今回はラウラVSマトイの激闘。楽しんでいただけたら幸いです。
校長室に突入し、マトイと激突する俺達。機械を破壊したレクスを戻し、ダーマとフリージオが対面する。屋外で無いからダーマの本領発揮はできないが、ケプリベがやられている。どうにか主力を押さえて相手の数を減らしたい。
「ダーマ、…いとだまバルカン!」
ネモのオリジナル技を見て、そらとぶタクシーの中でネモと話し合って既存技を別の使い方することでオリジナルの技に昇華、即ち四つ以上の技「昇華技」を生み出すいう荒業を考えた。時間はあったので一匹一つ以上は考えた。そのうちの一つがいとをはくの昇華技「いとだまバルカン」当たった相手のすばやさを下げるいとだまを連射する技だ。さらに物理で受け止めると糸が広がって拘束するおまけつきだ。ガブリアスで使いたかった。
「無駄よ、全て凍り付かせる。フリーズドライ」
「いとをはくで横から攻めろ!力強く!はいよるいちげき!」
しかしそれは凍りつく息吹でカチンコチンに凍らされて氷塊と化してゴロリと床に転がり、そのままダーマを狙って真っ直ぐ放たれるが、糸を伸ばして右の壁に移動して飛びつき、姿勢を低く突撃し下からアッパーカットするかの様に腕を振り上げるダーマ。
「薙ぎ払いなさい、アイススピナー」
「いとをはく!外に逃げろ!」
するとフリージオが横に高速回転、氷を纏って氷の独楽と化してダーマを弾き飛ばし、咄嗟に糸を伸ばして入り口正面の壁に開いた大穴から飛び出したダーマを追いかけて浮遊して回転しながら迫ってくる。
「ひたすら素早く!いとをはく!」
対して早業を使ったダーマは両腕から何度も何度も何度も糸を伸ばし、回転するフリージオに絡み付かせてグルグル巻きにする。サムライミ版スパイダーマンでよく見た動きだ。デンチュラよりも人型に近いフォルムのダーマならでは。
「こおりのつぶて!」
「スレッドトラップ!これいらないから返すぞ!」
フリージオは回転をやめてこおりのつぶてをいくつも生み出して糸を斬り裂きながら飛ばしてくるも、スレッドトラップで受け止め、袋詰めの様に纏めて投げ返してダメージを与える。
「アイススピナー!」
「いとをはく、力強く!カウンター!」
そして回転して突撃してきた勢いのまま糸を絡ませて一本背負い。壁の穴の縁にぶつけて戦闘不能にした。これでようやく5-5か。
「全て撃ち抜きなさい、ブロスター。あくのはどう。りゅうのはどう。みずのはどう」
「避けろ!いとだまバルカン!」
次に繰り出してきたのはブロスター。三連続ではどう技を連射して来て、必死に避けつつ糸玉を高速で連射するダーマ。ハサミにぶつかって糸で縛るも、簡単にハサミを開いて解き放って来た。
「この子に小手調べは無駄よ。これは避けれるかしら。はどうだん!」
「スレッドトラップ!」
「みずのはどう!」
必中のはどうだんが放たれるが、糸の盾で防御。しかし続けざまに放たれたみずのはどうまでは避けられず、まともに浴びて崩れ落ちてしまう。戦闘不能だ。
「レイン!」
「相性が悪かろうがひんしになるまで当てれば問題ないわ。十連射、はどうだん」
「そんなのありかよ…!?」
はどうだんに耐性があるレインを繰り出すも、ブロスターはハサミを大きく開いて必中のはどうだんを十発連続で放って来た。エネルギー弾の列車が弧を描いてレインに襲いかかる。
「素早く!でんこうせっか!」
レインは得意技のでんこうせっかを発動。はどうだんを同士討ちさせて撃ち落としていく。それだけじゃないぞ、レインの「昇華技」見せてやる。
「むげんほうよう!」
「っ!?」
瞬間、姿を消して四方八方からブロスターに襲いかかり、滅多打ちにして戦闘不能にするレイン。バブルこうせんとでんこうせっかを同時に行使する昇華技。バブルこうせんを赤青緑の三原色にすることで太陽光と合わせて透明化、さらに同時にでんこうせっかを行うことで不可視の猛攻を叩き込むワザだ。記憶を取り戻した今なら完全にわかったが、ポケスペのワタルのハクリューが使うバブルこうせんを応用した技である。夢幻泡影から名をいただいた。
「…目に見えない泡…知らない技のオンパレードで楽しくなってきたわ。これが貴方の実力なのね、ラウラさん!」
「生憎と急ごしらえだがな」
「ならわたしはさりげなく攻略して見せるわ。モスノウ」
「モスノウ…!」
次に繰り出してきたのはマトイさんの手持ちとして接してきたポケモン、モスノウ。別のモスノウが俺の仲間にいるからちょっとやりづらい。
「ボタンさんにも言ったけど。私は水と氷タイプの使い手。水と氷はさりげなく、確実に広がって行く。ちょうのまい、おいかぜ。こなゆき」
「力強く!むげんほうよう!」
さらに泡の数を増やし、勢いを増したレインが襲いかかるがモスノウはその複眼で軌道を読み切って全てを蝶の様にひらひらと勢いを受け流す様に回避しながらおいかぜを発動し、それにこなゆきを乗せることで泡が全て凍り付き砕け散って行く。まるでポケスペのエリカとヤナギを合わせた様な戦い方だな!
「力強く!エアカッター!」
「むしのさざめき」
ならばと無理やり突破しようとするも音波を盾にして相殺してきた。するといつの間にか凍り付いていたレインがごとりと音を立てて落下する。何時の間に!?
「風に乗せたこなゆきで凍てつく風にしてさりげなく凍らせただけよ。ひこうタイプだったからかよく効いたわね」
「…くそっ」
ケプリベとダーマとレインがやられた。残るはぼむん、ジャック、レクス、そして…最大6体までの試合じゃないからこそ使えるウカ。もう少し温存したかったがしょうがないか。
「行くぞ、ジャック!」
「バサギリ、古代のポケモンね?サニアさんからくろのきせきでももらった?あの子も生態系を滅茶苦茶にする悪い子ね」
「…やっぱりサニアは太古から来たのか」
「そうよ、タイムマシンの出力を上げたことで貴方が現れたウルトラホールの様に、時間を越えてやってきてしまった古代人。それがサニアさん。彼女の存在が、場所さえあれば最終兵器を召喚できる根拠になった。今では強力な駒となってくれたし思わぬ収穫だったわね」
「…あの雪崩の時か」
好き勝手言うマトイに、なにかが切れた音がした。サニアはパルデアでできたダチの一人だ。本来なら古代で平和に過ごしていたはずがこの人の勝手な実験で何も知らない現代に連れて来られて、終いには手駒として利用されているだと?
「人を何だと思ってやがる。俺もサニアもアイアールも、ユウリもスター団のみんなも……お前にとっては使える手駒でしかないって言うのか!」
「私は人もポケモンも愛しているわ。だからこそ消し去るのだけどね」
「お前の愛は愛じゃねえ。俺の蟲ポケモンへの愛で、お前の愛を否定する!」
そう宣言すると、ジャックも憤っているようでその感情がひしひしと伝わってきた。
「ジャック、お前にとってもサニアは進化させてくれた恩人だもんな。許せないよな…やるぞ、お前の昇華技」
「また知らない技?いいわよ、来なさい。モスノウ、おいかぜ。そしてこなゆき。ふぶきはこうやって使うことができるのよ…!」
おいかぜとこなゆきが吹き荒れ、ちょっとした吹雪の様になる校長室。だが関係ない。ジャックの持ち味は素早さだ。そして専用技のがんせきアックス。がんせきアックスは重たい岩斧を振り下ろす技で、せっかくの素早さの勢いを殺してしまう技だ。ならば、素早さを残したたまま使えたらどうだろう?
「がんせきリッパー!」
吹き荒れる吹雪がなんのその。床を蹴ったジャックが高速で右、左と動いて斬撃を叩き込み、最後に真後ろから両腕の岩斧を高速で横に振るい、斬撃。モスノウは四倍弱点を耐えきれずに崩れ落ちる。
「なっ…」
「愛があればどんなことだってできるんだ」
あと三体。このまま押し切る…!
いとだまバルカン。むげんんほうよう。がんせきリッパー。ラウラの新技術「昇華技」発動です。正確にはネモが発案してパーモットが使ってたアレのことですが。既存の技を組み合わせたり別の使い方をすることで擬似的に五個以上の技を使うことができる技術です。
いとだまバルカンは映画スパイダーマンでよく使うアレ、むげんほうようは本文でも語った通りポケスペのワタルから、がんせきリッパーはジャック繋がりの某運命の殺人鬼の宝具から。
地味にサニアの事も明言。ブルーフレア団のタイムマシン出力上げ実験に巻き込まれた古代人でした。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。