィールドから迸る電気を吸い取り、光輝く。
「とくせい、クォークチャージ!ある一定の条件下…その一つ、エレキフィールドが発動すると最も高い能力を底上げしますわ!」
「なんだそのとくせい!?」
「これがこのポケモンたち…パラドックスポケモンの強みですわ!インファイト!」
瞬間、すばやさが底上げされたのかまひする前よりも素早い動きで一瞬でウカの目の前に現れるテツノブジン。そのまま拳や肘打ちや蹴りの応酬が叩き込まれる。この威力……フェアリー・かくとうタイプか!?こいつらはパラドックスポケモンというのか、普通のポケモンじゃないらしいな。だが技を使って、タイプもあるのも同じなら…!
「いつものポケモンバトルと何も変わらねえ!ウカ、ニトロチャージ!」
「距離を取ってサイコカッターですわ」
インファイトでぼうぎょととくぼうが下がった隙を突こうと試みるが、高速で離脱して両腕を振るって念力の刃を二つ飛ばしてくるテツノブジン。ウカは俺の指示を受けることなくチーム・ルクバーの敷地内を駆け抜けていくが念力の刃は追いかけてくる。軌道を自在に操れるのか。なら、それを利用する!
「加速しろウカ!そのまま…!」
「!」
「ニトロチャージだ!」
俺の思惑を呼んでくれたのか頷き、炎を纏ってすばやさを上げて加速するウカ。サイコカッターはそれを追いかけていき、すれ違った木を容易く切断、水場が蒸発して水蒸気を発生させグロリアからは見えなくなったはずだ。さらにウカは加速、木を機転にUターンして水蒸気の向こうのテツノブジンまで向かっていく。
「っ!?ソウルクラッシュで迎撃ですわ!」
「すれ違え!ローキック!」
さらにローキックを発動して加速。炎を纏ったウカはまひして技が出せなかったテツノブジンにスライディングキックを叩き込んでその背後に急停止。足を崩され宙に浮いて身動きが取れないテツノブジンに、ウカを追いかけてきたサイコカッターが炸裂。
「とびかかる!」
大きく吹き飛ばした先で跳躍したウカの飛び蹴りをまともに受け、テツノブジンは勢いよく蹴り飛ばされて地面に激突。大きなクレーターを作り上げ、バチバチと火花を散らす。戦闘不能らしい。
「まさかサイコカッターを利用するなんて……」
「かくとうタイプっぽいからな、効果抜群だろ?」
「やられましたわ……ならこの子はどうかしら。トドロクツキ」
テツノブジンをタイマーボールに戻し、代わりに繰り出し空を舞い咆哮を上げるのはトドロクツキと呼ばれるボーマンダに似たポケモン。なるほど、轟く月か。あの翼が三日月みたいだからそう呼ばれているのか………
「残るポケモンと交代はさせませんわよ。くらいつく!」
「ウカ!?ニトロチャージ!」
「持ち上げなさい、りゅうのまい!」
ウカの腕に噛み付いてきたので炎を纏って逃れようと試みるも、そのまま空中に持ち上げられてしまい振り回される。羽があっても飛べないんだぞ、ウカは!
「蹴りつけろ、ローキック!」
「スケイルショット!」
蹴りを叩き込んで引き剥がそうとするも、バババババッ!と至近距離から鋭い鱗が連続で射出され大ダメージを受けて呻くウカ。あの連続攻撃は不味い。だがローキックが効いているようだ。見た目からしてあくタイプか?
「とどめですわ、テラスタル!」
「なに!?」
当たり前の様にテラスタルオーブを取り出してテラスタルするグロリア。結晶化したトドロクツキの頭に付けられたのは、全然似合わない風船型の結晶。アイアールのヒナと同じ、ひこうテラスタルか…!
「そらをとぶ!」
くらいつかれたまま空に連れ去られるウカ。もはやフリーフォールじゃないか。ウカはむし・かくとうタイプ。ひこうタイプは四倍弱点だ。もう無理だろう。ならせめて…!
「しびれごな!」
「もう勢いは止められませんわ!」
そして急降下してきたトドロクツキに地面に叩きつけられ、ウカはダウン。戦闘不能だ。だがしかしトドロクツキをまひさせてくれた。十分すぎる仕事だ。
「よくやったウカ。…行くぞレクス。お前に任せた」
「さいきのいのりで復活させたのですわね」
ウカを戻し、繰り出すはレクス。さいきのいのりで復活したはいいが体力は半分。まともに技を受けれない。
「やることは変わりませんわ!くらいつく!」
「連続で殴りつけろ、こうそくいどう、とびかかる!」
まひして動きが鈍いトドロクツキを、高速で移動して四方八方から飛び蹴りを浴びせていくレクス。このまま、と思ったが一瞬の隙を突かれて噛み付かれてしまう。不味い、連れ去られる…!?
「そらをとぶ、ですわ!」
「レクス…!」
先程のウカと同じように空に連れ去られるレクス。まだだ、レクスの脚は変形して伸びるんだ…!
「かかとおとしだ!」
畳んでいた右脚を解放し、オーバーヘッドキックの逆版を叩き込むレクス。効果は抜群だ。
「…まさか、この二体がやられるとは。ド!驚愕ですわ」
「俺の勝ちだ」
「あら。何を勘違いしてますの?」
切札であったであろうテツノブジンとトドロクツキを倒して終わった、と思っていると首をかしげるグロリア。一体何を勘違いしてるって……あっ。
「アーマーガア。ストリンダー。セキタンザン。テツノブジン。トドロクツキ。私はまだ五体しか出していませんわよ。――――インテレオン」
絶望的な事実を告げられ、繰り出されたのは体力全快のインテレオン。こちらは満身創痍のレクス。大ピンチが過ぎる。
「ねらいうちですわ」
「こうそくいどう!」
ねらいうちをこうそくいどうで回避していくが、じり貧だ。一発でも受けたら終わる。でも、だったら!勝負に持ち込むしかない!
「懐に飛び込め!できるな、レクス!テラスタルだ!」
偶然、というか完全に忘れていたがオルティガ戦では温存していたテラスタルオーブをここで解放。むしテラスタルとなったレクスがねらいうちを避けながら突っ込んでいく。
「点で駄目なら面ですわ。みずのはどう!」
「とびかかる!」
地面を抉るように放たれたみずのはどうに、真正面から飛び込んで飛び蹴りでぶち抜くレクス。そのままインテレオンに叩き込み、勢いよく蹴り飛ばした。
「あ」
「え」
吹き飛んだ先にはグロリアがいて。激突してもみくちゃになってしまう。あれは痛いぞ。
「…大丈夫か?」
「いたたた………戻って、インテレオン……」
気を失っているインテレオンにのしかかられて目を回していたが、ボールに戻すことで立ち上がるグロリア。その目が俺を捉えると、驚愕に見開いた。
「え、あ、ら、ラウラ!?」
「いきなりなんだ、グロリア」
「いや私グロリアじゃなくてユウリだよ!?え、なにこの格好?趣味じゃないんだけど…」
自分の恰好や髪型を見渡して首を傾げだすグロリアもといユウリ。なんだ、どうしたっていうんだ!?
「たしか私、ラウラが記憶喪失だって聞いていても立ってもいられなくなって、そしたらダフネのイオルブに……あれ、何この記憶?ってそうだ、大丈夫ラウラ!?怪我してない!?」
「いやお前のせいでやばかったんだが」
俺にずずいっと顔を近づけ安否を確かめてくるその様子に、頭の中でピースが繋がった気がした。そうだ、俺はグロリアを知らない。だけど、ユウリは知っている。ようやく違和感が消えた、気がした。
レクスとウカだけでテツノブジンとトドロクツキを乗り越えるラウラ。かつての強さが戻ってまいりました。
グロリアの正体、その名はユウリ。インテレオンやアーマーガア、ストリンダーにセキタンザンを使っていて名前もユウリがかつて変貌した姿の通称まんまで、なんなら髪型も服装も剣盾にあった奴という伏線でした。お嬢様なのはダフネの趣味。
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