今回は東2番エリアでのできごと。楽しんでいただけると幸いです。
VSケンタロス
擦り傷などをきずぐすりで治しながらハッコウシティに向かって東2番エリアを歩いていると電話がかかってきた。カシオペアか、あっちは大丈夫だったのか?
《ロトロトロトロト……「こちらはなんとかなった。そちらは大丈夫だったか?」》
「手ひどくやられたよ、ボスの一人ビワ……強いな。うちのぼむんが一撃でやられた」
《「ビワは現スター団でも最強だ。そうか、ラウラでも厳しいか……」》
「いや、必ず勝つ。…あいつらにはあいつらなりの正義があるみたいだが、負けられない理由が一つ増えたからな。ブルーフレア団に与しているなら負けられない」
《「そうか……頼もしい限りだ」》
うん?カシオペア、襲撃者がビワだということと、スター団がブルーフレア団と繋がっていることを知ってたのか?反応が薄いような…。
《「ところで、メロコからボスの証ダンバッジをもらったようだな。ふむ、たしかに。確認した。これでボスがいなくなったチーム・シェダルがなくなるはずだ。メロコ……」》
「どうしたカシオペア」
《「…すまない。考え事をしていた。一つ聞きたい。スターダスト大作戦の戦闘班のラウラから見て、スター団ってどうなん…だ?」》
変なことを聞いて来たな。どうって言われても……。
「まだ三人としか戦ってないが、ピーニャもメロコもビワも強かったな。ちょっとなめてかかってたが認識を改めたところだ」
《「…ふむ。そうか。…生徒のSNSをハッキングして突き止めた情報だ。噂ではあるがスター団も根っからの不良ではないらしい。大半がいじめられていたり、人付き合いが苦手なだけのオレンジアカデミーの学生が集まってスター団が結成されたそうだ。一人では立ち向かえないいじめに打ち勝つために……あの強さはそのために得た強さだろう」》
「それはメロコからチョロッと聞いたな」
噂といいつつ確定事項にしているところが気になるが。
《「少なくともブルーフレアとかいう連中は後からスター団に接触してきた連中だ。ビワね……ビワも恐らく騙され利用されているだけにすぎないと思う。なんでも5人のボスを集めて団を作った真の黒幕もいるらしいが…少なくともブルーフレア団ではない」》
「それがマジボスか」
《「そう呼ばれている存在がいることは確かだ。約束の報酬だ。今回は6000LP渡そう。…傷の手当にも役立ててくれ」》
「ああ、助かるよ」
通話を終えて、夜空を見上げる。…カシオペア。たしか、星座の名前だ。
「…ちょっと疲れた。朝まで寝るか」
東2番エリアは草原が広がるエリアだ。リュックから毛布を取り出してお腹に被れば、この時期なら風邪も引かないだろう。
「みんな、出てこい。誰か一人は見張りしてくれると助かる」
レクス、ダーマ、レイン、ジャック、ケプリべ、ぼむん、ウカを出して、リュックを枕代わりにして横になり毛布を被る。これで野生ポケモンに襲われても大丈夫だ。
「おやすみ、みんな」
しっかし昼はコルサと対決にボウルタウンの観光、夜はチーム・シェダルにカチコミとビワの襲撃……大変な一日だったな。
夢を、見る。
―――――「はい!ユウリっていいます。まだジムバッジを手に入れてないんですけど…私と、戦ってくれませんか!」
三つのスパイスを食べた影響か、夢の中でかつての記憶が断片的によみがえる。
―――――「我はジムチャレンジを一番に乗り越えし者!人呼んで
苦笑する。忘れたくない、忘れられないことはわかるのに、だけど名前も思い出せない大事な親友たち。恐らくその出会いの記憶が、映像として真っ白な何もない空間に映し出されるのを眺める。
―――――「ここは表ですけど、まあいいですよ、この私、ひこうタイプ使いのムツキにボコボコにされて現実を思い知ってください!」
ちょっと思い出しただけでムカつく奴もいるけど、それもしょうがないなあと呆れて笑う自分もいて。頬を伝う水滴に驚いた。
「……くそっ。会いたいなあ」
夢の中だというのに涙がこぼれ、一人ごちる。パルデアで目覚めてからずっと感じていた感情、「孤独」を痛感した。ネモがいる、アイアールがいる、ペパーがいる、蟲ポケモンたちがいる。…それでも足りない。満ち足りない。俺はあいつらと一緒にいたかったんだと、四人で馬鹿を言い合えるあそこが心地よかったのだと、そう思った。
「あぁああああああああっ!?たすけ、たすけてー!?」
悲鳴が聞こえてきて、微睡から覚醒して起き上がる。目を開ければ太陽の輝きが目に入ってきて。そこにいたのは、萌え袖と言うのか手が隠れてしまっているぐらい長い裾の袖のついた甘ゴスファッションを着た、前髪で片目を隠した金髪ロングヘアー碧眼の少女と、それを追いかけるパルデアケンタロスの群れがこちらに迫ってくる姿。微睡んでいた脳が一瞬で完全覚醒する。
「レクス、にどげり!ダーマ、スレッドトラップ!レイン、バブルこうせん!ジャック、がんせきアックス!ケプリべ、じんつうりき!ぼむん、まきびし!ウカは暴れろ!」
少女がすれ違うのを待ってから、出しっぱなしだった相棒たちに指示。ケンタロスを蹴り飛ばし、糸の盾で受け止め、泡で怯ませ、ステルスロックとまきびしをばらまき、じんつうりきで持ち上げて投げ飛ばし、そこに大暴れするウカが突撃することでケンタロスの群れは沈黙した。
「…無事か?」
「ハア、ハア……助かりました……」
「そうか、よかった……!?」
「?」
へたり込んだ少女に話しかけて、驚愕する。見たことのある顔だった。ガケガニとの戦いの後で思い出した、夢でも見た人物の顔だ。名前が出てこないがでんきタイプ使いだと名乗っていた……首をかしげているおしとやかそうで印象がまるで違う少女を見て思い出そうとする。えっと。
「たしか…
「えっ、なんで私が昔名乗ってた名前を知ってるんですか!?」
「今は違うのか?」
「は、恥ずかしいのでやめてください……命の恩人に名乗らないのも失礼ですね。私、モコウといいます」
「誰だお前!?」
「さっきから失礼じゃないですか!?」
モコウと名乗った少女の強烈な違和感に思わずツッコむと逆にツッコまれた。眼帯を付けていて、雷みたいなギザギザツインテールをしていて、もっと痛々しくて、あれえ?
このモコウ(?)の髪型は以前もらったファンアートのモコウから。詳しくは無印のあらすじをチェックだ。
実はずっと孤独を感じていたラウラ。記憶を思い出せば思い出すほど孤独な思いが募る悪循環。
そんな中出会ったのは、ひらひらしている服のせいでケンタロスを怒らせてしまって逃げていた、モコウを名乗る萌え袖少女。違和感バリバリだけど顔と声はラウラの知るでんき使いと一緒。でもラウラとは初対面の模様。どういうことなのか。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。