今回はアイアールVSペパーその三。ペパー視点です。楽しんでいただけたら幸いです。
「出し惜しみはなしだ!快気祝いのテラスタルだ!光っとこうぜマフィティフ!」
「グルル……ワウッ!」
難攻不落のアイアールのキョジオーン、ツムヅムを相手に相棒のマフィティフを繰り出し、テラスタル。あくタイプのテラスタルになったマフィティフは悪そうな笑みを浮かべて一声吠えた。いいぞ、完全に調子が戻って来たな!
「マフィティフが元気になれたのもアイアールとラウラのおかげだ!礼を言うぜ!だが解せねえ!ラウラの何が心配だ!あいつは根っからのいい奴だ!記憶を取り戻してお前が困る事ってなんだ!ラウラのために記憶を取り戻させないは矛盾してるじゃねえか!かみくだいちまえマフィティフ!」
「っ…矛盾、してない!いわなだれで防御!」
こうかばつぐんと防御力ダウンを狙ったかみくだくを、いわなだれで壁を作って防ぐアイアール。こっちがなにしたいのかわからなくてとにかく防御に徹しているな?それは意味ないことを教えてやるぜ!
「ステルスロックにじゃれつくだ!」
いわなだれの壁で視界が塞がったのを確認してから指示を出す。するとマフィティフは戦場を駆け回り、設置されているステルスロックに次々とじゃれついて弾き飛ばしていく。その先にはあるのは、のろいですばやさが二段階下がってろくに動けないツムヅムだ。
「え、なに!?…そうか、のろい!」
「負けるなマフィティフ!のろいをサイコファングでかみくだけ!」
次々とツムヅムに突き刺さるステルスロックに、最初は困惑していたアイアールだったがこちらの目的を悟ってのろいで妨害してくるが、現れた鉄釘の幻影…というか呪いのエネルギーを、同じエネルギー体であるサイコファングを展開して、さらにかみくだくの威力も上乗せして破壊。ツムヅムはただ体力を半分削っただけに終わった。
「かみくだく!」
そこにテラスタルの力を解放したマフィティフの噛み付きがツムヅムに炸裂。崩れ落ちさせる。悔しげにボールに戻すアイアールに合わせて、こちらもマフィティフをボールに戻す。
「ステルスロックを展開するだけしてキョジオーンがやられた理由って……」
「もちろん、ツムヅム突破のためだ!ステルスロックはどんな相手だろうが必ず突き刺さる!どんなに防御力が高いポケモンだろうとだ!」
「だからステルスロックをぶつけて定数ダメージを与えてきたんだね…焦ってのろいを指示した私のミスだ。ごめんねツムヅム……お願い、ドーちゃん!」
俺の残りのポケモンを思い出してか、くさタイプに有利などくタイプのドオーを繰り出すアイアール。俺の残りの手持ちはマフィティフの他にはリククラゲとスコヴィラン、その判断は正しいぜ。だが…!
「推し通るぜ、スコヴィラン!」
俺が繰り出したのはスコヴィラン。くさ・ほのおで弱点が少ないポケモンだ。どくタイプには弱いが、もちろん対策もしてある。
「ヘドロウェーブ!」
「乾かしてしまえ!にほんばれ!」
アイアールは毒の津波で対抗しようとしてきたが、にほんばれで乾かしてカピカピになって固まった毒の津波を頭突きで粉砕して突進するスコヴィラン。あまりの素早さにドーちゃんの目が追い付いていない。
「俺のスコヴィランのとくせいはようりょくそ!戦闘中の天気がひざしがつよい時、すばやさが二倍になるぜ!」
「ドーちゃんじゃ、追い切れない…!?」
「しねんのずつき!」
「どくづき!」
緑の頭部が念動力を纏って振りかぶられた瞬間、毒のトゲを生やして抵抗しようとするアイアール。しかしスコヴィランはしっかりもう一つの赤い頭部の目でそれを捉えて急停止。緑の頭部を引っ込めて赤い頭部でアッパーカットの様にしてドーちゃんを打ち上げる。
「ま、まだだ!じしん!」
「大気に振動を加えるか!やっぱりお前ら……とんでもないな!だいもんじ!」
空中で体を震わせてじしんの振動を大気に伝えてくると言うとんでも技術を使ってくるドーちゃんに、にほんばれで威力が上がっただいもんじが炸裂。黒焦げになってドーちゃんは落下、目を回した。
「……何がバトルが下手、だよ。すっごく強いじゃん…嘘つき」
「騙してなんかねえ!あのとき、宝探しが始まる前にお前とラウラに頼んだ時の言葉は本音だ!この強さは、お前とラウラだけに頼ってられねえ、俺の力でマフィティフを今度こそ守るんだってお前らをお手本にして考えて、鍛えた強さだ!」
なにか傷付いた様子で言ってきたため、全力で言い返す。騙したなんて人聞きが悪い。俺がお前とラウラを騙すかよ。
「――――お前とラウラのおかげで今の俺達があるんだよ!俺が弱いから話せねえってんならお門違いだ!遠慮なく話せ!ダチだろ!?」
「友達だから話せないこともあるの!ヒナ!ドリルくちばし!」
「逃げろ、スコヴィラン!」
次に繰り出してきたクエスパトラはとんでもない速さでスコヴィランの目の前に先回りしてドリルくちばしを叩き込んでくる。いくらなんでも速すぎだろ…!?
「ヒナのとくせいはびんじょう。相手の能力変化に便乗して同じ能力を上げる。こっちもすばやさ二倍だよ!」
「だいもんじだ!」
「ルミナコリジョン!」
放っただいもんじも、ヒナの放った念動力で相殺されてしまう。分が悪いな、交代だ。
「戻れスコヴィラン。頼むぞ、リククラゲ!」
俺が選んだのはリククラゲ。こいつにはきんしのちからといって変化わざが後攻になる代わりに相手のとくせいを受け付けないという、ツムヅムの攻略にも使えそうなとくせいがあるんだが敢えて残しておいた。
「マフィティフ…じゃない!?」
「エスパータイプ相手に馬鹿正直にあくタイプを出すほど単純じゃないぜ!マジカルシャインとか覚えてるんだろ!」
「ご明察!関係ない、このままヒナで三体を突破する!ドリルくちばし!」
「パワーウィップ!」
放たれたドリルくちばしに、触手を巻き付かせて受け止めるリククラゲ。こう見えてこいつは素早い。だからゲッコウガ用に取っておいたんだが、見せちまったならしょうがねえ!
「ルミナコリジョン…!」
「きのこのほうしだ!」
とくぼうをガクッと下げるルミナコリジョンを受け止めながらきのこのほうしを放つリククラゲ。瞬く間に眠りについたヒナを触手で巻き付けたまま軽々と持ち上げ、振り上げる。
「ヒナ、さわぐ!」
「さわぐを覚えていたのか、危ないが…眠る前に使わなきゃ意味なしちゃんだぜ!パワーウィップ+だいちのちから!」
そして地面に頭から勢いよく振り下ろすと同時に地面から湧き上ったエネルギー波を直撃させ、ヒナは眠ったまま崩れ落ち、戦闘不能。残り二体…!追い込んだぞ!
「勝ったら教えてもらうからな!」
「負けない、負けられない。お願いだから放っていてよ!ハルクララ!」
絶叫を上げながら繰り出されたのはハルクジラのハルクララ。主人思いなのか大きな咆哮を上げてこちらを威嚇する。こいつの強さは知っている、進化前の時点でラウラを追い詰めていたやべーやつだ。リククラゲと相性最悪だが……たしかあついしぼうなんだよな、スコヴィランでもきつい。交代したところを狙われたらアウトだ、このまま突っ張る。
「…俺は、
お前にそんな顔は似合わねえんだよ、アイアール!
ラウラとアイアールのトンデモ戦法を吸収して強くなったペパー。ナンジャモの動画も確認して勉強している徹底ぶりです。
じしんを空中の敵に当てるのではなく、大気を振動させる荒業に昇華させたアイアール。キリエもびっくりのあたおかです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。