今回はVSナンジャモその3。楽しんでいただけると幸いです。
予想外の強敵、ナンジャモの相棒ハラバリー。ジムリーダーの相棒なだけはあるな。リフレクターで前からの攻撃は半減される、かといって上から攻撃すればかみなりで撃ち落とされる。…奴の背後に回り込まないと話にならないか。
「さっすが!超キュートで頼れる相棒ハラバリーだよ!さあさあラウラ氏、次はどの子を出すのかな?」
にやりとした顔で挑発してくるナンジャモ。俺のウカを除いた手持ち半分の戦い方は知られてしまっているが、これは4VS4のバトル。ダーマとぼむんが倒され、出して無い手持ちはケプリべのみ。つまり一体は出さないといけない。レクス、レイン、ジャック。いずれも機動力で相手を圧倒する面子だ。ハラバリーの背後に回り込むことができるだろう。ここで誰かを出すしかない。
「…次はこいつだ。ジャック!」
考えたが、でんきが弱点のレインは候補から外し、残るレクスもこうも開けた場所じゃ本領を出しきれない。ジャックしかない。存分に目立ってやる気も出してるしな。ボールから出るなりビシッとポーズを決めるジャックに歓声が上がる。モコウとの戦いはジャックにとって間違いなく得るものがあった。
「目立ちたがり屋ジャックくんかあ。いいねいいね~その子とはぜひコラボしてみたかったんだ!ボクの相棒の活躍を映えさせる相手になってよ!」
「そいつは御免こうむる!回り込め、つばめがえし!」
そのストライク時代から見劣りしないすばやさでハラバリーの背後に回り込み、岩斧を振るい回避不可能の軌道を描く斬撃を放つジャック。ハラバリーは高耐久ととくせいを活かしたカウンター型の固定砲台。振り返る前に確実にダメージを与える…!
「リフレクターを足場にジャンプ!天高く飛び上がれ!みずのはどう!」
「なに!?」
するととんでもないことが起きた。その鈍重そうな見た目からは想像もつかないボヨンボヨンとした動きで跳躍、目の前のリフレクターを蹴って宙返りすると腕の間に水を集めるハラバリー。でんき
〈すごっ〉
〈あの見た目でなんて動きをするんだ〉
〈紹介動画で画面外からナンジャモに飛びついたのが印象的〉
〈でもあんなに動けたんだな…〉
〈バサギリの方もあの重そうな見た目で速いのな〉
〈一瞬であの距離移動するのは速いを越えてる〉
〈それに反応してるナンジャモとハラバリーやべえ〉
「蛙は蟲の天敵だ!負けるなジャック!れんぞくぎり!」
放たれたみずのはどうを、高速の斬撃で切り刻むことで防ぐジャック。バシャッ!と水が飛び散りフィールドを濡らす。水浸しのフィールドじゃ踏み込むことも難しそうだな。
「がんせきアックス!」
岩石を纏った岩斧を振り上げ、着地したハラバリーに向けて突撃したジャックはそのまま勢いよく叩きつけるも、ハラバリーはグググッと縮みこませて攻撃に耐えていた。リフレクターなしで耐えただと…!?
「その程度の攻撃じゃビクともしないよ!攻撃とはこうやるのダ!ハラバリー、カウンター!」
「ジャック!?」
ボヨンと跳ねた体の反動を利用した衝撃を集めた光り輝く小さな右手で殴り飛ばされ、吹き飛んで水浸しのフィールドに転がるジャック。何とか立ち上がるも、びしょ濡れで。へそダイナモとやらがバチバチ輝くハラバリーを見て、はめられたと気付いた。
「ジャック!くさわけでそこから退避……」
「遅い!じゅんでん完了!かーみーなーりー!ゴロピカドーン!」
俺の指示にジャックは応えようとするもダメージからよろけた隙を突き、放たれる雷電の槍。命中率に不安のある技である故にジャックからは外れたが水溜りに炸裂。轟音と共に大放電が発生してびしょ濡れのジャックに通電して感電。黒焦げとなったジャックの巨体が倒れ伏す。
〈かーみーなーりー(迫真)〉
〈緩い言い方なのにやってることえげつなくて草〉
〈みずのはどうを防御させることでフィールドを水浸しにしてかみなりは天才〉
〈かみなりは強力だけど命中率に不安があるからな…〉
〈コガネの面接官:カウンターで倒すんやなくて水浸しの所に殴り飛ばして確実に仕留めるとか可愛い顔して恐ろしいわあ〉
〈リフレクターなしであの専用技素で耐えてるのもやべえ〉
〈ゴロピカドンかわいい〉
〈ラウラ残り一匹でどうすんだこれ〉
〈判明してるのはバサギリ、エクスレッグ、アメモース、ワナイダー、フォレトスだっけ〉
〈そのうちエクスレッグとアメモースは戦い方がばれてるから出したくないな〉
〈ナンジャモの四匹目あれだしなあ〉
〈判明してない残り一匹次第?〉
〈どっちにしろ四匹目が強すぎる〉
ああそうだよこの野郎。と内心モニターに流れるコメントに悪態を吐く。あっちが俺のことを知ってるならコメントでナンジャモの四匹目を知りたかったがさすがに民度がいいのかネタバレはしてこないか。…いや、出すのはコイツ以外ありえないか。
「相手はジャックが弱めてくれた、推し通るぞケプリべ!」
繰り出したケプリべ……ベラカスに、観客やコメントから落胆を感じた。だろうな、ここ大一番で出すのが小ぢんまりしていてお世辞にも強そうとは思えないケプリべだ。だが蟲について知ろうともしない奴等は知らない。このケプリベ、ベラカスの本体は蟲の様な部分ではなく玉の方だということを。
〈オワタ〉
〈これは無理だ〉
〈まだエクスレッグかアメモースの方が…〉
〈諦めたんかな〉
〈本気出したナンジャモ強いからしゃあない〉
〈リフレクター対策で遠距離が使える奴にしたのは分かるけども…〉
エスパータイプが無かった進化前からエスパーエネルギーが混ぜ込んだ泥玉に進化のエネルギーを蓄えるためにせっせと転がし続けて培った太陽の様な玉が、今のケプリベの本体…らしいと図鑑には書いてあった。恐らくこのパルデア地方でも俺みたいな物好きしか知らない情報だろう。
「皆の者はこう言ってるけど、どうなのかナ?諦める?」
「まさか。こいつをなめたら痛い目に遭うぞ」
「じゃあ見せてもらうよ!ハラバリー、みずのはどう!」
またびしょ濡れにして確実にかみなりを当てようとしたのか、みずのはどうを撃ってくるハラバリー。だがそれは、ケプリベに当たる直前でぴたりと空中に縫い止められる。
「じんつうりき。返すぞナンジャモ!」
ケプリベの複眼が輝き、玉が怪しく輝いてみずのはどうにじんつうりきによる念動力を纏って加速、凄まじい勢いで叩き付け、引っくり返るハラバリー。
「大丈夫、ハラバリー!?」
「格の違いを見せてやる。ケプリベ、下にある物が分かるな?それを操れ、じんつうりき!」
俺がそう語りかけると、先程よりも激しく光り輝くケプリベの玉。ゴゴゴゴゴッという地鳴りと共に、フィールドの外、下の海面まで吹き抜けになっているそこから現れたのは、蜘蛛の様な脚の形状をした八本の水の柱。下の海水をケプリベが念動力で操り作り出した、文字通りの手足だ。
〈 〉
〈 〉
〈 〉
〈ええ……〉
〈強すぎわろた〉
〈蟲だからと馬鹿にしてごめんなさい〉
〈ドリームーン:これは、洒落になりませんね〉
〈誰だオワタとか言った奴、見てるか?〉
「……そんなの、ありぃ?」
フィールドを取り囲んでいる、自分より遥かに巨大なそれを見上げて立ち尽くしているハラバリーと、冷や汗を流し絶句するナンジャモに、俺は腕組みして不敵に笑う。うん、満足だ。全世界に見せつけてやったぞ。
「蟲の強さ、思い知れ」
ちょっと影が薄かったケプリベ、蟲がなめられてる現状を打ち破る面目躍如。これでサイコキネシスではなくじんつうりきなのは溜め込んだエスパーエネルギーの出力の問題。
強敵ハラバリー。みずのはどうで濡らして必中のかみなり、リフレクターで防いでカウンター、と耐久力と技の連携が強み。ぼむんにジャックという現ラウラの切札級二体を落としてるっていう。
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