マトイはフラダリの様に絶望した訳でもその思想やカリスマを狂信・心酔した訳でもなくその善悪基準で善側と判断、その計画が本当に全てのポケモンやトレーナーを救う物だと信じて行動しており、本気で思いやっており、レホールとの友情は確かに本物。ある意味純粋な悪党より性質が悪いかもです。
今回はシュウメイ達VSエスプリとパラドックスポケモン軍団。楽しんでいただけたら幸いです。
「いくでござるよ!
閉じ切ったテーブルシティ南門に、隙間からベトベトンを忍び込ませてロックを解除した我は、ピーニャ殿とオルティガ殿、ネルケ殿と共に突入すると、そこはワイルドか鉄染みた謎のポケモンが跋扈する地獄だった。それぞれベトベトン、ドンカラス、マリルリ、ヤレユータンを繰り出して応戦する我等。
「こいつらは一体なんなんだ!」
「生放送のデリバードもどきとかすごく怖かったんだけど!」
「ラウラ殿も持っていたウルガモスっぽいのもいるでござるな!」
「こいつらはパラドックスポケモン!鉄みたいなのはわからないが、ワイルドな風貌なポケモンたちは遥か太古に生息したと言われている強力なポケモンだ!タイプもまるで違うから気を付けろ!」
事情をいくらか知っているらしいネルケ殿の言葉に頷く。見た目に惑わされるなということでござるか。いや待て。そんなにも強力なポケモンをこの数も捕獲できるものだろうか。
「敵。排除する」
手を翳す複数のエスプリの姿が奥に見える。ボールジャックと言うのは文字通りモンスターボールをジャックし支配する力だと思っていたが、もしやボールに入れなくてもある程度行使できるのでは…?
「ならば!皆の衆!エスプリを狙え!恐らく、あの腕を上げさせなければ統率が乱れる!ベトベトン!忍法、
敵にどの技か悟らせないために忍術と呼んでいる技を使用し、パラドックスポケモンとやらの一団を飲み込み拘束する。身動きさせなければ恐るるに足らず!
「シュウメイ!君の洞察力を信じるよ!ドンカラス、おいかぜ!あくのはどうで怯ませろ!」
「やるぞネルケ!お前のヤレユータンで混乱させろ!マリルリ、れいとうパンチで凍らせるんだ!」
「了解した。ヤレユータン、さいはい!」
ピーニャ殿とドンカラスがおいかぜで味方のすばやさを上げてあくのはどうで我とベトベトンが捕らえ損ねたパラドックスポケモンたちを怯ませていき、そこにオルティガ殿とマリルリが地面に冷気を纏った拳を叩き込んで氷漬けにし、それを妨害しようとする奥にいて巻き込まれなかったパラドックスポケモンたちをネルケ殿とヤレユータンが操り同士討ちさせる。
「今でござる!突撃!
「おいかぜに乗るんだ!ぼうふう!」
「薙ぎ払え!アクアテール!」
「サイコキネシスでエスプリたちの動きを止めろ!」
我が煙幕を放ち、それごと巻き込む形でピーニャ殿が暴風を発生させることでパラドックスポケモンたちの動きを止め、そこにオルティガ殿が激流で薙ぎ払うと、ネルケ殿がエスプリたちを拘束し腕を下げさせた。見える限り全員、総勢五人の動きを止めるとはなんて練度か。ネルケ殿、できるでござる。すると明らかに狼狽し混乱するパラドックスポケモンがいて。
「おぬし、先ほどの攻撃からどくタイプと見た!ゲットでござる!」
「あくタイプもいるね!僕も!」
「なら俺も!お前フェアリータイプだろ!」
そこに我とピーニャ殿とオルティガ殿がそれぞれリピートボール、タイマーボール、ゴージャスボールを投げて捕獲。我は鋼鉄のウルガモスの様なパラドックスポケモン、ピーニャ殿はワイルドなモロバレルの様なパラドックスポケモン、オルティガ殿はワイルドなプリンの様なパラドックスポケモンをそれぞれゲットした。
「テツノドクガとアラブルタケとサケブシッポの捕獲を確認」
「最優先で排除する」
「ボールジャック、起動」
拘束から無理矢理抜け出し、捕らえたばかりのボールを乗っ取ろうと手を翳すエスプリたちに、ノートパソコンを手にしたピーニャ殿が立ちはだかる。
「
「ナイスだピーニャ!行くぜ、サケブシッポ!多分使えるだろ、ムーンフォース!」
それに続いて、明らかにドラゴンなワイルドなボーマンダに似たパラドックスポケモンと鋼鉄のサザンドラみたいなポケモンをサケブシッポが放った月型のエネルギーで押し潰すオルティガ殿。我も負けてられないな!
「テツノドクガというのでござるか、ラウラ殿が好きそうなポケモンでござるな。さて、先ほど使っていた技は……焔の舞、の術でござる!
「?」
「…ほのおのまいでござる!」
失念していた、捕まえたばかりでは我の忍術にはついてこれないか。テツノドクガから放たれた鱗粉から燃え上がる炎で壁を生み出して即席のバリケードを作る。よし、ピーニャ殿には近づけさせないでござる!
「僕もいくよ!アラブルタケ、多分使えるっしょ?かみくだく!」
炎の壁を越えてきた以前も戦ったムウマの様なパラドックスポケモン…ハバタクカミを、ノートパソコンを操りながらのピーニャ殿の指示で文字通り噛み砕いて戦闘不能にさせるアラブルタケ。
「サイコキネシスで援護です!」
ネルケ殿がエスプリの動きを阻害してくれている。今だ。
「ベトベトン!」
「ドンカラス!」
「マリルリ!」
「「「ヘルメットを外せ!」」」
そこに炎の壁を越えて行ったベトベトンとドンカラスとマリルリがヘルメットを奪い、吹き飛ばし、弾き飛ばし、中から見覚えのある者達が現れる。やはり、スター団の仲間でござったか。
「ううっ、ここは……」
「う、動けねえ…」
「あ、ボスたち…こ、これはですね…」
「どうやら裏切ったことに負い目を感じている者達がエスプリにされていた様でござるな」
どうやら安全装置が働いているのか身動きが取れない様子のスター団のしたっぱたちを
「もう我等はボスではござらん。そんなことも知らずにエスプリにされていたでござるな。……怖かったでござるよな、居場所を失うのは。強い居場所を求めるのは道理でござる」
「操られていただけだしね、怒りはすれど恨みはしないよ」
「でもな!悪い大人かどうかの判別ぐらいは付けろよな!」
そう言って、ベトベトンとテツノドクガ、ドンカラスとアラブルタケ、マリルリとサケブシッポと共に構え直す。先には、エスプリだけじゃない。裏切ったことに未練や負い目すら感じていない者達であろう青いサングラスにスーツ姿の若者たちが残りのエスプリに混ざってやってくる。そのうち十数人はもともとの構成員であろう大人も混ざっている。数で潰す気でござるな。
「ネルケ殿。すまないが、彼らを安全なところに運んでもらってもよいでござるか?」
「ああ、俺は構わないが…どうするんだ?」
「あれでも我らの元同胞。お仕置きでござる」
「責任もって僕らボスがOHANASHIしないとね」
「まあ俺らもうボスじゃないからそんな責任もうないけど…落とし前は付けないとな」
戦力差は絶望的でござるが、少なくともメロコ殿を助けるまで負けられないでござるな。一斉に襲い掛かってくるパラドックスポケモンの軍勢と、ブルーフレア団したっぱたちから繰り出されるポケモンたち。我等は身構えるも、それは杞憂だった。
「ロックブラスト!」
横から岩の弾丸が次々と放たれ、全部脳天に命中させて怯ませ止める者がいた。緑のマフラーを巻いたセーラー服の、前髪で目元を隠した銀髪をふんわりロングヘアーにした、前髪からちらちら見える綺麗な翠の目が印象的な少女で、傍らにヘラクロスを連れている。
「こっそり本丸を落とそうと思ってましたけど、貴方達の言葉に胸打たれました!助太刀させてもらいます!」
「おぬしは?」
「私はダフネ!…えっと、通りすがりの蟲使いです!行きますよヘラクロス…メガシンカ!」
そして首にかけたペンダントを握りしめると、溢れ出た眩い光がヘラクロスの持ち物から溢れた光と繋がって虹色の光球に包まれてそのシルエットが変化、光球が弾けてその姿を現した。全体的にマッシブになって角が新たに巨大な物が増えて背中は黄色く、腹部には排気口の様な器官が現れ、触覚も長く伸びて、細かった腕は丸太の様に太く、強靭になった姿。メガシンカ…話には聞いたことはあったが、これが。
「蟲ポケモンのかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なところ、見せてやります!」
「それはラウラ殿の……助太刀、喜んで受けるでござる!」
その嬉々とした姿がラウラ殿と重なって、信じることにした。ラウラ殿曰く、蟲を好きな者に悪い奴はいない!
パラドックスポケモンをゲットする元ボスたち。どくタイプで蟲ポケモンだったから今作のシュウメイにぴったりだなとこういう感じになりました。ピーニャはトドロクツキでもよかったけど扱いやすさでアラブルタケにしてます。
そんなピーニャ、エスプリのボールジャックをジャミングするまさかの有能ムーブ。ネルケもヤレユータンで名采配。この二人がいなかったら詰んでるまである。
そして参戦、ダフネとメガヘラクロス。カロスのフレア団が元の組織が相手だからメガシンカを使うダフネは適任でした。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。