今回はナッペ山での出来事。楽しんでいただけると幸いです。
アオキさんに全力で謝ってパラドックスポケモンの襲撃だと理解してもらった後、ナッペ山の登山を始める俺達。洞穴内のポケモンセンターを経由して、洞穴内の登山道を登って行く。コライドンとミライドンなら壁も登れてショートカットできていいな。とんでもない縦地形に驚くユウリが新鮮だ。
「すごっ…ガラルじゃまず見ない地形だよ…」
「そもそも平坦なガラルとパルデアじゃ地形が全く異なるからな。こんな標高の高い山も……カンムリ雪原ぐらいか?そんなに急じゃなかったが」
「カンムリ雪原?」
「それってたしかラウラがうるとらほーる?に落ちたって言う?」
「そうだ。強いポケモンが沢山生息するガラル南部の秘境だ。多分ネモも気にいるぞ」
「それはぜひ行ってみたいね!」
「お前はブレないちゃんだな…ガラルは俺も行ってみたいな。カレーの本場なんだろ?お前らの為にも勉強したいしな!」
「ペパーがガラルで学んだら最強のカレーができるね!」
最強のカレーと言われてカレーのポケモンが頭に浮かんだが振り払う。なんだカレーのポケモンて。この世界中を探したらいそうだけど。…いやクリームのポケモンがいるからいてもおかしくないな本当に。
「なんかラウラが変なことを考えている気がする……」
「ラウラが変なことを考えているのはいつものことじゃない?」
「ユウリとアイアールは人の事言えないと思うぞ…」
「きっと次のバトルの事をシミュレーションしてるんだよ!」
「ネモもかよ…というか俺以外全員バトル馬鹿だったぜ…」
「カレーのポケモン考えてた」
「「「「カレーのポケモン???」」」」」
カレー馬鹿のユウリにまで首を傾げられた、そんなどうでもいいことを話しながら上まで登りきる。あとはこのまま道なりに行けばいいだけだな。コライドンとミライドンで先を急ごうとしていたその時だった。
「なんだろこれ、地響き?」
「何のことだユウリ?」
ユウリが何かを感じ取ってボールを構える。首をかしげていると程なくして、地響きが俺達にまで聞こえてきた。
「またパオジアンか!?ここで雪崩は二度目だぞ!?」
「パオジアンは国際警察が保護したはずだよね!?」
「雪崩ってそれはやばいちゃんじゃないのか!?」
「端的に言ってヤバイね!ナッペ山は学生の死亡例が一番多い場所だからね!」
「洒落にならないこと言うな馬鹿ネモ!?」
むしろ楽しんでいる様子で馬鹿言い始めたネモの頭をはたきながら、走り出したコライドンとミライドンに掴まる俺達。なんでだ、なんで俺達が上に出て程なくして雪崩が起きた?人為的、いやポケ為的な作為を感じる。この山に住むポケモンでこんなことができて、動機がある奴は何だ?
「ラウラ、あれ!蟲ポケモンかな!?」
「いやあれは蟹でマケンカニ…ガラルにはいないがパルデアでは結構ポピュラーなポケモンで……」
雪崩から逃げる中でユウリが見つけて指差したポケモンを見て思わず蟲じゃないと否定の言葉が出て、思い至る。マケンカニが群れを成してこちらを見物している?そういやマケンカニの進化系って……。
「ケケンカニか…!」
以前ハイダイさんの切札として戦ったけがにポケモン、ケケンカニ。てっぺんを取りたがる性格のマケンカニの進化系であり、トップになることを諦めきれずに雪山にまで来てこおりタイプに進化したポケモン。そいつなら多分、こんなことができる。だが動機はなんだ?
「ケケンカニか!あいつの切り離せるハサミは進化前含めて美味なんだぜ!わざわざ山にグルトンを連れてもげたハサミを探すトレーナーもいるぐらいだ!」
「それだあ!」
ペパーのマメ知識に思わずツッコむ。モンハンモンスター見たく狩猟されてるならそりゃ人間が来たら攻撃するわな。特に物理的にてっぺんを目指している故にビルの上とか物理的に高い所を好むマケンカニやケケンカニならなおさらだ。じゃあどっかたかい所にいるはずか。
「アイアール、コライドンで雪崩の上を行けるか!?」
「ラウラも無茶苦茶言うね!?コライドン、行ける?」
「アギャアス!」
「行けるって!」
「よし、じゃあ行くぞ…!」
「え、なにする気!?」
アイアールに呼びかけて、コライドンは急停止して反転。雪崩に向けて走り出して跳躍する。雪崩れ込む雪の上を蹴って逆走し、雪山の上を目指す。山の中腹に雪に隠れるようにしてそれはいた。
「あれだ!あいつがこの雪崩を起こした主だ!」
「え、どこ!?よく見えたね!?」
「蟲ポケモンの擬態を見破れないと捕獲も出来ないからな!来るぞ!」
俺達を目ざとく見つけたケケンカニは大きく跳躍して雪崩が流れた後の雪に着地。冷気で凍らせて硬くしたハサミを切り離してロケットパンチを繰り出してきたのを、咄嗟にぼむんを繰り出して受け止める。
「ヘビーボンバー!」
飛び上がって急降下するぼむんだがしかし、切り離したハサミを瞬時に再生させたケケンカニは両手で受け止め空中に弾き返す。なんちゅう自己再生能力だ、ドラピオンやビークインみたいなヌシポケモンか!?よく見ればなんかデカいな。
「あれもブルーフレア団の?」
「いや多分ここら辺を縄張りにしているだけのやつだ。気を付けろぼむん!でんじふゆう!」
でんじふゆうで空を飛んで翻弄するぼむん。するとケケンカニは口から冷気を閉じ込めた氷の泡を吹いてぼむんの動きを止めてきた。氷漬けになったぼむんが崩れ落ち、拳を受けて殴り飛ばされるのをボールに戻して回収する。強い、誰で行くべきか…。
「私が行く!行け、シング!フレアソング!」
誰で行くべきか悩んでいるとアイアールがラウドボーンのシングを繰り出して炎を纏った歌を放つ。するとわかりやすくケケンカニは跳躍して回避すると腕に水を纏ってシングに叩きつけて叩き潰してしまった。高耐久のシングを一撃で…!?
「多分、クラブハンマー!てつのこぶしで強くしてある!私じゃ無理!」
「なら回避優先だな!レイン!でんこうせっか!」
俺が繰り出したのはアメモースのレイン。高速移動で翻弄するレインを、氷を纏った両ハサミを振り回して対抗するケケンカニ。アイスハンマーか。厄介だな。
「バブルこうせん、エアカッター!」
バブルこうせんで繰り出した水の泡が即座に凍り付き、落下したそれをエアカッターで切り刻んで氷の礫にして飛ばすと、雪崩すら受け止めると言う猛ラッシュで全て打ち落とすケケンカニ。インファイトまで使えるのか。…ゆきなだれ、クラブハンマー、アイスハンマー、インファイトか。その構成ならレインよりも…
「交代、ケプリベ!」
交代したのはベラカスのケプリベ。ただの攻撃なら再生されるなら、再生されない攻撃をすればいい。
「操る物ならいくらでもあるぞ!ケプリベ、昇華技だ!ばんしょうマリオネット!」
漢字にすれば万象操演。ケプリベの昇華技であるそれは、海水や砂岩、氷雪など操れる物体を好きな形に変形させて操ることができる。ナンジャモ戦のアレを名付けた物である。じんつうりきとじこあんじの合わせ技だ。操るのは雪。空に浮かぶ巨大な蜘蛛を作り上げ、脚を動かさせる。
「叩き込め!」
インファイトで対抗し、次々と雪の脚を破壊していくケケンカニ。そうだろうな、お前はそうするさ。脳筋オブ脳筋の動きだ。
「固めろケプリベ!」
破壊された雪すら操り、ケケンカニに集束させて雪像にして雪を固めて閉じ込める。身動きが取れなければあの厄介なパワーも出せないだろう。ミライドンに乗ったユウリ達も追い付き、俺達は雪像になったケケンカニを見つめる。
「お前が蟲なら捕まえたぐらいには強敵だったよ」
「蟲っぽいけど蟲じゃないんだね」
「あ、じゃあ私がもらうね」
「え」
すると横からボールが投げられてケケンカニが捕獲される。それを手にしたのはネモだ。
「強くならないとなんでしょ?じゃあ私も強くなった方がいいよね。欲しかったんだ、上昇志向が強い子!」
「お、おう……」
お前これ以上強くなる気なのか…思わず呆れてしまうがネモの言う通りではある。…こりゃライバルに塩を送ってしまったかな。
ヌシポケモンケケンカニをネモがゲット。原作とは違うメンバーになります。素でじこさいせいできるやべーやつ。
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