今回はVSアオキ後編。楽しんでいただけると幸いです。
ノココッチ、ノココッチ……アオキさんの繰り出したポケモンを図鑑アプリで調べる。あった、ノココッチ。つちへびポケモン、タイプはノーマル。とくせいはにげあしと……てんのめぐみ!?なんか嫌なとくせいだな。
「ノココッチ。ドリルライナーです」
「ジャック、くさわけで避けろ!」
武器は目立っているドリル型の尻尾か。咄嗟にジャックを回避させる。あれはたしか、じめんタイプの大技。いわタイプのジャックには効果は抜群だ。だがテラスタルしてくさタイプになるとタイプ一致のノーマル技の通りがよくなってしまう。……なんだろうな、ドリルライナーを使うポケモンに凄い苦戦した記憶があって苦手な印象がある。空飛んでてもじめんタイプの技を当ててきそうだ。
「すばやさを上げましたか。ではへびにらみ」
せっかく上げたすばやさをへびにらみで麻痺になって半減にされてしまった。レアな技覚えてるなあ。
「…ねむりにまひ、嫌な戦い方だな」
「これも戦い方の一つですよ。とぐろをまく」
「なんとか近づけ!がんせきアックス!」
タイプ一致で一番火力の出るがんせきアックスを選択。とぐろを巻いて攻撃力・防御力・命中率を上げてきたノココッチのドリル尻尾に防がれて弾かれてしまう。麻痺で力が入りにくいか……無理はさせられない。
「ドリルライナー」
「交代だジャック!頼むぞダーマ!いとをはく!」
ドリルライナーが炸裂する直前に入れ替えたダーマが糸を飛ばして天井に逃れ、回避。遠くに着地すると、高速蛇行してステルスロックを避けながら突撃してくるノココッチに対して糸を張って防御を試みる。
「ハイパードリル」
「スレッドトラップ……なに!?」
そのドリル尻尾の攻撃を喰らった瞬間、糸の盾が引き剥がされて貫かれ、グルングルンと体がドリルの勢いのまま回転して吹き飛ばされ、壁に激突するダーマ。ドリルライナーとはまた違う、なんだ今の技!?
「ハイパードリル…相手のまもるなどの状態を解除して攻撃する、ノコッチ系統の専用技です」
「防御不可能、天元突破っていうことか……それでも一撃で戦闘不能になるとは見通しが甘かった」
防御特化ではあるが罠を駆使しての防御がメインのダーマ……ワナイダーは素の防御力が低いのが裏目に出た。タイミングさえ間違えなければスレッドトラップとカウンターで無敵になるんだが。…麻痺しているジャックじゃハイパードリルは回避は難しそうだな。最後の手持ちで行くか。
「頼んだぞレクス!」
ノーマルタイプに効果抜群なかくとう技を持つレクスは外せなかった。だがにどげりは火力が低い。工夫で補わないとな。
「上司に詰められるよりかはまだまだ余裕がありますね。へびにらみ」
「そう来るよな!こうそくいどう!」
ひと睨みされただけで麻痺してしまうが、半減したすばやさをこうそくいどうで補う。これはもう回避不可能だから無理やり突破する。
「とびかかるだ!」
「とぐろをまく」
後ろ脚を展開して跳躍し宙返り、飛び蹴りを叩き込むレクスだが蜷局を巻いたノココッチに防がれる。厄介だな、防御しながら攻撃力と命中率を上げるのは。
「ドリルライナー」
「こうそくいどう!」
下から突き上げる様にドリル尻尾が繰り出され、麻痺して一瞬動きが止まりながらも後ろ脚を畳んでギリギリ顎を引いて回避するレクス。腹部ががら空きだ、今がチャンス!
「ハイパードリル」
「にどげり、からのフェイントだ!」
「ほう」
後ろ脚を展開して腹部に二撃蹴り込み、続けざまに回し蹴り。蹴り飛ばされたノココッチはバトルコートを跳ねて飛び石の様に吹き飛ばされていき、倒れ伏す。戦闘不能だ。
「フェイントで繋げることでこちらの技の出を潰すとは見事です。太古のシンオウ…ヒスイ地方で見られた技術、早業に似てますね」
「早業?」
「力業と言う技術もあるようですが、詳しくは知りません。しかし、なかなかやりますね。負けそうですよ。ムクホーク」
早業に力業……偽龍のヌシのところに行ったら一度オレンジアカデミーに戻る予定だし、書庫で調べてみるかと考えていると、最後のポケモンの入っているであろうモンスターボールを取り出して、ムクホークを繰り出したアオキさんに激励する声があった。カウンターの奥にいた女性の料理人……店長なのかな?……だ。
「コラー!アオキさん!シャキッとしなさいよ!」
「店長……?」
「腹ペコのお客が待ってるよ!いいとこ見せて頂戴よ!」
するとその声に呼応する様に観客が入り口からどんどん入ってくる。店の外から見ていたのが我慢できなくなったらしい。ジャックはそれを見て目立てると思ったのか目を輝かせる。
「アオキさんも学生さんも負けるなー!」
「どっちも頑張れー!」
「うおーっ!この街で今一番強い二人の勝負だ!飯が進むな!」
「おい最後の誰だ。人の頑張りを飯の肴にするなこら」
思わずツッコんでいると、アオキさんは溜め息を一つ着くと軽く屈伸して改めてテラスタルオーブを構え光り輝かせると投擲、ムクホークは頭に宝石を乗せた様な姿に結晶化する。ノーマルテラスタルか。
「……とのことです。お付き合いくださいラウラさん。ちょっとはサービスしますかね。ムクホーク、テラスタルです」
「ムクホークか……また勝ってしまおうか?ジャック!」
さて、ムクホークと言えばジャックと出会った一件だが、その個体とは別個体の様だ。ノーマル技を半減で受けれる相性有利なジャックと交代。ステルスロックが刺さったがいかくされてしまった上にアドバンテージを取れるひこうタイプが消されたのが痛い。しかもその癖に飛んでるし。
「社会人お得意の技!出してもよろしいでしょうか?」
「お、おう?」
「からげんき、です」
やめろよ社会人の得意技って言うの!?悲しくなるだろ!とか言っている間に凄まじい一撃が麻痺して防御が間に合わなかったジャックに炸裂、大きく吹き飛ばすがコートを滑って耐える。半分近く持ってかれたか?いわタイプでこれなら受けない方がよさそうだな。
「確実に当てろ、つばめがえし!」
「こちらもつばめがえしです」
鋭い蹴りと岩斧が交差。わずかにジャックの岩斧が掠るも、蹴りが顔面に炸裂し倒れ伏すジャック。さすがに無理か。
「レクス!こっちもいくぞ、テラスタル!」
最大火力で勝負だ。こちらもテラスタルオーブを使い、レクスをむしテラスタル。両者睨み合う。頼むから麻痺しないでくれよ。
「ステルスロックを利用しろ!とびかかる!」
「からげんき!」
後ろ脚を展開し、ステルスロックを蹴りつけて跳躍しピンボールの様に勢いを増して行ったレクスの飛び蹴りと、凄まじい勢いで振るわれる翼が激突。するとレクスは使ってない左後ろ足で蹴り付け跳躍してからげんきの威力を殺しながら宙返りすると、ステルスロックに着地。大きく体勢を沈み込む。ステルスロックを利用しろ、と言った時理解したらしい。一撃で決める必要はないと。
「確実にもう一撃!とびかかる!」
「つばめがえし!」
そしてステルスロックを蹴り砕く勢いで真横に飛び出したレクスの飛び蹴りが弾丸の様に、技を放とうとしていたムクホークに激突し、蹴り飛ばす。蹴り飛ばされたムクホークはきりもみ回転して天井に激突、床に叩きつけられて目を回したのだった。
「一敗食わされました…並々ならぬ強さですね。思わず無表情になりました」
「それは嘘だな」
「…というと?」
「応援されていた時のアオキさん、輝いていた様に見えた。それこそテラスタルの様にな」
「…目の錯覚です。自分の負けなのでバッジを渡すのですが……」
すると鳴り響く腹の音。アオキさんからだ。
「…戦ったら腹減りました。よければ一緒にどうですか?」
「じゃあ、お言葉に甘えて?」
アイアールとはまた来ればいいだろう。多分アイツ三日ぐらい山に籠りそうだし。その後、山になったおにぎりを食べるアオキさんにちょっと引いたり、奢ってもらったりした。ちなみに焼きおにぎりが美味かった。いい人だったな。
以前はぼろ負けだったムクホーク(別個体)に勝利。着実に強くなってますね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。