ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今作オリジナル要素が解禁です。

今回はマトイVSボタンの続き。楽しんでいただけたら幸いです。


VSガブリアスⅠ

 まるでウェイターがお盆を持つかの様に、左手を腰にやり涼しい顔で右手で持ったテラスタルオーブが眩く光り輝き、マトイの前で両腕を交差し大きく開いて咆哮を上げたガブリアスの姿が結晶化し噴水の様な結晶を頭部に身に着け両腕に水流を纏う。そんな相手と相対し、歯を噛みしめるボタンと身構えて威嚇するブラッキー。

 

 

「そいつ、絶対攻撃力高いだろ!イカサマ!」

 

「アクアブレイク」

 

 

 敵の攻撃力を利用するイカサマを指示するボタンに、黒いエネルギーを纏い突撃するブラッキー。しかしガブリアスは水を右腕の爪に集めて地面に叩き付け、津波を発生させて触れることなくブラッキーを押し流す。

 

 

「さっきからようわからん技の使い方をして…!」

 

「あら、愚直に技をそのまま使う方がナンセンスよ。テラスタルは特定の技の威力がさらに上がるのが特徴よ。利用しない手はないわ」

 

「あくのはどう!」

 

「じしん」

 

 

 ならばと距離を取って遠距離から放ったあくのはどうも、ガブリアスが地面に爪を突き刺して震動を送り込み土の壁を隆起させて完全に防いでしまう。

 

 

「おまっ……ガラルのグランドウォールみたいな真似を…!?」

 

「強者の戦い方は取り込んで行かないとね?なにせ世界を敵に回すのだから。ドラゴンクロー!」

 

「そりゃ道理だ。でもウチも、伊達に酔狂でスター団を立ち上げた訳じゃない…!のろい!」

 

 

 のろいですばやさを犠牲に攻撃力と防御力を底上げし、身構えるブラッキーにドラゴンクローが突き刺さり、吹き飛ばす。

 

 

「ブラッキー、負けるな!あくのはどう!」

 

 

 吹き飛ばされたブラッキーは空中で身を捩ってあくのはどうを放ちながら着地。ガブリアスはそれをドラゴンクローで受け止めながら突撃する。

 

 

「アクアブレイク!」

 

「あくび!」

 

 

 咄嗟にあくびを指示。ブラッキーは水を纏った一撃が突き刺さる直前に欠伸をガブリアスに移して、そのまま吹き飛んで崩れ落ちる。戦闘不能だ。

 

 

「よくやった、ブラッキー。そのまま使い続けたら眠るけど、いいん?」

 

「よくはないわね。してやられたわ。交代しましょう」

 

「シャワーズ!」

 

 

 ブラッキーを戻し、シャワーズに交代するボタン。対してマトイもガブリアスが眠る前にボールに戻すが、次のポケモンを出してこない。

 

 

「…?なんのつもり?ウチをなめてんの?」

 

「まさか。この日光を利用させてもらってるだけよ」

 

 

 瞬間、横から伸びてきた氷の鎖に四肢を捕らえられ、空中に持ち上げられるシャワーズの身体が凍り付いて行く。こおり状態だ。

 

 

「シャワーズ!?一体どこから……」

 

「私が繰り出したのはフリージオよ。知ってるかしら?フリージオは気温が高いと水蒸気になるけど、死んだわけじゃなく気温が低くなれば元に戻る。つまりは……水蒸気の姿でも活動できるのよ。そして氷の鎖で相手を締め上げるとそのまま一気に凍らせてしまうのよ」

 

「なるほどね……でも、ウチのシャワーズはガラル出身だ!ねっとう!」

 

 

 にやりと笑ったボタンの指示に頷き、熱々の熱湯を発射するシャワーズ。パルデアのポケモンは覚えない技の一つ、ねっとう。自身がこおり状態でも使える技であるそれは氷の鎖の先にぶつかり、水蒸気となっていたフリージオが実体化しふらつく。

 

 

「なかなかやるわ、ね!フリーズドライ!」

 

「シュウメイ直伝!水遁の術(とける)!」

 

 

 みずタイプにも効果抜群な冷気を放つフリージオの攻撃を、その身を溶かして液体化することで素早い動きで回避。フリージオに纏わりつく。

 

 

「そのままねっとう!」

 

「熱湯如きで氷は溶かせない。ぜったいれいど」

 

 

 そのままねっとうを溶けた体から放出し、フリージオに大ダメージを与えようと試みるが、凍てつく視線でマトイが指示したぜったいれいどが発動。周囲一帯が凍てついて氷の世界に変貌し、凍り付いたシャワーズがごとりと音を立てて崩れ落ちる。戦闘不能だ。

 

 

「くっ…やっぱりウチには、ラウラ程の実力は……!サンダース!」

 

「眠気からは覚めたかしら?ガブリアス」

 

 

 悔しげにシャワーズをボール戻し、サンダースを繰り出すボタン。対してマトイはテラスタルしたせいででんきが弱点となっているガブリアスを繰り出した。

 

 

「…やっぱりウチのことをなめてんの?そっちがその気なら……星々の様にテラスタル!なりたい自分に変身しろ!」

 

 

 ボタンは最後の一匹ではないが切り札を切ることを選択。サンダースをテラスタルさせ、電球の様な結晶を頭に乗せた姿に変身させる。

 

 

「ぶっ飛べ!じゅうでん!からの……かみなり!」

 

 

 じゅうでんさせ、威力が二倍となった上にテラスタルでさらに威力が上がったかみなりをぶちかますボタン。しかしマトイは冷静に、懐からあるものを取り出して光り輝かせる。

 

 

「生憎だけど、私のガブリアスはただのテラスタルじゃないわ。メガシンカ……否。テラシンカ」

 

 

 瞬間、手にしたそれ……虹色の宝石が中央に埋めこまれた黒い菱形のブローチ、メガブローチから溢れだした虹色の光と、ガブリアスの胸元から溢れだした虹色の光が繋がり、虹色の繭に包まれて、さらにそれが結晶化。砕け散った瞬間、かみなりを凄まじい速さで回避してサンダースの背後に現れるガブリアス。雷の着弾速度をあっさり超えていた。

 

 

「え、はや……!?」

 

「アクアカッター」

 

 

 一瞬で目にも留まらぬ斬撃を与えてサンダースを戦闘不能にさせたガブリアスの姿は激変していた。

 

 

「…メガシンカ、いや違う…!?」

 

「メガシンカ+テラスタル、即ちテラシンカ。ポケモンとの絆が無いと出来ない、最強の力よ」

 

 

 ガブリアスがメガシンカした姿、メガガブリアスに似てこそはいるが、テラスタルしていることを表す様に全身結晶化しているだけでなく鋭く細部がシャープになっており、加速しやすい形状となっている。結晶化した牙も一対口からはみ出しており、角の様に天を突き。特徴的な頭部のヒレは鋭い三日月状の刃と化しており、瞳はギラギラと深紅に輝き。爪は三つに増えてさらに鋭く湾曲しており、腕ヒレは長く鋭い太刀の様に変化。背中の背鰭は大きく半月状に広がっており、全身から刃を生やした様な姿になったガブリアスが、氷の世界に立ちはだかっていた。

 

 

「メガガブリアスは強大な力故にすばやさを犠牲にするけど、テラガブリアスは違うわ。防御力を捨てて空気抵抗と水圧の抵抗を更に少なくし、さらに攻撃力と素早さに特化した姿。たしかにラウラさんとチヲハウハネのコンビは強かったわ、即席とは思えないほど。でもこの子には手も足も出なかった。断言するわ、今のこの子は最強よ」

 

「……(知らせないと)」

 

 

 最強の敵。それを前にしてボタンが考えたのは、避けられない自身の敗北と、この存在を誰かに伝える事。そして脳裏に浮かんだのはラウラとアイアール、自身の希望となった二人の顔だった。

 

 

「ニンフィア!マジカルシャイン!」

 

「むっ…!?」

 

 

 ボタンはサンダースを戻すなり、最後のボールを地面に叩きつけてニンフィアを繰り出すと発光させ目くらまし。それに思わず目を瞑るマトイとテラガブリアス。そして目を開けると、ボタンとニンフィアは消えていた。

 

 

「…やられたわ。彼女もエスプリにしようと思っていたのに。……放置するのも面倒になるかしら」

 

 

 そう言って校舎を一瞥するマトイ。その視線は、冷酷に研ぎ澄まされていた。




テラスタル+メガシンカ=テラシンカ。理論上はできそうよね。

・ガブリアス→テラガブリアス♂
とくせい:さめはだ→きれあじ
わざ:アクアブレイク
   ドラゴンクロー
   じしん
   アクアカッター
もちもの:ガブリアスナイト
テラスタイプ:みず
備考:れいせいな性格。ちょっぴりみえっぱり。列柱洞出身のあいつ。カロスから持ち込んだメガシンカと、パルデア特有のテラスタルを合わせたマトイの切り札であり、キリエのじしん戦法も使える。防御力が紙も同然となっており、その分攻撃力とすばやさが底上げされている。その速さは雷の着弾速度を越える程。ラウラとチヲハウハネのコンビを一方的に敗北に追い込み、ラウラがエスプリの実験体にされ記憶を完全に失うこととなった原因。


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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