ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回は前作含めて一番いいできになったと思います。

ラウラVSアイアールのガチバトル後編。何時もよりちょっとボリューミーな四千字ぐらいです。楽しんでいただけると幸いです。


VSクエスパトラ

 ラウラ。私の旅の相方で、蟲ポケモンだけ使っているのに…いや、使っているからこそ凄く強いトレーナー。私の憧れ、私の目標。私と同じオレンジアカデミー指定の夏制服を身に纏い、綺麗な顔と赤髪は今エクスレッグヘルメットで隠しているけど、その下で輝く鋭い眼光は健在。

 

 

「さすが、やるねラウラ」

 

 

 手放しの称賛を向ける。相棒のシングと、二番目に捕まえた古参のドーちゃんが倒されてしまった。しかもダーマにはろくな攻撃手段がないからと高を括ってツムヅムののろいで突破口を開こうとしたら、それをケプリベの強化に利用されてしまった。さすがだ、強い。記憶喪失だから多分本当の強さはこんなもんじゃないんだろう。今とは比べ物にならないほど強かったであろう過去の記憶を失ってもなお、私の考えた作戦を機転で凌駕してくる。

 

 

「…もう少しかな」

 

 

 相手のレインを倒したことで経験値は得られた。あともう少し、もう少しだ。ラウラに勝つための切札がもう少しで。

 

 

「だから頑張れ!ツムヅム!」

 

 

 ツムヅムのとくせい、きよめのしお。ゴーストタイプの技を半減し、状態異常にかかることがなく、ツムヅムのゴーストテラスタルだと実質弱点があくタイプだけになるという、ラウラ曰くぶっ壊れとくせいであるが弱点もある。その一つが混乱状態。どく・やけど・まひ・ねむり・こおり状態は防げてもこんらんやメロメロは防げないのだ。ちなみにとくせいであるが故にかたやぶりのとくせいにも弱い。それをラウラが知っているが故の混乱を狙ったサイケこうせん、思いっきり混乱してしまった。

 

 

「もう一発、サイケこうせん!」 

 

「しおづけ!…駄目か、どうしよう…?」

 

 

 サイケこうせんを受け、こんらんで自傷してしまうツムヅム。…多分、テラスタルしてゴーストタイプになればエスパーのケプリべには有利は取れる、だけど切らない。交代しようにもドーちゃんとシングがやられた今、紙耐久の二体しかいない。突っ張るしかない。

 

 

「ツムヅムは物理に対しては堅いがとくぼうに関してはそんなにだってのは知っている!サイケこうせん連打だ!」

 

「目を覚ましてツムヅム!自分にしおづけ!」

 

 

 他に通る技が無いのか……というかたしか、じこあんじ、さいきのいのり、サイケこうせん、むしのていこうだからこれしかないか……呼びかけると混乱から目を覚まし、自分に向けて頭上から塩を振りかけるツムヅム。これは私のツムヅムしか出来ない戦い方。その名も!

 

 

「ソルトアーマー!」

 

「なんだとお!?」

 

 

 塩で固めた表面でサイケこうせんを受け止める、白く光る薄い装甲。修行中に進化し、身に着けた応用技。名付けた名前はソルトアーマー。なんか知らないけど特殊に対する耐久が強くなるのだ。驚いただろうし予想外だろうこれは。

 

 

「しおづけしてうちおとす!」

 

「じこあん……いや、さいきのいのり!」

 

 

 切札である、傷付いていれば威力が倍増する「しおづけしてうちおとす」でとどめを刺さんとすると、サイケこうせんでは落とせないとみたのか、光り輝いて直撃を受けるケプリべ。戦闘不能となる。…復活させたポケモンは、一匹しかいないか。

 

 

「再起しろレイン!」

 

 

 出てきたのはさっき倒したレイン。…ラウラの切札、バサギリのジャックにしおづけ当てたかったけどそうは問屋が卸さないよね。

 

 

「もう一度、しおづけしてうちおとす!」

 

「でんこうせっかで避けて近づけ!」

 

 

 でんこうせっかでしおづけしてうちおとすを回避、接近してくるレイン。なにを…!?

 

 

「バブルこうせん!」

 

「みずタイプの技だろうと、無駄…!?」

 

 

 すると泡々した奔流でしおづけで固めたソルトアーマーが押し流され、そのまま直撃を受けるツムヅム。そんな、ただの水流ならリプルのみずでっぽうで耐えれるのは分かっていたけど、泡までは想定してなかった。

 

 

「…さすが」

 

「これしかなかった。難攻不落の要塞だよ、ツムヅムは」

 

 

 ラウラはレクスが大ダメージを受けたものの健在。レインが体力半分で復活。ダーマはどくづきが掠っていたけどほぼ無傷。ケプリべは戦闘不能。ジャックが無傷。私はシング、ツムヅム、ドーちゃんが戦闘不能。ヒナとリプルが無傷だけど……大差をつけられたなあ。とりあえず、突っ張るつもりらしいレインを落とすか。

 

 

「リプル!あなをほる!」

 

「っ、速い…!」

 

「リプルは紙耐久だけど、とくせいのぬめりを応用して、ただでさえ高い素早さを更に上げている!そう簡単に追いつけないよ!トリプルダイブ!」

 

 

 ボールから出るなりあなをほって地面に潜行したリプルに指示、足元から飛び出して三つの身体を伸ばし、水を纏った一撃、否三連撃を叩き込んでレインを戦闘不能にすると観客から歓声が上がる。高い攻撃力とぬめりでさらに増した素早さによる三連撃を耐えるすべは、ない!

 

 

「二回もよく頑張ったレイン。出番だ、叩き潰せジャック!」

 

「ジャックだろうと私のリプルには敵わない!」

 

 

 レインを戻し、いわ・むしタイプのジャックを繰り出してくるラウラ。なので挑発する。いわ・むしタイプのジャックを出してきたってことは必ず……。

 

 

「テラスタルだジャック!くさわけ!」

 

「あ、あなをほる!」

 

 

 だよね。ジャックのテラスタイプは「くさ」、リプルの天敵だ。あなをほって地中に逃げることで誤魔化すも、草をかき分けるような動きで地面を掘り起こされ無理やり顔を出されたリプルに斬撃が叩き込まれる。これは無理だ。でもありがとう、一番厄介だったいわタイプを失くすことができた。

 

 

「行くよ、ヒナ!」

 

 

 最後のポケモン、ヒナがとくせいのきけんよちで身震いすると、観客のボルテージが目に見えて下がる。ラウラは三匹健在なので、三タテしないといけないが、ヒラヒナのヒナでは荷が重いのでそれもしょうがない。このままならね。

 

 

「そいつが最後か。…そういやそいつのことはそんなに知らないんだよな」

 

「経験値は十分。いざ進化の時!」

 

 

 ヒナを捕まえた後、戦闘が苦手だったから調べたんだ。ある程度経験値を得ると進化すること、そして進化した際の強さを。小さかったヒナが光り輝いて大きくなるのを見て目を見開くラウラ。身に纏っていた黄色い布は大きく広がり、下から出ていた脚が巨大に、頭部も首が長く伸びて光が消えると、そこには進化を果たしたヒナ、クエスパトラが立っていた。

 

 

「ヒナ!…クエスパトラ!行くよ!」

 

「エスパー単体のままか?とりあえずすばやさを上げるぞ!くさわけ!」

 

「それ、もらうよ!」

 

 

 ケプリべにこちらの能力上昇を奪われたお返しだ。ジャックがくさわけを行うとヒナのすばやさが上がり、ジャックの斬撃を易々と回避する。このとくせいと、専用技がこの子の強みだ。

 

 

「とくせい、びんじょう。敵が能力を上げると便乗してこちらも上げる!」

 

「厄介だな…!だが!元々速いジャックの方が!」

 

「うん、だから…ジャックにはない要素で対抗する!」

 

 

 そう言って手に取ったのはテラスタルオーブ。それを見て私が以前言っていた言葉を思い出したのか、目を見開くラウラ。

 

 

「天を駆けろ、テラスタル!」

 

 

 ヒナの姿が結晶化し、色とりどりの風船の様な結晶を頭部につける。ひこうテラスタル。ロースト砂漠の結晶洞窟で出会ったこの子の最大の強みだ。空飛ぶようにはできてない翼だが、その脚力で跳躍し、風船の様な結晶の力で空を翔る…否、駆けるヒナ。ジャックは進化した時に飛べなくなった、いわタイプになった弊害だ。そして今はくさタイプ、効果は抜群だ。

 

 

「ついばむ攻撃!」

 

 

 空中から急降下したヒナの嘴がジャックに突き刺さり、テラスタルが砕け散り地面にその巨体を叩きつける。戦闘不能だ。目に見えて焦り、ジャックをボールに戻してダーマを繰り出すラウラ。

 

 

「ついばむだったら、ダーマだ!スレッドトラップ!」

 

「ルミナコリジョン!」

 

 

 進化した際に覚えた六角形の紫色の光を飛ばす技を放ち、ダーマのスレッドトラップを貫き超能力による衝撃を与える。

 

 

「物理の技にしか対抗できないのがダーマの弱点だよ!」

 

「いとをはいて翻弄しろ、むしのていこう!」

 

「チャームボイス!」

 

 

 糸を飛ばして翻弄を試みるダーマだったが、必中のフェアリーわざであるチャームボイスで撃墜する。それに信じられないとばかりに目を丸くするラウラ。

 

 

「なんでだ、タイプ不一致のフェアリー技でしかも威力の低いチャームボイスなら耐えられたはず……」

 

「さっきのルミナコリジョンは、浴びた相手のとくぼうをガクッと下げるんだよ。あと、ドーちゃんの残した、掠らせたどくづきの毒が効いてたね」

 

「なるほど、な…」

 

 

 悔しそうにダーマをボールに戻すラウラ。蟲以外の知識に疎い、それがラウラの弱点だ。残るは瀕死間近のレクスのみ。勝てる、勝てるぞ!

 

 

「レクス。…覚悟を決めろ」

 

 

 レクスを繰り出し、深呼吸してから真っ直ぐ見てくるラウラ。全力で行くよ!

 

 

「空中からついばむ攻撃!」

 

「とびかかる!」

 

 

 展開した後ろ足で跳躍し、その勢いのまま飛び蹴りを繰り出してくるレクスと、空中から急降下して威力を増した嘴を叩き付けんとするヒナ。観客のボルテージが上がる。このまま、貫く!

 

 

「こうそくいどう!」

 

「なっ!?」

 

 

 すると信じられない行動に出た。激突する前に、空中でレクスが加速。同じく加速してしまったヒナが完全に体勢を整える前に、その首筋に蹴りが叩き込まれたのだ。しまった、進化して不慣れな身体のヒナに、急所の攻撃は致命的…!?

 

 

「ルミナコリジョン……!」

 

「悪いなアイアール。そいつはむし・あくのレクスには無効だ。フェイント!」

 

 

 撃墜され距離を離されたので遠距離で最大火力が出るルミナコリジョンを選ぶも、タイプを失念していた。……蟲について全然知らないのは、私もラウラのことを言えなかった。鋭い回し蹴りを受けて地面に叩きつけられるヒナはテラスタルが砕け散り、目を回す。…誰の目から見ても戦闘不能だ。

 

 

「…お前、ネモより強かったぞ」

 

「…はは、それは嬉しいな。参ったよ」

 

 

 まさかびんじょうを逆に利用するなんて。どんな発想だ。まいった、降参だ。

 

 

「…くそぉ」

 

 

 勝てると、思ったんだけどなあ。勝利を確信して油断してしまった。最後まであきらめなかったラウラに軍配が上がるのも当然だ。まだまだ、だなあ。




炎の壁を作るシング。ドーちゃんのだまし討ち。ツムヅムのソルトアーマー。ぬめりを利用してスピードアップしたリプル。経験値を見越したヒナの進化とびんじょう及びテラスタル。かなり作戦を考えラウラ攻略を目指したアイアールでしたが一歩及ばず。ラウラに軍配が上がりました。

五体使っていたというのもありますがラウラをして、手加減しているネモより強いと言わしめる強さはさすが原作主人公。ただ発想の変態さはラウラの方が上手(うわて)でした。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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