今回はラウラ大ピンチ。楽しんでいただけたら幸いです。
ジャックに掴まりナッペ山北を登山していると、スマホロトムに通話がかかってきたので起動する。すると健気についてきながらスマホロトムが通話する。悪いなスマホロトム。
《ロトロトロトロト……「……ラウラ。聞こえるか?」》
「ちょっと風の音がうるさいが聞こえるぞ、カシオペア」
《「……なにをしてるんだ?」》
「チーム・カーフに向かっている」
そう言うと通話の向こうで絶句するカシオペア。さすがに予想外だったか。
《「では、オルティガからボスの証ダンバッジをもらったのだな」》
「ああ、バッチリだ」
《「これでボスがいなくなったチーム・ルクバーは終わりだな…と言いたかったが、もはやチーム・カーフまでもを潰そうとしているのか。いよいよ残るボスは一人。作戦が上手く進んでいるのはひとえにラウラのおかげ……頼もしい限りだ。まるで昔のみんなみたいだ」》
「みんなって?」
イヌガヤさんから聞いた話でほぼ答えは出ている。だからこれは答え合わせだ。スター団の全責任を負ってガラルへ留学。これであてはまるのは一人しかいない。
《「…いや。なんでもない。補給班にチーム・カーフへ先に向かわせよう。そこで追加報酬を得てくれ」》
「わかったよ。…なあカシオペア」
《「なんだ?」》
「…お前はスター団を潰したいんだな?」
そう尋ねると、スマホロトムの向こうで押し黙るカシオペア。葛藤する彼女の姿が目に見える。だいぶ時間をかけてから、彼女は口を開いた。
《「………ああ。もちろんだ」》
「わかった。なら俺もやることは決まった」
《「何の話だ?」》
「こっちの話だよ。またな」
そう言って通話を切る。…うん。ならなおのこと、やることは決まった。早くビワとメロコをどうにかしないと。
「ジャック、急げ。山を越えるぞ」
岩斧を駆使して雪山の断崖絶壁を登って行くジャック。頼もしい限りだ。このまま…そう思っていた時だった。
「なんだ?」
山の向こうから何か飛んでくる。あれは……オンバーンの群れか?しかし様子がおかしい。おぼつかない飛び方でぶつかって復帰、を複数匹が繰り返している。
「やばい、パニックになってるぞ!こっちにくる!気を付けろジャック!」
バサバサバサと蝙蝠じみた羽音を響かせながら迫ってくるオンバーンの群れ。レインを繰り出して迎え撃つ準備だ。
「バブルこうせん!」
パンパンパンと当たるたびに破裂していく泡がオンバーンたちを正気に戻していく。それでも襲いくる個体が三体いた。しょうがない、戦闘不能にするか。そう、レインを戻してジャックにしがみ付くと、重低音の衝撃波が一斉に放たれ、咄嗟に耳を塞ぐ。
「っ、これは…ばくおんぱか!?」
それにより怯んだところにエアスラッシュやりゅうのはどうが襲いかかり、ジャックが高速で岩肌を駆け抜けて回避していく。目につくやつを狙っている割には同族を狙わない。…あいつらの仲間になにかあって怒り狂っていると見るべきか。
「危ない、しがみ付けジャック!」
続けて襲いかかる三体合わせてのぼうふう。とんでもない風圧の暴風に体ごと浮かされ飛ばされそうになるのを岩斧で岩肌に引っかけて耐えるジャックと、その背にしがみ付く俺。防戦一方だ。かといって飛べるレインやケプリベでもこの風じゃ耐えきれない。耐え抜くには突破力が必要だ。
「頼む、レクス!一体でいい、地面に落とせ!かかとおとし!」
瞬間、跳躍して体勢を逆転、オンバーンの一匹の顎にかかとおとしを叩き込むレクス。そのまま打ち上げられたオンバーンに捕まって天高く飛翔、飛び降りるとオンバーンの一匹が落ちて行く。よし、まず一匹。
「こうそくいどう!」
さらに周囲を飛び交う大人しくなったオンバーンたちをも足場にして空中で翻弄。オンバーン二体はばくおんぱを放とうとするも仲間を目にして攻撃をやめる。間違いなく群れの仲間だからだろう。大人しくなったのに悪いな、利用させてもらう。
「とびかかる!」
高速で周囲を跳び回って十分に加速してから飛び蹴りをオンバーン一体に叩き込むレクス。空中で体勢が崩れたその個体にすれ違いざまに掴まり、二段キックを胴体に叩き込む。技でもなんでもない攻撃だが結構効いている。
「じごくづき!」
さらにその個体を蹴り飛ばして舞い上がったレクスが横に一回転。鋭い蹴りの一撃を喉元に叩き込んで勢いよく地上に蹴り飛ばした。これで二体。
「レクス!?」
油断したであろうそこに目掛けて放たれるエアスラッシュ。こうかはばつぐんだ。戦闘不能になってないものの落ちて行くレクスをボールからの赤い光で回収する。そして俺とジャック目掛けて翼を羽ばたかせて真っ直ぐ飛んでくるオンバーン。ばくおんぱを放ちつつ迫って来て、逃がす気は無さそうだ。妙だな。あいつだけ妙に巧みだ。誰かの指示を受けている…?オンバーンの群れがパニックになってたのもアイツの仕業か?
「つるぎのまいだ!」
俺を背に乗せたままもう片方は岩肌にひっかけている岩斧を片手だけ振り回し、防御するジャック。ジャックがまともに戦える場所まで耐えなきゃいけない。
「ダーマ!スレッドトラップ!」
ただでさえ狭いジャックの背の上でダーマを繰り出し、糸の盾でエアスラッシュやりゅうのはどうを防いでいく。その間に岩斧を必死に動かして移動していくジャック。しかしそうはさせないとばかりに暴風が襲いかかり、俺とダーマは投げ出されていた。……あ、デジャヴ。
「大空のヌシぃいいいいい!?」
絶叫しながら落ちて行く。すると俺目掛けて糸を伸ばすダーマ。なんかそのまま首が折れて死ぬ
「グラッシャアアアッ!」
するとジャックが飛び降りてきて、重い体を活かして追い付き空中でダーマと俺を抱え込んできた。そのままジャックに抱えられたまま、岩肌に何度もぶつかり転がり落ちて行く俺達。ジャックが守ってくれたおかげで無事だが、下は海。
「…まいったなこりゃ」
岩肌の崖際から投げ出され、俺達はまっさかさまに海に落ちて行った。
「「「ラウラの始末、成功。任務完了。帰投する」」」
なんでダーマで逝きそうなビジョンを見たのかはアメイジングな二作目参照。いやあ、まさか数年経ってからあのフラグを回収するとは思わなんだ(今更ホームな三作目を見た)
量産型エスプリ三体がオンバーンを操ってラウラを始末しようとした、のが今回。ブルーフレア団が本気になるとこうなる。ラウラの安否や如何に。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。