ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。前回のコスモッグの波長云々はオリジナル設定です、念のため。

今回はパルデアに来たユウリ達の話。楽しんでいただけると幸いです。


VSピッピ

 ジュリが先頭に乗り操縦するルナアーラを駆り、ウルトラホールを飛んでいく四人。さすがに重いのか少しふらつきながらも、三日月の様な角を握られたルナアーラはしっかりと前に進んでいく。

 

 

「うん、操縦はあれと同じだ!感覚でどうにかなる!」

 

「いや、それにしたって…よく電撃も関係ない穴も全部避けて加速に入れるな?」

 

「得意だったからね!RPGよりアクションとかレースの方が好き!」

 

「何の話ですか?」

 

「「ゲーム」」

 

「「はあ!?」」

 

 

 訳わからない会話を繰り広げるジュリとグレイにダフネとユウリが呆れる中、時折失速してウルトラホールに点在する色とりどりの穴へと入って行き、いくつかの世界を巡る四人。

 

 少年とピカチュウがポケモンマスターを目指している世界。ポケモン図鑑を手にした10人の少年少女が海の魔物と相対している世界。巨大隕石に滅ぼされそうな中、善人も悪人もポケモンも手を取り合い共に抗っている世界。顔が濃いピッピがハチャメチャに暴れる世界。ポケモンの言葉が解かり怪力持ちの野生児がポッチャマと共にギンガ団に立ち向かっていく世界。人間とポケモンが合体し戦士となり激突する世界。妙に渋い声で喋るピカチュウと少年が怪事件へと立ち向かっていく世界。人間がいない世界でポケモンたちが探検隊として冒険している世界。時に関わりながら、時にグレイの判断で見物に留め、ラウラを探索していく中、一週間。

 

 

「…図鑑所有者に会えるとか感激でしかない……」

 

「ReBURSTとかポケモンDPとか懐かしすぎだろ……」

 

「サトシさん、ポケモンマスターになれるといいですね」

 

「うん、私と張り合えるぐらい強かったしね」

 

 

 半ば放心気味のジュリとグレイを放って異世界で出会った少年の話で盛り上がるダフネとユウリ。ラウラが見つからない事実から逸らすための話題だがしかし、顔に焦燥感が浮かんでいる。もうそろそろ精神的にも限界だった。そんな中、ルナアーラと繋がった光がひときわ輝く穴を見つけた。

 

 

「多分、あそこかな!?」

 

「もし違ってもまた入り直せばいい。突っ込めイノムー!」

 

「掴もうぜ未来って言えばいい!?」

 

「掴むのはラウラの手だからね!」

 

「ああもう滅茶苦茶です……」

 

 

 疲れから脳のフィルターを通さず喋って支離滅裂になっている三人にダフネが呆れ、そしてその穴に突入する四人とルナアーラ。飛び出したのは、中央に巨大な穴が存在している地方の遥か上空だった。その圧巻の光景に絶句する四人。

 

 

「すごい…広い!」

 

「森がほとんどない、解放感あり過ぎるだろここ…どこだ?」

 

「多分パルデア地方!大穴が有名な土地はそこしかない!ムツキが四天王に選ばれた地方だけど……それで、ラウラはこの世界に!?」

 

「いやでもここが出口だとして、無事なんでしょうか…」

 

「「「……」」」

 

 

 そんな冷静なダフネの言葉に思わず押し黙る三人。これまでの世界は比較的出入り口が地表に近いところにあっただけあって、あまり心配していなかったがこうなると話は別だ。恐る恐る下を見る。地表、のさらに下まで繋がっている大穴があった。

 

 

「とりあえずウルトラホールの真下に行くね」

 

 

 そう言ったジュリの操縦でゆっくり降下していくルナアーラ。聳え立つ雪山を尻目に、大穴の中へと舞い降りて行く。

 

 

《ロトロトロトロト……》

 

「「「「!」」」」

 

 

 大穴の底、絵の具で塗りつぶしたかの様な緑の草地が広がる大空洞が見えてきたところで、ダフネのスマホロトムに着信。画面を見れば非通知だ。四人は顔を見合わせ、もしやラウラなのではと頷き、ダフネが通話に出る。

 

 

「もしもし、ラウラさんですか!?」

 

《「ハロー。残念ながら私はラウラではない。私の名はオーリム、君達のいるエリアゼロの最奥、ゼロラボの研究者だ」》

 

 

 通話先の相手がラウラじゃないと知ってあからさまに落胆する四人だったが、気になることがあったのか首をかしげるユウリ。

 

 

「オーリム博士……フトゥー博士じゃなくて?」

 

「フトゥーって誰だ?」

 

「ムツキがパルデアに行くって言うから強い人いないかなって調べたの。そしたらグレープアカデミーの成績優秀な博士でエリアゼロにいるっていう博士の名前が出てきて・・・でも、男性だったよ?」

 

 

 声的に女性なオーリムに怪訝な表情のユウリ。すると、スマホロトムの向こうで笑い声が聞こえた。

 

 

《「ふふふ……はははは。フトゥーは私の夫だ。…グレープ…こちらではオレンジアカデミーというんだ。そうか、そちらの世界ではフトゥーが私の代わりに研究しているのか。因果なものだな。オーリムも異世界という視野を入れるべきだったのかもしれないな」》

 

「異世界の存在を知っている…!?」

 

「それに自分の事を他人事みたいに…?」

 

「あなたは一体…?」

 

「ラウラを、ラウラを知っていますか!?」

 

 

 明らかに異様なオーリムにそれぞれ問いかける四人に、画面の向こうのオーリムは「落ち着け」と宥め、スマホロトムに座標を送ってそこに行くように誘導する。ジュリはルナアーラを操縦してそこ…ゼロゲートの建物へとやってきた。その奥の部屋まで案内されると、部屋の一面を埋めた巨大モニターに原始人の様な服の上から白衣を着たワイルドな女性が映し出される。

 

 

《「改めて名乗ろう。私はタイムマシンを研究しているオーリム……を模して造られたアンドロイド、俗に言うAIだ。初めまして、ラウラと同じ世界から来たものよ」》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タイムマシンと来たか」

 

 

 オーリムAIの爆弾発言で固まっていた四人の中でいち早く回復したグレイがそう述べる。テロリスト(ロケット団)大自然の力(マグマ/アクア団)宇宙創世(ギンガ団)真実と理想の思想(プラズマ団)神話の最終兵器(フレア団)異世界の脅威(エーテル財団)無限のエネルギー(マクロコスモス)と歴代のポケモンを知っている故の発言だった。その言葉に頷き、オーリムAIは自身のタイムマシンの原理を描いた図を表示して説明する。

 

 

《「そうだ。テラスタルのエネルギーを用いてモンスターボールだけを過去あるいは未来へ飛ばし、その時代のポケモンを捕獲して転移する……この時代の生態系を破壊こそすれどただそれだけの装置だった。とりわけオーリムと言う人間は古代のポケモンに強く魅了されていてね、古代と現代のポケモンの共存を願っていた。合理的とは言えないが一人だけになったため自分をコピーした私を作ったりもしたが不幸な事故から死んでしまった。それ以降残されたタイムマシンは稼働し続け時空を超え続けている……ここまではいいかな?」》

 

「ああ。続けてくれ」

 

 

 よくわかっていない他の三人は放っておいて頭の中で整理しつつ続きを促すグレイにオーリムは頷く。

 

 

《「その日もいつも通り稼働していた。だがしかし、突如外界からゼロラボにアクセスがあり何者かがコントロール権を掌握、出力を上げてモンスターボール以上に巨大な通路を生み出そうと試みた。その結果生まれてしまったのが上空の時空の(ひずみ)だ。時空を繋げるだけの装置は想定してない使い方をされて異世界と時空を繋げてしまったのだ。そうして、現れたのはラウラと言う少女だった」》

 

 

 繋がった。四人は顔を見合わせ、頷く。希望はここに紡がれた。




ウルトラホールはポケモンがいる世界にしか繋がってない説。ちょうどポケ蟲三次創作にて話題が上がってましたね。

この小説はオーリム博士/フトゥー博士の配偶者が志半ば折れたもう一人だったんじゃないかという仮説で書いてます。ラウラ達の「ソード」世界ではフトゥー博士、つまりヴァイオレットでした。

今回の事件の発端は、モンスターボールの規格しか想定してないタイムマシンの出力を無理矢理上げて巨大な時空トンネルを生み出そうとしたため、でした。さすがに外からのハッキングによる干渉は最強AIも想定してないんじゃないかなと。あのAI、歴代チャンピオンラーニングとかボールロックとか強いけどあれゼロラボの中ゆえの強さだよねと。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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