ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、お久しぶりです。放仮ごです。前回が2025/01/06に投稿。半年ぶり以上たちましてお待たせいたしました。ZAまだプレイできてないのですが、妹が購入してクリアしたら貸してくれると言うのでモチベが再燃しました。なお本編では一ヶ月の期間が設けられてるんですが、あまりにも長すぎる一ヶ月になっちゃった……。

今回はユウリVSオモダカ決着。楽しんでいただけると幸いです。


VSアーマーガア

「これほどまでとは……!」

 

 

 空笑いを浮かべ冷や汗を流すオモダカ。パルデアの頂点だった自分が、いまや魔王に対する勇者の心境だった。クエスパトラがやられ、相棒のキラフロルが堕ち、ゴーゴートが、ミガルーサが、クレベースが、なすすべなく倒れていき、残すは最後の一体。対する異界のガラルのチャンピオン、ユウリは不敵な笑みを浮かべ、そのポケモンはいまだすべて健在。

 

 

「……なるほど、私が挑戦者(チャレンジャー)とは……傲慢などでは、なかった……!」

 

 

 手を抜くことができない性分で、いつも本気を出し過ぎるため近年はネモやサニアぐらいしかチャンピオンランク合格者を選出できてない自分が、ここまで追い込まれている。本来なら望むところだが、これは違う。ネモの様な「バトル」でもない。サニアの様な「狩り」でもない。ほぼインテレオンのみで沈められたこれは、「蹂躙」だ。

 

 

「だがしかし、パルデアの頂点として!私は負けられない!行くのです!ドドゲザン!」

 

「知ってるよ。バラの手持ちにもいた。倒された仲間の力を受け継ぎ強化して出てくる“総大将”」

 

 

 繰り出され、特性の“そうだいしょう”により五体分の力を得て鋼の体を赤熱させどっかりと座るドドゲザンに、スマートに人差し指を構え佇むインテレオンが対峙する。

 

 

「(ポケモンが一度に覚えてられる技は「昇華技」などの例外を除いて四種類。あのインテレオンが使ったのは、“ねらいうち”“みずのはどう”“とんぼがえり”“ふいうち”。ドドゲザンに、有効打はない…のに!)」

 

 

 勝てるビジョンが見えない。マトイの眼前に、大きすぎる城壁が聳え立つ。チャンピオンという頂に立つ王の壁。自分が立っている壁など、あまりにも小さいと錯覚するレベルの差異。身に着けてもないのに、城壁の上に立つユウリの背にはガラルのチャンピオンに受け継がれる深紅のマントが翻っているように見えた。自身に才能があると、実力があると信じて疑わなかった。そんな自身でも本気を引き出せなかったネモですら、この少女には勝てない。そう確信できる天賦の才「最強」。なるほど確かに、自分は挑戦者(チャレンジャー)だ。どこまで通用するのか、試してみたい。オモダカはまるで子供の様に笑った。その笑みに、挑発と受け取ったのか不敵な笑みを浮かべるユウリ。

 

 

「貴女と同じ“総大将”の力がどれほどか、私に見せてよ?」

 

「では、思う存分。貴女に挑戦させていただきます!ドドゲザン!“かたきうち”!」

 

「っ!インテレオン、“とんぼがえり”!」

 

 

 座ったまま浮かび上がって滑走し、右手の拳を振りかぶるドドゲザン。問題はその速さ。ただのドドゲザンとは雲泥の差。鍛えに鍛え抜かれたオモダカの切札である個体の速度は、直線限定だがマルマインに匹敵する。もはや瞬間移動と見紛う速度で振るわれたその一撃は、宙返り蹴りの要領で一瞬弾いてから交換するつもりだったインテレオンを天高く打ち上げられ、天井に叩きつけられて息を吐き出す。“とんぼがえり”による交代すらままならない一撃。そして、直前にクレベースが倒れた仇を討つべく二倍の威力が引き出される。最大で50%攻撃力が上がる“そうだいしょう”の二倍だ。その威力は、天をも割る。

 

 

「インテレオン!?」

 

 

 “とんぼがえり”を弾かれて腹部に直撃したインテレオンの直線上の天高く、暗雲が吹き飛んで一筋の光が差す。まるで、希望がここに現れたかのように。その光を受けて、オモダカは満面の笑みを浮かべる。楽しい。まるで、限界の壁を越えた様な感覚。自分にはまだ、こんなにも伸びしろがあったとは。凶悪な笑みを見せたオモダカに対し、インテレオンをボールに戻したユウリもまた笑う。

 

 

「いいね、いいね!インテレオンが負ける相手なんて、ラウラ以外じゃネモぐらいだよ!さすがパルデアのトップチャンピオン、肩透かしにならなくて本当に良かった!パラドックスポケモンを使うなんて無粋はしないよ!まだまだ鍛えられてないし、貴女相手には力不足だ!だから、ガラルの旅からずっと一緒にいたポケモンでお相手するよ!奇しくも同じ、鋼タイプだ。アーマーガア!」

 

 

 獰猛に笑って繰り出されたのは、パルデアではデカヌチャンという天敵の存在により奥地にしか生息していないはがね・ひこうタイプのカラスポケモン、アーマーガア。凄まじいプレッシャーがオモダカとドドゲザンに襲い掛かり、アーマーガアは羽ばたいて頭上で滞空しながら赤い眼光で睨みつける。

 

 

「……セキタンザンが手持ちにいたと思いますが、どうしてアーマーガアを」

 

「え?だって嫌だもん。タイプ相性が悪いから負けました、とか言い訳されるの。言い訳の仕様がないぐらい圧倒しないと、オモダカさんも負けを認められないでしょ?」

 

「おや手厳しい。まだセキタンザンの方が勝てた可能性はあったのですが。逆にきついまでありますよ」

 

「お互い様だよ。さあやろう!決着を付けようよトップ!」

 

 

 にっこりと笑って両手を広げるユウリに、手袋を付けた手が震える。武者震いだ。ここまで不利な状況、覆した時の感覚は如何ほどか。

 

 

「ドドゲザン!“アイアンヘッド”!」

 

「アーマーガア!“はがねのつばさ”!」

 

 

 一合目は、己が硬さを敵に示す一撃。白銀の刃と黒鉄の翼が激突、火花を散らし、双方弾かれ空に舞い上がるアーマーガア。

 

 

「追いかけなさい!“つじぎり”!」

 

「通らせないよ!“てっぺき”!」

 

 

 ドドゲザンの直上に高速で浮かび上がって振るった十字に交差する斬撃は、身を縮めたアーマーガアの装甲を斬れず弾かれる。空中で正座したまま体勢を崩すという器用なことをするドドゲザンを、アーマーガアは見逃さない。

 

 

「叩き落とせ!」

 

 

 “てっぺき”が発動したまま重量を乗せた翼でビンタ。天から勢いよく地面に叩き落とされクレーターを作り出すドドゲザン。しかし、正座したまま視線を上にあげ、身構えると再び浮かび上がる。

 

 

「“ブレイブバード”!」

 

「“ドゲザン”!」

 

 

 ぶつかる瞬間、空中で綺麗な土下座を披露するドドゲザンに面食らったアーマーガアの胸部に、頭部の刃が突き刺さる。土下座して相手を油断させておいて切りかかる、という卑怯千万な上に、自身の命中率・相手の回避率に関係なく必ず攻撃が命中するとんでも技である。今回はその効果を、“羽毛の隙間に差し込む”形で必中技にした。オモダカの切札たる個体ゆえの神業だった。

 

 

「卑怯……とは言いませんね?追撃なさい!連続で“つじぎり”!」

 

「そんなのあり!?引き離して!“ドリルくちばし”!」

 

 

 “てっぺき”の羽毛を貫かれたアーマーガア、何とかドドゲザンを引きはがそうと高速で回転するも、ただでさえ硬いのにさらない“てっぺき”で硬質化した羽毛に引っかかって完全に固定されており、引きはがせない。それを好機とばかりに、両腕で連続で切り裂いて攻撃を重ねるドドゲザン。完全にオモダカのペースだった。

 

 

「ドドゲザン!トレーナーを、私を!導く光となれ!テラスタル!」

 

「ええ!?」

 

 

 回転が収まったところに、切札たるテラスタルを発動。全身が鋼色に光り輝く宝石状となり、頭部の刃が宝石の斧となり、さらにアーマーガアにダメージを浴びせる。物理的なテラスタルの使い方に度肝を抜くユウリ。

 

 

「テラスタルとは、こう使うのです!これで終わりです!“アイアンヘッド”!」

 

 

 そのまま、零距離でアイアンヘッド。上空から地面に勢いよくドドゲザンが刺さったまま撃墜されるアーマーガア。ネモが、ペパーが、オモダカが確信する。アーマーガアの敗北を。しかし、ユウリの瞳はまだ燃えていた。

 

 

「“てっぺき”!“はがねのつばさ”と“ドリルくちばし”も合わせて“ブレイブバード”!」

 

「なにを…!?」

 

 

 やけくそとばかりに技を全部発動するユウリに眉を顰めるオモダカ。しかし、すぐにやけくそではないと気付く。落下しながら“てっぺき”と“はがねのつばさ”により黒く硬質化した羽根を舞い散らさせて、“ドリルくちばし”でドドゲザンごと回転させながら羽根を撃ち出し、まるで竜巻か暴風雨の如く斬撃の雨霰をドドゲザンに浴びせながら、“ブレイブバード”でさらに加速して落ちていく。

 

 

「そっちがテラスタルならこっちは昇華技!“くろがねのあらし”!」

 

 

 体力がまだ半分以上あったはずのドドゲザンが急速に削られながら、共に二匹は落ちていき、そして。チャンピオンリーグの天井になっている細い屋根を粉砕し、バトルコートに激突。粉塵が舞い、シルエットが浮かび上がる。果たしてそこには、激突する寸前離れたのかドドゲザンが正座して鎮座していて、その前方には崩れ落ちたアーマーガアが。

 

 

「ドドゲザン!よくやりまし、た……?」

 

「ゲザァ……」

 

 

 勝ったと、駆け寄ろうとするオモダカだが、異変に気付く。ドドゲザンは、正座したまま気を失っていた。総大将たる意地で、地に背を付けなかったのだ。オモダカの手持ち六匹、戦闘不能。対してユウリは、インテレオンとアーマーガア以外出されることもなく、無傷。勝者は歴然だった。

 

 

「……私の、敗北です。参りました、ユウリさん。貴女は若いのに、本当にお強いですね」

 

「……最初は完封するつもりだったんだけど、まさか最後の一体でインテレオンとアーマーガアが持ってかれるなんて……さすがパルデアのトップは強いや」

 

「……パルデアのトップにいるだけで、私は慢心していたのかもしれません。世界は広い、貴女より強い人もいるのでしょう。今回の事件が終わったら武者修行に出るのもいいかもしれませんね」

 

 

 たはーと悔しそうな顔を浮かべるユウリに対し、晴れ晴れとした顔でそう笑うオモダカに、ネモが手を上げる。

 

 

「はい!はい!その時は私もぜひ!」

 

「おいマジかよ。やれやれだぜ」

 

 

 呆れるペパー。こうして、一足早い頂上決戦は幕を閉じ。そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルカリオ!“はどうのあらし”!」

 

「ウカ!“ふんじんねっぱ”!」

 

「「「うわああああああっ!?」」」

 

 

 スター団かくとう組チーム・カーフのアジト。スター団のしたっぱたちとアイアールが悲鳴を上げているそこで。ラウラとビワが、激突していた。




大幅カットはユウリの強さを示すため。何度も言うけど作中で不完全な状態でラウラにしか負けたことがないユウリは最強なのだ。

そしてラウラVSビワ。怪獣大決戦になってる模様。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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