ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、お久しぶりです。去年は三話しか投稿できてなくてあまりに申し訳ない放仮ごです。一応パラサイトスターってポケモン蟲スカーレットのIF小説を書いてたりしたんですけどね。本当に面目ない。

今回はラウラ視点から変わり。多分誰もが見たかったカード。オモダカVSユウリをお送りします。楽しんでいただけると幸いです。


VSインテレオンⅣ

 パルデアの頂点、テーブルシティのすぐ傍に存在しているポケモンリーグ。その屋上にあるバトルコートにて、少年は大の字で倒れ込んだ。

 

 

「くっそー……負けたああ!つえええよオモダカさん!」

 

「いえ、まさか二体も倒されるとは思いませんでした。お見事です、ペパーさん」

 

 

 そう言ってボールに戻した手持ちに“げんきのかたまり”を与えるトップチャンピオン、オモダカが賞賛するのは自称バトルが苦手なクッキングボーイ、ペパー。エリアゼロに突入しても問題ない実力かを試すバトルは、ペパーの敗北に終わった。しかしクエスパトラとミガルーサを倒す大健闘だ。

 

 

「いや、マフィティフと相性良かったから勝てただけだぜ……他の奴らじゃまるで太刀打ちできないちゃんだったし……」

 

「ペパーすっごく強かったよ!私、感動!今度は私とバトルしようね!」

 

「うん、特にじり貧だと判断してキョジオーンにやられ際にステルスロックを指示してマフィティフに全部かけたのは良い判断だったと思うよ。そのあとのステルスロックを固定ダメージ遠距離攻撃として使うのは本当にびっくりした」

 

「……別に、アイアールとの戦いの応用だよ。俺はアイアールとラウラの戦いを見てきて強くなったんだ」

 

 

 不貞腐れるペパーに、オモダカが手を差し伸べる。その表情は驚きと喜びを表していた。

 

 

「いいえ。あなたはたしかに、エリアゼロでやっていける実力を示しました。合格ですよ」

 

「本当か!?やった……ラウラ、アイアール!俺はやったぞ!」

 

 

 天に向けて拳を突き上げ喜びを表すペパーに微笑むオモダカは、振り返って気を引き締めた。その先にいるのは、挑戦者側……ではなく、本来オモダカが立つ場所でふんぞり返るユウリだ。

 

 

「……なんのつもりでしょうか?」

 

「ユウリ!?失礼だから早く移動しろって!?」

 

「勘違いしないでよオモダカさん。挑戦者(チャレンジャー)はそっちだから」

 

「!」

 

 

 そう告げたユウリの背に、バサッと広がる赤い王者のマントが幻視される。ゾクゾクゾクッと、鳥肌が立ったオモダカは息をのむ。ラウラと同じくすべてが詳細不明、しかし洗脳され、恐らく本来の手持ちでない状態で自分と四天王全員を相手取った驚異の実力の持ち主。自分よりも一回りも年下の少女から発されるプレッシャーに、自然と口内に溜まった生唾を飲み込む。そこにいるのは、自分と同等かそれ以上の絶対王者だった。

 

 

「いいでしょう。ユウリさん。不肖、パルデアポケモンリーグトップチャンピオン・オモダカ。貴女に挑ませていただきます」

 

「いいよ。このガラルポケモンリーグチャンピオン・ユウリが受けて立つ!」

 

 

 たがいに投げたモンスターボールが空中でぶつかり、火花を散らしてそれぞれのポケモンを繰り出す。オモダカは、チャレンジャーに対するいつもの布陣であるクエスパトラではなく、相棒であるキラフロル。対してユウリが繰り出したのは、やはり相棒であるインテレオンだった。ハッコウシティの監視カメラで彼女がグロリアを名乗っていた際のバトルで確認したポケモンだ。出し負けた、オモダカは冷や汗を流しながら不敵に笑んだ。

 

 

「…クエスパトラが出てくるとわかっていた、わけではありませんね?」

 

「何が出てこようと関係ない。私のインテレオンは、強いよ?ねらいうち!」

 

「ヘドロウェーブ!」

 

 

 インテレオンの突きつけた人差し指から離れた放たれた一筋の水流に対し、こちらはキラフロルが一回転して放った毒の津波で対抗する。それは本来なら最善手。だが型にはまらないラウラに鍛えられたユウリには、通じない。

 

 

「続けてみずのはどう」

 

「なっ!?」

 

 

 飲み込まれた水流を伝線にして、ヘドロウェーブの内側からみずのはどうを発生させてヘドロウェーブが吹き飛ばされる。そのまま、ねらいうちの速度で飛んできたみずのはどうがキラフロルに直撃。キラフロルは大きく天高く吹き飛ばされ、細い壁を駆け上がってそれを追いかけるインテレオン。

 

 

「ねらいうち、連射!」

 

「素早く!マジカルシャインです!」

 

 

 これに際し、オモダカはブルーフレア団の侵攻後にパワーアップすべく力業と共に習得した早業で対抗。マシンガンの如く放たれる水流を高速で放つマジカルシャインで防いでいく。キラフロルはもとより浮けるポケモン。空中戦は足場を使わざるを得ないインテレオンより有利に立ち回れる、はずだった。

 

 

「ヘドロウェーブ!」

 

「下に向けてみずのはどう!」

 

「なっ!?」

 

 

 回避できない毒の雨に対し、なんとインテレオンは、下に向けてみずのはどうを展開した上でそれに飛び込み真横に勢いよく飛び出すことで範囲外に回避。壁に貼り付ける指を巧みに使って細い壁をするりと移動してまたキラフロルの上方に移動、見失ったキラフロルに対して踵落としを叩き込んだ。

 

 

「テラバーストで周囲を薙ぎ払って迎撃です!」

 

「甘い。ふいうち!」

 

 

 蹴り飛ばされたキラフロル。勢いよくフィールドに叩きつけられ、特性である“どくげしょう”でどくびしがばら撒かれるが、インテレオンは知ったことかと言わんばかりに指だけで逆さに壁に張り付いて様子を窺っている。

 

 

「物理攻撃を受けたらどくびしをばらまく、かな?面白い特性だね」

 

「キラーメ系統の専用特性です。本気を出す際はどくげしょうで場を整えるのですが……貴女には通じませんね」

 

「設置系技の使い手とばかり戦ってたからねえ。イワパレスのアレは中々厄介だったよ」

 

(ラウラかな?)

 

(ラウラだな……)

 

 

 外野でユウリの言う設置系技の使い手を察するネモとペパー。しかし、その次元の違う戦いに圧倒されていた。

 

 

「おかしいですね。貴女のポケモンを一体たりとも倒せる自信がありませんよ」

 

「謙遜しないでよ。どくびしをばら撒かせるためにわざわざ誘ったでしょう?おかげでこっちは地上戦が難しくなったよ。なんならどくびしを重ねて猛毒にするのも狙ってるのかな?」

 

「それしか勝ち目がないので大目に見てくださいますか?」

 

「油断はしない。確実に、物理攻撃以外で仕留める。ねらいうち!」

 

「避けてくださいキラフロル!」

 

 

 両脚と左手で壁に張り付きながら右手を向け、人差し指から水流を発射するインテレオン。空中のキラフロルはくるりと回ることで受け流す。

 

 

「そこです!力強く!マジカルシャイン!」

 

「っ……」

 

 

 インテレオンの眼前に浮かんだ瞬間を狙ったオモダカが指示を行い、煌めく光を放出するキラフロル。それに注視していたネモとペパーはあまりに眩い発光に目をつぶり、それを正面から受け止めたインテレオンは直撃こそ避けたが目をやられ壁を放してしまいどくびしの散らばるフィールドに落ちてしまう。

 

 

「マジカルシャインにはこういう使い方も……」

 

「だと思ったよ。インテレオン、右に三歩、頭上に向けてねらいうち」

 

「なっ…!?」

 

 

 咄嗟に目を背けていたオモダカが勝ち誇るが、次の瞬間キラフロルが落とされ愕然とする。目が見えないはずのインテレオンにやられた。その原因は、何故か目がやられていないユウリの指示によるものだった。

 

 

「な、なぜ?」

 

「タイプ一致でもない技をあそこで使う理由なんて限られてくる。牽制、仕切り直し。あとはそう、発光攻撃なら目暗まし。だから私はマジカルシャインの指示を聞いた瞬間に目を閉じて背けていただけ。私さえ無事ならインテレオンは自由に動けるからね」

 

「そんな馬鹿な…!?」

 

「ラウラが言ってたよ。トレーナー自身もポケモンバトルでは重要だって。例えば次の手持ちを選び、ボールを取り出し、投げる。この工程を少しでも早くすることで隙を潰す、とか。そうすることで先に出せたポケモンは相手より先に構えられるから有効なんだよね」

 

「…!」

 

(ネモがその発想はなかった!みたいな顔してるぜ……)

 

「次のポケモンを出しなよパルデア最強!こんなもんじゃないでしょ!」

 

「……恐れ入りました。ですが、どくびしはばらまけた。ここからです、ゴーゴート!」

 

 

 オモダカがゴーゴートを繰り出し、視力が回復したインテレオンと対峙する。意図しない頂上決戦はまだ始まったばかりだ。




ユウリが話したボール云々はポケスペ一章のサカキ戦から。あの戦いはリスペクトし続けます。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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