今回はアイアールVSリップその二。楽しんでいただけると幸いです。
私のクエスパトラのヒナVリップさんのクエスパトラの対決は一方的だった。一歩的に、追い詰められていた。
「は、速い…!?」
「
こちらの攻撃が一切当たらない。サイコキネシスで自身の機動力を上げ見てから回避してくるクエスパトラに、ルミナコリジョンもドリルくちばしもマジカルシャインもとっておきも、何一つ当たらない。スピード自慢ヒナが追い付けないなんて…!ラウラなら、ラウラならどうする…!?そうだ、ラウラなら…!
「フィールドに向けてドリルくちばし!」
「なにを…!?」
当たらないならばと、フィールドを抉るようにドリルくちばしで破壊、竜巻状に粉塵が舞い上がり、フィールドを覆い尽くして見えなくさせる。
「視界を…!」
「見えたから回避余裕でした、なら見せなきゃいい!そしてこっちからは見える!」
「クエスパトラ、サイコキネシスを解除…」
「とっておき!」
サイコキネシスで念動力を身に纏っているため淡く輝いているクエスパトラに、とっておきの一撃が炸裂。耐久力はそんなにないクエスパトラは崩れ落ちる。
「やった…!」
「戦い方がいきなり変わった…?今の、ナンジャモちゃんの動画で見たラウラちゃんの機転みたいだったわね。意識してるのかしら?」
「い、意識してるだなんてそんなこと…!」
「一匹も倒せず三匹目まで持ち込まれるなんてね…サーナイト。マジカルフレイムよん」
次に繰り出されたのはほうようポケモン、サーナイト。両手に炎を生み出すとジャグリングするかのようにポンポンと次々と生み出して円を描き、10発のそれを一斉に飛ばしてきた。
「マジカルシャインで撃ち落として!」
「サイコキネシスで操りなさい」
マジカルシャインで迎撃を試みるも、10発のマジカルフレイム全ての軌道を複雑に操ってマジカルシャインから逃れさせると空中でギュルギュルと円を描いて回転させるとその勢いを保ったまま高速で急降下。ヒナは健脚でフィールドを走って回避していくが、その前にふわりと浮いたサーナイトが立ちはだかる。
「飛んで火に入る夏の蟲ならぬ鳥ね。マジカルシャイン」
「しまっ…ヒナ!?」
至近距離からマジカルシャインを受けたヒナは吹き飛ばされ、崩れ落ちる。こっちと違ってタイプ一致でとくこう特化のサーナイトの一撃だ。耐えきれるはずが無かった。
「…ツキカゲ、いや駄目だ」
きずなへんげしてもタイプはみず・あくのままだが、相手はエスパー・フェアリータイプ。ツキカゲのあくタイプはエスパータイプに強くてもフェアリータイプには弱い。冷静になれ、ツムヅムで耐え抜こう。
「ツムヅム!ソルトアーマー!」
繰り出したのはキョジオーンのツムヅム。自身にしおづけして特殊攻撃にも強い塩の防護膜を全身に纏う。ソルトアーマーを用いることで物理特殊どちらの耐久力もピカイチの子だ。
「ソルトアーマー……聞いたことのない技名だけどオリジナルの技かしら。いいわ、なんて表現力なの!」
「さらにのろい!攻撃力を上げて!」
リップさんがなんか称賛している間に素早さを犠牲に攻撃力と防御力を高めて行く。ツムヅムは火力はそんなにないからソルトアーマーを維持している間に積んで行かないと。
「でも残念。私のサーナイトはどんなタイプでも対抗できるように技を構成しているのよ。エナジーボール」
「なっ!?」
エナジーボールを受けてソルトアーマーが砕け散るツムヅム。マジカルフレイム、サイコキネシス、マジカルシャイン、エナジーボール。まさか、リップさんの手持ちの技構成、全部攻撃全振り!?…い、いや、変化わざを多用するのはラウラみたいな頭のネジが少し外れている人ばかりでこれが普通なんだった。私のヒナもそうだしね。エスパータイプって変化わざを多用するイメージがあったから意外だった。
「めいそうでもしてくると思った?工夫次第で変化技を使わずともポケモンちゃんは強くできるの。こんなふうに。エナジーボールをサイコキネシスで止めなさい」
すると目の前に展開したエナジーボールをサイコキネシスでその場に固定するサーナイト。リップさんは口元に手をやって笑い声を上げる。
「ふふふっ!技も飾り立てることができるのよ!エナジーボール、連打」
「っ…ツムヅム!いわなだれ!」
サイコキネシスで固めているエナジーボール目掛けてエナジーボールを連射して固めているエナジーボールを大きく膨れ上げさせて巨大化していくサーナイトに、それ以上させまいと積むのを中断して攻撃。しかしサイコキネシスでいわなだれを遮るように壁を展開されて当たらない。同時に二つの事をサイコキネシスで行うなんて…!
「片手間に行うなんて造作もないわ。エスパーポケモンにとって念動力は息を吸うようにできるのよ?放ちなさい、エナジーボール」
「そ、ソルトアーマー!」
そして、ツムヅムの機動力じゃ避けきれない範囲を襲うエナジーボールが放たれ、咄嗟にソルトアーマーでコーティングしたツムヅムを飲み込んで大爆発。ソルトアーマーを砕かれて吹き飛ばされたツムヅムが崩れ落ちる。まさか、ツムヅムが一撃で…!?
「……ツキカゲ!」
「今のエナジーボールを見てみずタイプを出す勇気は褒めてあげるわ」
この超火力を相手にするには機動力が足りないシングじゃ駄目だ。ツキカゲしかない。やるしかない。
「エナジーボール連打、サイコキネシスで操りなさい」
「ツキカゲ、つじぎり!」
上空目掛けて乱射され、複雑な軌道を描いて凄まじい速度で襲いかかるエナジーボールの雨に対し、ツキカゲは水刀を装備して硬質化。私と意識がシンクロして、2人分の視点でどこから来るのかを見切り全てを切り捨てて行く。そうだ、攻撃を受けると私もダメージを受けるのが弱点なら、攻撃を受けない様にして私が弱点にならなければいいんだ…!
「うおおおおおお!みずしゅりけん!」
「なっ…!?」
エナジーボールを全て斬り捨てると、みずしゅりけんに切り替えて硬質化させ二つ投擲。二つの水手裏剣は弧を描いてサーナイトの目の前でぶつかり破裂。サーナイトは目を瞑って怯み、その間にツキカゲは目の前に移動し水刀を振るう。
「つじぎり!」
そして斬撃。十字に腹部を斬り裂かれたサーナイトは吹き飛んで崩れ落ち、戦闘不能となる。リップさんは驚きながらも冷静にボールに戻し、フラージェスを繰り出した。切札か…!
「まだよ、フラージェス!飾り立てましょう、テラスタ…」
「たたみがえし!」
テラスタルさせる前に足元から出現させた水を硬質化させてフラージェスを打ち上げ、こちらも足元からの水で跳躍し追従。
「かげぶんしん!みずしゅりけんでつじぎりだあ!」
空中に打ち上げられたフラージェスの周りで、六匹に増えたツキカゲの分身が煌めいて硬質化、次々と体当たりして空中に浮かせたまま打ちのめし最後に勢いよくフィールドに叩き付け、爆発。ツキカゲが着地すると、フラージェスは目を回して崩れ落ちていた。
「完敗よ…戦いの中で進化するなんてね」
「やった、やったよツキカゲ!」
勝利の嬉しさでツキカゲに抱き着く私。このまま強くなって、チャンピオンになって…ユウリにリベンジして見せる!
弱点をカバーすることを覚えたアイアール。戦いの中で強くなるのは主人公の特権。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。