今回は偽龍のヌシに単騎で挑むラウラの話。楽しんでいただけると幸いです。
「お疲れ様です」
宝食堂から出ると、そこには野次馬に写真を撮られている毛量のすごい色黒の人がいた。この人は確か……。
「先程ジムリーダーに勝利されていたようですね。それも四天王業務から解放されバトルに力を入れ始めたアオキに勝つとは……たしかお名前は……ラウラさん。貴方もチャンピオンを目指していらっしゃるのですか?」
「はい。俺は蟲ポケモンで貴方を倒すので」
この人が誰かを理解した上で唐突な問いかけに、目を合わせて応える。すると女性は楽しそうに笑った。
「いい返事を聞けました。類い稀な若き才能……さらなる高みを目指して突き進むことを願います。ああ、失礼。申し遅れました。知っている様ですが私はオモダカ。ポケモンジムを運営しているポケモンリーグの委員長です」
あえてもう一つの肩書は言わないか。なら俺も触れないでおくとしよう。すると手招きされ、人気の少ない路地裏に案内される。人込みでは話せない内容か。
「実はネモから連絡をいただき飛んできました。謎の人物に襲われたというのは本当ですか?」
「はい。俺と……アイアールが狙われました。そのうち一人はエスプリと名乗ってましたが……恐らく偽名です。同じ勢力かは不明ですが、アイアールを襲った奴は青装束が目印です」
「ふむ。実は同じ報告がクラベル校長経由でサニアさんから伝えられていました。半信半疑ですがこうも被害者が多いとなるとなにかが暗躍しているのは間違いないようですね。被害は?」
「コライドン…アイアールの手持ちが一度奪われかけたぐらいでなんとかなりました」
「さすがです。ですが逃げれる時はすぐ逃げる様に。……ムツキの操作網を掻い潜るとは。真に
サニアやムツキもなにかしら関係しているのか。
「任せてください、すぐ対策を講じましょう。トレーナーに危険が及ぶのは放っておけません。ではでは貴方と…アイアールさん。ジムバッジを集め続けるならその先でまたお会いできるでしょう。それではごきげんよう」
そう言ってオモダカさんは去って行った。貫禄あるなあ……あれが俺の超えるべき目標か。強くならないとな。記憶があれば元の強さを取り戻せるかもとはネモの談だが……記憶と言えば秘伝スパイスか。
「…アイアールはいないが、行ってみるか。偽龍のヌシ」
チャンプルタウン北西の巨大な湖、オージャの湖にいると言う正体不明のヌシ。アイアールはまだ修行中だろうし呼ぶわけにもいかないだろう。一人で行ってみよう。
《ロトロトロトロト……「ようラウラ!一人か?アイアールは?」》
オージャの湖に着くとペパーから電話がかかってきた。どっからか見てるのかね。
「修行にナッペ山に登ってるよ」
《「へえ、まあいいや。今オージャの湖だろ?その湖にどっかに偽龍のヌシがいるらしいんだけどよ?誰一人として姿かたちを見たことがねえんだと」》
「なんだそれ。どうすんだじゃあ」
本当に情報ゼロか。どこらへんにいるかは目星をつけたいが。こんなに広い湖だし。
《「それなんだよな。いったいどんな恐ろしい見た目してんだろうな?姿がわからねえんじゃ探し様がないぜ……「オレがヌシー!」ってわかりやすく自己紹介してくんねえかな?」》
「今までの感じだとでかいやつがヌシだろ。何とか探してみるさ」
《「頼もしいぜラウラ!でも無理はするなよ?危険だと思ったら撤退するのも大事だからな!」》
そう言ってペパーの電話が終わり、俺はオージャの湖を高台から見渡す。……うん?あの島、なんか色とりどりだな。赤色とオレンジ色と黄色い物がなんか点々としている。気になるな、行って見るか。
「…コライドンがいなくても割となんとかなるんだぞっと」
そう言って繰り出したのはダーマとレイン。ダーマに抱えてもらい、空を舞うレインに糸を繋いで空に舞い上がり湖上を進んでいくと見えてきた。
「なんだあれ……寿司?」
なんか寿司が小さな島に点在していた。なんでえ?えーと、ポケモンか?図鑑図鑑と…。
「シャリタツ……ぎたいポケモン。みずとドラゴンなのか。へえ。知能も高いのか」
「スシスシー」
「スシッスー」
「スメーシー」
「シャリ!シャリ!」
「しかも喋るのかよ。まさか本当にヌシだって自己紹介したりしてな。偽龍って言うか擬態する龍だが」
そんな冗談交じりの事を言いながら空から観察していた時だった。
「ヌシヌシー」
「え」
「オレヌシー!!」
「お前かー!?」
なんか自己紹介している赤いシャリタツがいた。なんぞこれ、と思いながら近づくと、突如湖面から巨大な何かが出てきてシャリタツを丸呑みにしてしまう。
「食われたー!?」
「ヘイ!ラッシャー!!!」
「ナマズン……いや、違う!?」
ナマズンによく似た……だがとにかく巨大なポケモン。図鑑で調べる。20mはあるぞ……本来は12mぐらい!?でかすぎんだろ、おい。名前はヘイラッシャ。おおなまずポケモン。タイプはみず単体。ナマズンの進化系じゃない……だと……!?
「お前が偽龍のヌシか……!」
「ヘイ、ラッシャイ!」
「避けろレイン!」
大口を開けてみずのはどうを連続して撃って来るヘイラッシャの攻撃を、レインに指示してダーマにしがみ付き大きく旋回して回避する。
「ダーマ!むしのていこう!」
空いている手でむしのていこうを放たせるも、ヘイラッシャは意にも介さずその場で水面から跳躍。その巨体が宙を舞う。のしかかりか…!?
「レイン、でんこうせっかで逃げろ!ダーマ、スレッドトラップ!」
咄嗟に陸地に着地して指示。レインは横に避け、ダーマはスレッドトラップを展開して俺ごとのしかかりを防ぐ。
「レイン、エアカッター!ダーマ、むしのていこう!」
そのままエアカッターとむしのていこうを放つもまるで意に介さずみずのはどうでレインを撃ち落とすヘイラッシャ。レインをボールに戻しながら考える。おかしい、いくらなんでも強すぎるし図体がデカいくせに選ぶ技が的確だ。誰かトレーナーがいる…?すると誰かの言葉が届いたわけもなく、何かの指示を聞く様に頷くと大きく水を纏った尻尾を振りかぶるヘイラッシャ。
「アクアテールか…!?ダーマ、スレッドトラップ……つぅ!?」
「ヘイラッシャー!!!」
「え?」
俺、飛んで……?瞬間、スレッドトラップを展開したダーマごと、俺の身体はヘイラッシャに薙ぎ払われていた。ダーマが咄嗟に庇ってくれたからダメージは少ないものの、凄まじい勢いで空を舞う俺の身体。
「あぁああああああああああああっ!?」
俺はなすすべなく、ダーマと共に吹き飛ばされるしかなかった。
無謀の
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