ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ぬしポケモンって倒された後どんな状態なんじゃろねと。

今回はイダイナキバ戦その後。楽しんでいただけると幸いです。


VSウルガモスⅠ

「アイツが食ってた秘伝スパイスがこの中にもある筈だ。復活しないうちにちゃっちゃか調査しようぜ!」

 

「そうだね。また砂嵐が吹き荒んで来たし」

 

「まあ当分動けないだろうがな」

 

 

 動かれても困るが。考えうる限りの最大戦力だった。ペパーの連れてきたスコヴィランも結構な練度(レベル)だったし。練度(レベル)だけなら俺達のポケモンより強いんじゃないんか?そんなことを考えながら、砂嵐から逃れる様に洞窟に入ると、淡い輝きで洞窟が照らされていた。ヘルメットを外して見渡すと、それはあった。

 

 

「前回と同じなら……やっぱりちゃんかーっ!」

 

「なんか、色が違う?」

 

「味が違うんだろ。前回のは苦いのだったか」

 

 

 言いながら、黄色く輝く植物を採取するペパーを眺める。

 

 

「本当にあったぜ!うおーっ!やったぜ!ありがとよアイアール!ラウラ!」

 

「間違いなく秘伝スパイスだね、光ってるし!」

 

「…テラスタル思い出すのは気のせいか?」

 

 

 光ってる植物とかよく考えたらやばいだろ。にがスパイスの時は緑だったからそんなこと思いもしなかったが。

 

 

「気のせいだって!えーと?なになに?本によると……これは「すぱスパイス」!滋養強壮!栄養がいっぱい詰まってる!疲れた心と体によ~く効いて、みるみるうちに回復するんだと!」

 

「それでイダイナキバも復活したんだ……」

 

「ありがたいな。今一番欲しかった効果だ」

 

 

 なにせ疲れた。治療したとはいえ全身ズタボロだ。イダイナキバ相手にするのはもう勘弁だ。

 

 

「コイツも料理して食べさせれりゃあ…!よーし、二人とも!飯だ飯!さっそく準備するぞ!」

 

 

 そう言ってペパーの作ったサンドウィッチと俺リクエストのカレーを美味しく…酸っぱさをアクセントにしていい感じに仕上げてくれた……いただいた。手作りだと言うヌシバッジももらいつつ、コライドンやウカ、それに手持ち達みんなも出して食べていると、食い意地の張ったコライドンが自分の分以外に机に置かれていたサンドウィッチを食べようとするとペパーが珍しく怒鳴って止める。

 

 

「さわるな!それはお前のじゃない!」

 

「うっ、びっくりした」

 

「ごめんねコライドンが…」

 

「あ……すまん、大声出して。そんなつもりはなかったんだ……二人にはちゃんと話しておくべきかもな。……出てこい」

 

 

 そう言って大事そうに取り出したモンスターボールから繰り出されたのはおやぶんポケモン、マフィティフ。だが様子がおかしい。目も見えてなさそうだしうんともすんとも言わずに蹲ってる。弱っている…?

 

 

「その子は…?」

 

「こいつはマフィティフ。俺の相棒さ。さ、元気になるサンドウィッチだぞ。ほら、ゆっくり食べろよ」

 

 

 腰を下ろし、小さくちぎったサンドウィッチをペパーが差し出すと、ゆっくりと食べて行くマフィティフ。

 

 

「少しずつでいい。ゆっくり、ゆっくりだ噛むんだぞ。無理に食べなくていいぞ」

 

「…そのマフィティフがお前が秘伝スパイスを求める理由か?」

 

「ああ。こいつ、しばらく前にちょっと大怪我しちまってさ……それ以来ずっと具合悪くて…ポケモンセンターで診てもらったら普通の怪我じゃ病気じゃないんだと。治療法を本やネットで調べてあらかた試してきた。どれもあんまり効果なかったがな…」

 

「そんな……」

 

「だから秘伝スパイスか。合点が行った。」

 

「俺にとって大事なのはコイツ、マフィティフだけなんだ。今はお前たちも大事な友達だけど、一番は変わらない。…俺にとって一番大事な家族だ。どんなことしても絶対治してやるんだ。母ちゃんの研究室で見つけたこの本は嘘みたいなことばっか書いているオカルト本で眉唾物だったけど…信じてよかった!」

 

 

 そう言ってスカーレットブックを差し出してくるペパー。バラバラ捲っていると、秘伝スパイスのページがあって、エリアゼロにて見つけた秘伝スパイスをパルデア各地で育てようとしたところ周囲のポケモンに食べられて強大に成長したものをヌシポケモンだと言うことが書いてあった。…あのムクホークもそうだったのかもな。

 

 

「この本によれば秘伝スパイスを五つ全部食うとどんな病気も怪我も治るらしい」

 

「…それは、記憶喪失も治るのか?」

 

「え?いやそれはわからないけど……可能性はあるな!実際に前のにがスパイス食べたら冷えきったマフィティフの手足がちょっと温かくなったからな!」

 

「…俺がお前に協力する理由が一つ、いや二つ増えたよ」

 

 

 蟲ポケモンではないがマフィティフを放っておくことなんてできない。それにどんな病気も怪我も治る……脳の病気とも言える記憶喪失を治すことができるかもしれない。

 

 

「ラウラの記憶喪失も治せるかもしれないなら、頑張らないとね!」

 

「ラウラお前、記憶喪失だったのか…」

 

「そういやペパーには言ってなかったな」

 

 

 そんなことを話していると、マフィティフが食べ終わったらしく三人揃って振り向く。そこには、ゆっくりとだが立ち上がろうとしてまた蹲るマフィティフがいた。だがハイライトを失った目に光が宿ってこちらをじっと見つめている。

 

 

「おっ、食べ終わったか……ってえ!?」

 

「これって……少し治った?」

 

「お前、これって……目が見えてんのか!?やった!やったぁ!」

 

「凄いな秘伝スパイス」

 

 

 手放しで喜ぶペパー。そのまま男泣きし始めた。

 

 

「ずっとさ、ずっと……目も開けなくって!俺、すげえ心配で……!お前たちのおかげだ!よかった、本当によかった……!へへっ、目がつぶらすぎて開いているのかわかんねー!」

 

「ほんとだ、かわいいね」

 

「そうだろそうだろ!あくタイプとは思えないぐらいかわいいんだぜ!元気になればもっと、もっとな!絶対に昔みたいに元気な姿にしてやるんだ。そーゆーわけだからさ、スパイス探しは残り三つだ!ラウラの為にも、一緒に頑張ろうな!」

 

「ああ、頑張るよ」

 

「うん、任せて!」

 

 

 ペパーの言葉にアイアールと共に頷く。さて、残りも一気に食って先に進むか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 後片付けするペパーを残して洞窟の外に出ると、オトシドリの時と同じくいつの間にか夜になっていた。まだイダイナキバは倒れたまんまだな。どうしたもんか。すると鳴り響く電話。アイアールのスマホロトムだ。

 

 

《ロトロトロトロト……「ハロー、アイアール。ラウラ。こちらオーリム」》

 

「ようオーリム博士。よくもさっきは最低限の情報だけ与えて切りやがったな」

 

「や、やめようよラウラ…」

 

 

 通話を繋げたオーリム博士に怒りのままに喧嘩腰に話しかけるとアイアールが止めてきた。いや文句の一つぐらい言いたいんだが。タイプなりを教えてくれてもよかっただろ。

 

 

《「それについては悪かったと思ってる。それはそうと、新たなスパイスを得たようだね。コライドンがまた一つ本来の力を取り戻したようだ。今回は「かっくう」の様だね。空中で翼を開いて滑空が可能になったようだ。引き続きコライドンをよろしく頼んだよ」》

 

「逃げたな」

 

「逃げたね」

 

 

 言うだけ言って通話を切ったオーリム博士に俺とアイアールのツッコミが虚しく夜の砂漠に響く。冷えてきたし近くのマリナードタウンにでも泊まるか。すると洞窟からペパーが出てきた。

 

 

「アイアール!ラウラ!お疲れちゃんだぜ!しっかしこいつ、ヌシっていうかマジでなんだったんだ?どっかで見たことある気はするけど……」

 

「多分スカーレットブックじゃないか?ポケモンって言うより怪獣だったな」

 

「ポケウッドの映画に出てくるあれ?確かにそんな感じだったね」

 

 

 横たわるイダイナキバを見てそう言うペパーに頷く俺達。そんな中、イダイナキバ目掛けてダークボールが投げられ吸い込まれて行ってしまった。

 

 

「うおっ!?いきなりなんだ!?」

 

「イダイナキバが誰かに捕獲された…!?」

 

「……お前、誰だ?」

 

 

 驚く二人と違って俺は見た。闇夜に紛れる、全身黒いボディスーツとヘルメットに身を包んだその人物を。光り輝くヘルメットの青いFの文様を。繰り出してきたのは、ウルガモス。その姿に一瞬見惚れてしまう。しかしその隙は致命的で。

 

 

「アイアール、ラウラ。目標発見。追加ミッションを開始する。ウルガモス、ほのおのまい」

 

「あちっ、燃える!?」

 

「え、誰!?」

 

 

 合成音声らしき声の指示と共に、三人纏めて周囲を炎に巻かれて逃げられなくなってしまった。一難去ってまた一難か、記憶を失う前の俺なんかやらかしてないかこれ。




秘伝スパイスを集めたら記憶喪失が治るかもしれないと希望を抱くラウラ達。そんななかボディスーツのウルガモス使い、参戦。ヘルメットの輝きが青かったり地味に元から変わってます。その目的は…?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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