今回は大空のヌシとの決着。楽しんでいただけると幸いです。
「スレッドトラップで捕まえながら叩き付けろ!」
スレッドトラップ。ワナイダーの専用技で、複数の足というか腕の間に張り巡らせた糸の網で罠を張り、相手の攻撃を防ぐと同時に、触れた相手の素早さを下げる効果がある。それを応用してオトシドリを捕らえたまま引っ張って一本背負いで背中から地面に叩きつけるダーマ。
「ラウラとダーマ、すごい。よーし、私達も!行くよホゲータ!ひのこ!」
「ストォオオオクッ!!」
アイアールもホゲータを連れて参戦し火の粉を飛ばして攻撃するもオトシドリも負けてはおらず、上空に移動していわおとしを連発。俺とダーマ、アイアールとホゲータは必死に避ける。
「むしのていこう!スレッドトラップ!」
「かみつく!りんしょう!」
ダーマは黄緑色の光で撃ち抜きつつそれでも壊せなかった岩は糸の網ならぬ盾で防御。ホゲータもかみついて壊したり、音の衝撃波で破壊したりで応戦する。降りてこいこの野郎!
「ストォオオオクッ!!」
「うわっ!?」
すると翼で薙ぎ払うこうげき…つばさでうつを使用。俺ごとダーマを薙ぎ払ってきた。ダーマがスレッドトラップを勝手に使って防御してくれたが、勢いは殺せず俺も押されて崖上から吹き飛ばされてしまう。
「ラウラ!?」
「うわああああああ!?」
アイアールが駆けつけて手を伸ばし、俺もその手を取ろうとするが間に合わず落下する。あ、やべ。この高さは普通に死ぬ。すると一緒に落ちたダーマが俺を見据え、腕の一本を突きつけて腕の穴から糸を発射して俺の胸にくっつけた。
「へ?」
いとをはくか、と思った瞬間。他の足で岩壁にくっ付いたダーマが俺の胸にくっ付けた糸を引っ張り上げ、俺を左腕二本で抱きかかえると腕一本で糸を引っ張って上昇した。なんか騎士に抱えられたお姫様みたいだな、俺。どちらかというとヒーローに救われたヒロインか?
「おおおおおおっ!?」
抱えられて飛び出した俺が見たのは、アイアールといつの間にか来たのかペパーと戦ったのか弱ったオトシドリが壁を破壊してそこから出てきた何かの植物を食しているところ。二人の間に着地すると二人してわかりやすく驚いた。
「うわあ!?ラウラ!?生きてたの!?」
「おいおい、ここに向かってる途中で落とされているところを見たから諦めてたぜ……お前、不死身ちゃんなんだな!」
「ペパーも来てたのか。なんかもっと高い所から落ちたことがあるような気もするし、俺は大丈夫だ。それより何が起きてる?」
「何とか追い込んだんだけど多分、秘伝スパイスを食べて…」
「秘伝の食事パワーで強くなってるみたいだ!アイアール!ラウラ!気張って行くぞ!岩落とす上に人を突き落してくるあぶねえ奴にはショッパイ敗北をめしあがれだ!」
コジオを使役するペパーの言葉に頷いてダーマと共に構える。アイアールもホゲータと共に臨戦態勢だ。
「ダーマ、いとをはく!」
「コジオ、うちおとす!」
「ホゲータ、ひのこ!」
まずは撃ち落とさんと遠距離攻撃を仕掛けるも、オトシドリは先程よりも上がった機動力でやすやすと回避。
「ペパー、ダーマを使え!」
「ダーマ?そのワナイダーのことか?」
「ダーマ、縦糸でスレッドトラップだ」
俺が指示すると糸の網をピンと張り巡らせるダーマ。すると意図を読み取ったのか、ホゲータがコジオを持ち上げて糸の網に投げ入れた。
「ナイス、ホゲータ!」
「いけえ、ダーマ!」
「ずつきだコジオ!」
「ストォオオオクッ!?」
するとパチンコの様にして糸の反動で大空に飛び出すコジオはそのままオトシドリに激突。大きく体勢を崩すことに成功する。急降下したオトシドリはそれでもなんとか体勢を立て直し、突進して来てついばんで来た。
「カウンター!」
余りにも一直線な攻撃にカウンターを狙うも、頭を上げて回避。直上から突いてきた。学習してきただと…!?
「コジオ、ロックカットからのずつきだ!」
「ストォオクッ!?」
すると横から素早い動きでコジオがずつきしてついばむをずらしてくれた。ナイスだぺパー。
「今だホゲータ、やきつくす!」
ふらつくオトシドリにアイアールが指示したホゲータの火炎が炸裂。炎上するオトシドリは滅茶苦茶に翼を振るってきた。やけくそか。だが残念だったな、利用させてもらうぞ。
「甘い!カウンター!」
勢いを利用した一撃がオトシドリの顎に炸裂。オトシドリは大きく吹き飛んで地面に叩きつけられ、戦闘不能となった。勝ち誇るダーマとホゲータ、コジオに思わず笑顔になる。
「うっし!二人とも、お疲れちゃんだぜ!それに無事でよかったぜラウラ、俺のせいでお前を死なせたんじゃないかってさ…」
「心配かけて悪かったな二人とも」
「ううん。無事でよかった。それで、あのヌシが食べてた秘伝スパイスはこの中にあるのかな?」
「そうだな。オトシドリが目覚めないうちにちゃっちゃか調査しようぜ」
オトシドリの開けた洞窟の入り口から中に入るアイアールとペパーに続くと、中は薄暗いがちょっとした空間が広がっていて。一番奥には緑色に輝く植物があった。なんというか……。
「苦そうだな」
「そうだね…ペパー、これがそうかな?」
「おう、これが秘伝スパイスだ!本で見たまんま!やったぜ!こいつは「にがスパイス」だ!」
「だろうな……」
にがスパイスはペパーがサンドウィッチにしてくれたのでコライドンやポケモンたちと共に美味しくいただいた。カレーにも合いそうなので少しもらった。…ペパーはなんか隠してるみたいだが、追求しないでおこう。
さすがのヌシも3VS1は無理だったよ。スレッドトラップ小説的に凄い使いやすくて好き。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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