というわけで今回はテラスタル三昧。VSサニア&ガケガニ決着。楽しんでいただけると幸いです。
奇妙なお面を被ったチャンピオンクラスの少女サニアと、ヌシのガケガニのコンビに攻めあぐねいているとやってきた援軍、ペパー。さすがに3VS1で不利だと悟ったのか、サニアはテラスタルオーブを取り出した。あの強さに加えてテラスタルだと…!?
「ふるえろ。かつもくしなさい。あばれろ。そびえたて。ガケガニ。テラスタル」
「ンガアアアニィ!!」
テラスタルオーブの輝きを受けて結晶化し、サニアの背後に聳え立つように神殿の様な結晶が頭に乗せられる。神殿の結晶の前で腕を組み仁王立ちするサニアは、さながら門番だ。
「んなのありかよ…!?」
「トレーナーがいるならこれもあり得るんだ…!?」
「ヌシのテラスタルって滅茶苦茶強いちゃんなんじゃ…!?」
「すばやく!ロックブラスト!」
神殿の結晶を煌めかせ、鋏の間に次々と岩を出現させてそれを素早く連続で叩き込んでくるガケガニ。片鋏で五発ずつ。計10発の岩の弾丸が襲いかかり、俺は咄嗟にペパーの襟を片手で掴んで引っ張り、アイアールがコライドンのハンドルを握り回避。次々と大地を砕いて行くロックブラストを避けながら指示をする。
「ジャック!つばめがえしで岩を弾き返せ!」
「ツムヅム!自分にしおづけ!ソルトアーマーで受け止めて!」
「パルシェン、ひかりのかべだ!」
ジャックは迎撃を、ツムヅムは耐え凌ぐことを、パルシェンは防御を試みるも特殊に対して強いひかりのかべじゃ一発も防ぐこともできずパルシェンは硬い殻で岩を受け止め吹き飛ばされる。
「ペパー!ひかりのかべは特殊攻撃に強いんだ!ロックブラストは物理技、焼け石に水だ!なんならガケガニの技はいわなだれ、ロックブラスト、10まんばりき、シザークロス!全部物理だから意味がないぞ!」
「俺はバトルについては詳しくねえんだ!?料理なら任せろ!」
「じゃああのガケガニも料理してよー!?」
「む。りょうりするのはゆるさない。ちからづよく!10まんばりき!」
必死なアイアールからぽろっとこぼれた言葉に頬を膨らませたサニアの指示に、地面に鋏を突き立て地盤を捲り上げながら突撃してくる、ガケガニ。まるでブルドーザーのそれだ。
「迎え撃て!れんぞくぎり!」
「目を狙って!しおづけしてうちおとす!」
「ぶちかませ!アクアブレイク!」
れんぞくぎりでジャックが地盤を細切れにし、ガケガニの大きな目を狙ってしおづけした岩を飛ばして怯ませ、その隙を突いてパルシェンが水を纏って体当たり。力業で隙ができていたガケガニに炸裂し、その体勢が初めて大きく崩れてその上のサニアは結晶の神殿に手を置きバランスを取る。
「そろそろ?ガケガニ。うえをとれ」
「ンガアアアニィ!!」
するとサニアは何かに気付くと、ガケガニがその巨体からは考えられない身軽さで跳躍。傍の切り立った崖の上に飛び乗ると、サニアの足元でその甲羅が罅割れ砕け散って行く。
▽サニアの ガケガニの いかりのこうら!
▽サニアの ガケガニの 攻撃が 上がった!
▽サニアの ガケガニの 特攻が 上がった!
▽サニアの ガケガニの 素早さが 上がった!
▽サニアの ガケガニの 防御が 下がった!
▽サニアの ガケガニの 特防が 下がった!
「…見て分かるほど積んでるな」
「いかりのこうらが発動したってことはようやく半分か…」
「ヤバそうちゃんだけど負けねえぞ!パルシェンではさみ揚げだ!」
テラスタルした上で防御を捨てて攻撃面の能力を全て上昇させたガケガニとか殺意しか感じられないんだが。
「じゅうりんしろ。ガケガニ。いわなだれ」
「っ!交代、ケプリべ!さいきのいのり!」
「交代、シング!ごめん受け止めて!かえんほうしゃ!」
「耐えろパルシェン!」
サニアが冷酷に指示を出すとガケガニは崖の上から跳躍して飛び降りてきてシャカシャカと走ってジャックたちに肉薄してきたので、嫌な予感がした俺はジャックを戻してケプリべに交代して同時にさいきのいのりを発動。アイアールも同じ予感をかんじたのか、ガケガニ相手には無力に等しいシングと交代して火炎を吐かせ、ペパーはそのまま耐える選択。瞬間、悪夢の様な光景が繰り広げられる。
「そのまま。10まんばりき。シザークロス」
テラスタルで威力が上がったいわなだれの流れに、10まんばりきの怪力とシザークロスの動きを重ねて、交差した鋏の動きのままにいわなだれが操られて遠心力を加えてX状にドドドドドドッ!と叩きつけられる。ケプリべとシングは巻き込まれて戦闘不能、パルシェンは直撃を免れて吹き飛ばされるで済んだ。ケプリべはわかるが、耐久よりに育てたと言っていたシングすら一撃かよ。
「…技に技を合わせるだなんてラウラと同じ…!お願いヒナ!」
「反則ちゃんだぜそれは!」
「…俺のは攻撃技と補助技の組み合わせだ。攻撃に攻撃を重ね合わせるなんてどんな発想してやがる。レクス!」
「シザークロス」
とりあえず反撃しようと繰り出した俺とアイアールのポケモンが、一瞬で移動してきたガケガニに纏めて切り裂かれて一撃で戦闘不能になる。生半可なポケモンじゃ無理か。シザークロス、ヒナがエスパータイプでレクスがむし・あくの複合で通りがいいからか。頭の回転が速い。とりあえず攻め方を変えるか。
「とにかく、またあんなの纏めて喰らったら致命的だ!分かれるぞ!」
「え?」
「ぼむん、でんじふゆう!」
俺は三人乗りにしていたコライドンから飛び降りて、ケプリベのさいきのいのりで復活したぼむんを繰り出して搭乗、でんじふゆうで浮かび上がらせその上にしゃがんで掴まる。ちょっと不安定だが、移動手段として使えるはずだ。
「俺は右!」
「わかった、じゃあ私達は左から!」
「パルシェン、お前は殿だ!」
「むっ」
ぼむんに乗ってガケガニの右側に移動する俺と、コライドンに乗って左側に行くアイアールとペパーに、ガケガニは両の目片方ずつで睨み、サニアは首を左右に振って警戒する。この攻撃力と素早さ、正攻法じゃまず勝てない。翻弄するしかない。
「ガケガニ。はさみ。りょうほうに。むける。ロックブラスト」
「さっきは戻して悪かったジャック。大いに目立て!」
「ツムヅムも行くよ!貴方の奥の手!」
「パルシェン、俺達も行くぞ!」
ガケガニが目いっぱい腕を横に向けて鋏の間から岩の弾丸を飛ばしてくるも、両方に気を取られて狙いが定まらない攻撃なんて避けるのは簡単だ。俺たちは回避しながらジャックとツムヅムを再び繰り出し、三人同時にテラスタルオーブを構えて輝かせる。
「「「テラスタル!」」」
岩の弾丸をばらまくガケガニの右側でジャックが、左側でツムヅムが、前方でパルシェンが、テラスタル。それぞれくさ、ゴースト、みずに冠する結晶を身に付けて咆哮を上げる。
「ジャック!一気に決めるぞ!くさわけ!」
「ぐっ…!?」
草をかき分けるような動きで体当たりしたジャックがガケガニの体勢を大きくずらす。
「さっきまでは素早くて当てれる気がしなかったけど、隙あり!のろいだああああああっ!」
空中に出現した巨大な釘のエネルギーで自分の身を削ったツムヅムののろい、否「呪い」がガケガニに炸裂。その体力を削って行く。
「パルシェン、とどめだ!アクアブレイク!」
そこに、気合が乗ったペパーの叫びと共に激流を纏ったパルシェンの突撃が炸裂。ガケガニの巨体がひっくり返って結晶が砕け散る。
「つぶ、つぶれる……もどれ。ガケガニ。…ごめんなさい」
引っくり返ったガケガニに押し潰されていたサニアがボールに戻して大の字に仰向けに寝転がって悔しげに一息つく。こうして俺達は第三(正確には偽龍に続く第四)のヌシ、ガケガニを撃破に成功したのだった。
ゲームとかアニメなら間違いなく専用カットインが入るトリプルテラスタル。
いわテラスタルガケガニ、まるで神殿を背負っているようでかっこいいよね。その前で仁王立ちするサニア、お面を被っているのも相まってかっこいいと思っていただけたら幸い。…さながらサニアと動く神殿。某アニメ映画を見て思いついたとかそんなんじゃないです、はい(汗)。
次回三つ目の秘伝スパイスを手に入れて、ついに…?次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。