今回は蠢くブルーフレア団の回。ラウラ視点はありませんが、楽しんでいただけると幸いです。
パルデア某所。ブルーフレア団のアジト。そこでは、エスプリ……メロコが拘束している、暴れているユウリの前にマトイが姿を現していた。
「ラウラとの再会を邪魔して!放して!私になにをするの!?」
「やっぱりグロリアとは虚構の存在だったのね。見た顔と思ったのよね……ガラル地方のジムチャレンジャー、ハロンタウンのユウリ。いや・・・貴方のいた世界では貴方がチャンピオンだったのかしら。興味深いわね」
「…な、なんのこと?わたくしはグロリアですわよ」
そっぽを向いてお嬢様言葉を使うユウリだったが、それを見て愉快そうにくすくすと笑うマトイ。
「取り繕わなくて結構よ。貴方が何者かはある程度察しがつきます。あんな実力者が名を知られていないなんておかしい話だもの。でも貴方はまだ利用価値がある。ここに宣誓書があるわ」
―――――「…もし、そのラウラを倒せてもブルーフレア団に反旗を翻すことなく我々の目的のために尽力すると誓えるのかしら」
―――――「誓いますわ!なんなら誓約書でもなんでも持ってこいですわ!」
マトイが懐から取り出した丸めた書類に、悪い顔で笑うユウリ。
「生憎だけど私はユウリ。グロリアじゃないからその宣誓書を守る義理はないよ!」
「それもそうね。でもね、その口で誓ったのだから我々の目的のために尽力してもらうわ。あれを」
そう言って合図するマトイ。すると奥から何かを持った二名のエスプリが現れる。
「…強い。私の知らないところでこんなエスプリまで……待って。それ、何をする気?」
その二人から強者の気配を感じとったユウリだったが、その手に持ってある物を見て顔色を変える。女性らしい体つきのエスプリは自身のものと同じヘルメットを、少し華奢だがガッシリしている体格のエスプリは折りたたんだ黒いボディスーツを持っていた。
「もちろん尽力してもらうのよ。心の底からね」
「…待って、それはやめて!」
エスプリの一人からヘルメットを受け取り、カシュッと音を立てて後ろ側の開くとユウリに被せていくマトイ。すると暴れて抵抗していたユウリだったが、すぐに大人しくなり、
「最強の手駒が手に入ったわね。エスプリ
不敵に笑むマトイ。水面下で揺らめいていた悪意の青い炎が、ブルーフレア団が動き出す。
ラウラにも、ペパーにも嘘をついてしまった。ラウラに黙り、ペパーを騙して先に偽龍のヌシを倒すことにしたけど、こんなにも心が痛むだなんて。でもやらなきゃいけないんだ。ラウラの記憶を取り戻させるわけにはいかない。
「強い…!」
「食物連鎖に興味津々!コイツでごちそうさんしてやるぜ!」
恐らく秘伝スパイスを得たであろうシャリタツを飲み込みパワーアップして暴れるヘイラッシャ。ハルクララとペパーのヨクバリスで抑え込もうとするが、その巨体を前に吹き飛ばされ、宙に浮いたところをいっちょうあがりでドーちゃんが、アクアテールでヨクバリス薙ぎ払われてしまう。ちょすいを読んできた!?
「ドーちゃん!?」
「ヨクバリス!?」
戦闘不能になったハルクララとヨクバリスをボールに戻すも、その隙をついてみずのはどうを乱射してきた。咄嗟にペパーと一緒に両脇に逃れ、走って避けていく。
「アイアール!どうする!?こいつの狙いが遅いから避けられているが!」
「私がなんとか隙を作るから、ペパーのポケモンで攻撃をお願い!シャリタツならともかくヘイラッシャは、私のポケモンじゃ有効打が無い!」
正直シャリタツも相性最悪だからヒナぐらいしか有効打無いけど。こおりが効かないドラゴンタイプででんきが効かないみずタイプってずるだよね。
「わかったぜ!お前の出番だスコヴィラン!」
スコヴィランを繰り出すペパーに頷き、ボールを構えて投げつける。出てきたのはここぞの時に頼れる相棒、ゲッコウガだ。
「ゲッコウガ!たたみがえし!」
「タネばくだんだスコヴィラン!」
連射されるみずのはどうを、スコヴィランを庇うように地面を捲り上げて盾にして防ぐ。その間に横からスコヴィランがタネばくだんを叩き込む。大ダメージに呻くヘイラッシャ。すると口の中からよいしょとばかりにシャリタツが出てくる。あの動きは、りゅうのはどうか!
「かげぶんしん!」
たたみがえしで捲り上げた地面をぶち抜いて放たれたりゅうのはどうをかげぶんしんで回避、水中含めて周囲に複数のゲッコウガが出現し、シャリタツとヘイラッシャは分かりやすく取り乱す。シャリタツはこごえるかぜで掻き消そうとするも、ヘイラッシャから離れられないのはわかっているのでやすやす回避させることができた。
「つじぎり!」
いっせいに飛びかかり、斬りかかるように見せて消えて行くゲッコウガの分身たち。ヘイラッシャがパニックになって暴れるも、当たったゲッコウガは次々と消えて行く。
「合わせろスコヴィラン!ソーラービーム!」
それによってシャリタツとヘイラッシャ怯んだところに最後のゲッコウガによる斬撃が二体纏めて叩き込まれ、そこにペパーが指示したスコヴィランのソーラービームが炸裂。ヘイラッシャは目を回して崩れ落ちる。
「あとは!」
「シャリタツだけ!」
「オレモヌシー!」
気絶したヘイラッシャの上で変な鳴き声を上げながらこごえるかぜを吹き荒れさせるシャリタツ。もはやふぶきだ。なんて力だ。
「こんな小さな奴をここまで強くするスパイス、絶対手に入れたくなってきたぜ!元から絶対手に入れるけどな!マフィティフとラウラが待ってんだ!」
「……うん、そうだね!」
ペパーの言葉に思うところはあるけど、合わせておく。ごめんねペパー。でも、マフィティフを元に戻したいのは本当だから!
「ゲッコウガ、交代!ヒナ!」
攻めあぐねていたゲッコウガをボールに戻し、代わりにクエスパトラのヒナを繰り出す。
「テラスタル!」
シャリタツから放たれてスコヴィランを押し流してしまっただくりゅうを回避し、空に舞い上がるテラスタルしたヒナ。
「マジカルシャイン!」
華麗に空を舞い、煌めく光の攻撃で応戦する。りゅうのはどうで撃ち落とそうとしてくるシャリタツの猛攻を擦り抜けながら急降下するヒナの一撃が、その背中に突き刺さる。
「ドリルくちばし!」
「オレヌシー……」
崩れ落ちるシャリタツ。私とペパーは頷き、ハイタッチ。洞窟の中に入るのだった。
「……アハハ!本当に倒しちゃった!マトイ様が目をつけるだけあるわね!」
「うるさいぞ。奴等に気付かれる確率、36%。回収して帰還する」
特別なエスプリたち。色とか付けて差別化したい。スターモービル、どんなデザインでも似合ってていいよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。