今回は題名通りあの蟲ポケモンが参戦。楽しんでいただけると幸いです。
笑って負けを認めたサニアは拳を握ってぷるぷると震えた。悔しいのかな。
「つぎ。まけない。ほんき。いく」
「まだチャンピオンランクの本気はやめてほしいな」
でもおかげでストライクを使いこなせるようになった気がする。するとサニアが腰のポーチに手を伸ばして何かを探し始めた。
「どうしたんだ?」
「わたしたいもの。ある」
そして見つけた物を取り出し、差し出してきたサニアに首を傾げる。それは、黒く輝く石の破片だった。
「それは…?」
「これ。つかえ。わたしのしるストライク。おのできをきる」
「?」
とりあえず受け取る。なんだこれ、ほのおのいしとかその類なのか?すると出したままだったストライクがやってきて興味深げに鎌の先端で触れてきた。
「おわっ!?」
「グラッシャー!」
するとテラスタルとは異なる輝きと共にストライクの形状が変わっていき、光が晴れると激変したストライクがそこにいた。ハッサム以外の進化だと…!?
「そのなは。バサギリ。いわのまさかり。たいぼくをもきる」
「バサギリ……」
進化した己の姿に困惑するストライク…バサギリに、胸が高鳴るのを感じた。ああ、かっこいいな!最高だな!思わずサニアの手を取ってブンブン振るう。
「ありがとう!サニア!おい写真を撮るぞバサギリ!」
「グラッシャー!」
「よろこぶ。なにより」
振り回されながら嬉しそうにするサニア。感慨深げにバサギリを見つめてにやける姿は珍しい物を見た気がする。すると街の中心のツリーバトルコートから満面の笑みのアイアールが降りてきた。あっちも終わった様だな。
「ラウラー、勝ったよー!…ってあれ?誰その子にポケモン?」
「ああ、こいつは……」
「っ、じゃあまた」
するとサニアはアイアールを見るなり苦い顔をしてそそくさと去って行ってしまった。…なんかわけありっぽいな。アイアールから逃げる理由は分からんが。
「いや、お前が出て行った後にサンドウィッチ屋で出会ったやつだ。で、こいつはバサギリ。ストライクの進化形だ」
「ええ!?ハッサムじゃなくて!?」
「そうなんだよ。驚いたよな」
バサギリの岩斧を撫でようとしたらちょっと触れただけで軽い切り傷がついて引っ込める。凄い切れ味だな。かっこいいぞ最高だぞ!と興奮しているとアイアールが取り出した包帯と傷薬で治療を始めた。
「いや怪我したなら治療しようよ」
「あ、悪い。それで勝ったんだって?」
「うん。ホゲータとコジオがいたから完勝だったよ」
「初心者向けのジムって話だしな。俺もちょうどいわタイプを手に入れたからいけるかな」
そう言ってバサギリを見上げる。180㎝ぐらいか?結構でかいな。進化した自分の力を試したくてうずうずしてるな。
「よし早速いくか。ジムトレーナー相手に無双しようか」
「あ、他の地方のポケモンジムと違ってジムテストってのがあるよ」
「ジムテスト?ジムミッションじゃなくて?」
「うん。ちょっとよくわからなかった」
「そりゃ、ウールー集めとかクイズみたいな?」
「ウールー集めって何?」
「いや、なんかそれがすぐ浮かんだ」
なんでかは知らん。しかし普通にジム攻略するだけじゃ駄目なのか。面倒だな。
「とりあえずいくか。戻れバサギリ」
「私は客席で応援してるね」
バサギリをボールに戻し、アイアールと一度別れてセルクルジムに向かう。…なんだろう、大きいんだがこのサイズに違和感を感じる。あとセルクルタウンの雰囲気に合って無くないか?
「あ、ラウラ!」
「げ」
なんだろデジャヴ。ジムの中に入るとネモが待ちかまていたんだが。何時来た。というか郊外で戦ってたのに俺に気付かないでここまで来たってことは俺とアイアールがこの街に来る前から待機してたってことか?
「ポケモンジムに来たってことはアイアールと同じくジムバッジを集めてポケモンリーグに挑戦するんだよね!?アイアールのジム戦の途中にサニアと戦ってたからてっきり興味ないのかと…」
「見てたんかい。…蟲ポケモンの強さを証明するんだからやるに決まってるだろ」
「っ…!そうだよね!ラウラならそう言うよね!蟲ポケモンだけで勝ち続ける覚悟があるなんてすごいよ!」
「…ネモ、お前蟲ポケモンを侮ってるだろ」
そう尋ねると口をつぐむネモ。否定して俺のやる気がなくなるのを危惧してたんだろうな。まあ気持ちは分かる。打たれ弱い、弱点も多い、気持ち悪いと言う奴もいるだろう。だけど。だけどな?
「ちょうどいい。むしタイプのジムであるここで宣言してやる。ネモ、いやチャンピオン。よく聞け?」
大きく息を吸い込む。両手を後ろに回して姿勢を正す。転入した時の紹介の様な無様な宣言はしたくない。これは俺の宣戦布告であり決意表明だ。
「諸君!俺…私、ラウラは蟲が好きだ!蟲ポケモンが好きだ!愛している!だからこの愛を以て、ジムバッジをすべて集めてトップチャンピオンを倒すことで証明する!蟲ポケモンはかっこよくて!かわいくて!美しくて!最高で!最強なのだと!!」
「ラウラ……」
するとネモは嬉しそうに不敵に笑い、ワーワー!と周りから歓声が上がる。見れば多くは蟲ポケモンを連れたトレーナーたちの様だった。やはりむしタイプのジム、蟲ポケモンが好きな奴が集まる場所らしい。
「あなた、素晴らしいわ!」
「おおっ!?」
すると後ろからやってきたふくよかなパティシエールに抱きしめられる。一体誰だ何事だ!?
「本当に素敵なトレーナーさん~!こんなことを宣言するなんて~私、少し恥ずかしいわ~!そうよね、蟲ポケモンの素晴らしさを見せればいいのよね~!そんな簡単なことにも気づかなかったわ~!」
「あ、あの…放して……誰……」
「あらら~、ごめんなさいね~?自己紹介がまだだったわね~。私はパティスリームクロジ店長の……ううん、このセルクルジムのジムリーダー、カエデです~。よろしくね~ラウラちゃん?」
この人がここのジムリーダーか。特徴的な喋り方だな。
「貴方と戦えるの楽しみにしてるわね~。オリーブころころ頑張って~?」
「オリーブころころ?」
そう言い残してカエデさんとやらは去って行った。なんか知らんが気に入られたらしい。するとネモもなんか頷いていた。
「うん、うん!私も感動した!ラウラの覚悟をちょっとなめてた!なんかこう、いてもたってもいられないや!その辺のトレーナーに片っ端から勝負を挑んでくるね!」
「それはやめとけ」
「ええー。わかった、我慢するね!…蟲ポケモンの強さ、教えてくれること私も楽しみにしてるね!」
そう言ってネモもジムから出て行った。さて改めて、ジムテストに挑むとするか。
バサギリ参戦。サニアは何でくろのきせき持ってたんだろうね、不思議だね(すっとぼけ)
決意表明したらカエデに気に入られたラウラ。ネモにもますます目を付けられました。ネモの心情としては「蟲ポケモンを使わない方が絶対強いのになんでこだわるんだろう?」だったのが「自分の好きを押し付けるのもバトルだよね!」となりました。バトル馬鹿。
次回、ようやくジム戦。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ウカ以外のラウラの手持ちにもニックネームは…
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つける
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つけない