ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。物語を動かすためにはどうしても前振りがいるのが大変なところさん。

今回はあの人物とのバトル。楽しんでいただけると幸いです。


VSカジリガメ

「グラウンドは昼間は人気(ひとけ)が少ないのか…別に立ち入り禁止じゃないみたいだし隅っこ使うか」

 

 

 グラウンドにやってきた俺は隅の方に行き、手持ちを全員出す。マメバッタ、タマンチュラ、アメタマ。そしてウカ。ちゃんと全員分買って来たサンドウィッチを取り出し差し出す。購買部でオレンジジュースも買って来たし昼食の準備は完了だ。

 

 

「カレーじゃないが美味いらしいぞ」

 

 

 カレーかきのみしか食べさせてなかったので初めてのサンドウィッチに興味津々なポケモンたち。俺のカレーに釣られて仲間になったウカももぐもぐと美味しそうにその短い前足で持って小さな口に頬張ってる。かわいい。

 

 

「チヲハウハネ」

 

「ん?」

 

 

 すると頭上から聞き覚えのある声が聞こえたのでオレンジジュースを飲みながら見上げると、屋根の上から仮面に覆われた一対の目が覗きこんでいて。それはその場で宙返りすると目の前に右腕を地面に押し付けながら着地してきた。びっくりしてオレンジジュースをそっぽに噴き出す。

 

 

「ぜはーっ!?き、気管に入った……何のつもりだサニア!?」

 

「ラウラ。チヲハウハネ。どこで。みつけた?」

 

「地を這う羽?なんのことだよ」

 

 

 ジリジリと迫ってくるサニアから、咳き込みながら後退する。プレッシャーが凄い。本当になんのことだ。

 

 

「いわない?そう。なら。ちからづく。おしえてもらう!」

 

 

 そう言ってモンスターボールを取り出し、もう片方の掌にボタンを押し付けてポケモンを繰り出してくるサニア。記憶を失う前に見たことがあるのか知らない名前が頭に浮かぶ。かみつきポケモン、カジリガメ。みず・いわタイプのポケモンだ。

 

 

「たたきのめせ。くらいつく」

 

「やる気だってなら相手になるぞ。みんな戻れ。マメバッタ!」

 

 

 既に食事を終えていた四匹をボールに戻し、マメバッタを繰り出すと登場と同時にかみつきを跳躍して回避する。なんだ今の技。何も浮かんでこないってことは記憶を失う前の俺でも知らない技だ。警戒した方がよさそうだ。

 

 

「にげばをなくせ。がんせきふうじ」

 

「避けろ!」

 

 

 するとその場で足踏みし、空中に複数の岩石を出現させて一斉に落としてくるカジリガメ。狙いが的確でマメバッタも避けるのに精いっぱいだ。こいつ、並大抵の練度じゃないぞ…!?

 

 

「さすがにすばやい、ね。ロックカットだ」

 

 

 すると背中の甲羅が研磨されて空気の抵抗を少なくしてすばやさがぐーんと上がるカジリガメ。すばやい身のこなしでマメバッタを翻弄し、がんせきふうじで一ヵ所に封じられた退路に追い込んでいく。

 

 

「くらいつくこうげき」

 

「マメバッタ!?交代だ!」

 

 

 意外と伸びる首を利用して脚に噛み付かれてしまい、慌てて戻そうとボールを構えるが何故か戻せず、そのままカジリガメは高速で突進しマメバッタはがんせきふうじの岩石に次々と叩きつけられていく。なんでだ!?

 

 

「くらいつく。は。てきにくらいついたままはなさない。いたみをあたえつつおたがいのこうたいをふうじる。わざ。マメバッタは。もうにげられない。シェルブレード」

 

「くそっ…かみつかれたまま頑張れ!にどげり!」

 

 

 げしげしっと必死に蹴りつけるマメバッタだがカジリガメは離さず、水の刃を形成した右前足を叩きつけてくる。凄まじい衝撃波と共に沈黙。戦闘不能となったマメバッタをボールに戻す。よく頑張ったな。

 

 

「…今の威力。練度(レベル)50台か……トレーナー初心者にひどくないか?」

 

「それはうそ。ラウラ。つよい。でもいまはよわい?ちぐはぐ」

 

「それは俺も思うよ」

 

 

 こちとら練度(レベル)25ぐらいの面子しかいないんだ。…いや、50ぐらいの奴が一人いたな。いちかばちかか。

 

 

「頼む力を貸してくれ、ウカ!」

 

「むっ」

 

 

 繰り出したのは、ウカ。すると目に見えて警戒しだすサニア。こいつのことを知っているのか?まあいい、スマホロトムのポケモン図鑑で確認だ。名前は不明。タイプはむし・かくとう。覚えている技は…ローキック、ニトロチャージ、しびれごな、とびかかるか。

 

 

「チヲハウハネ。けいかいしろ。カジリガメ」

 

「ウカ!ローキックだ!」

 

 

 再び高速で動き回って翻弄するカジリガメを、軽やかなステップで先回りしてローキックを叩き込むウカ。脚を薙ぎ払われたカジリガメは宙を舞い、落ちてきたところにさらにローキック。グルングルンとカジリガメを回転させて地面に叩き付け、戦闘不能にした。

 

 

「…今の、俺の指示なしでやったのか……」

 

「どうしても。かつ。コジオ」

 

 

 繰り出されたのは見たことないポケモンだ。岩石の様なキノコの様な?いや、なんで俺キノコだと思ったんだ?どうやら言うことを聞かないらしいウカで勝たないといけないらしい。アメタマに交代するべきか?

 

 

「見た所ベビーポケモンだがウカに勝てるのか?」

 

「まだそだててるとちゅう。だけどまけない」

 

「こらーっ!教師に無許可でなに対戦してるんですかー!」

 

「「!」」

 

 

 すると怒声と共に色黒の女性の教師と思われる人物が走ってやってきた。たしか数学の…誰だっけ。

 

 

「タイム。なにしにきた」

 

「こら、サニアさん!先生をつけなさいと何度言えば!許可のない私闘は禁じられてます、直ちにやめるように」

 

「…わたし。あきらめない」

 

 

 そう言ってコジオをボールに戻すと跳躍、窓枠やレンガの隙間などに足と指をかけて身軽な動きで屋根上に去っていくサニア。なんだったんだ。俺もウカをボールに戻してタイム先生に向き直る。

 

 

「またあの子ったら逃げて……ラウラさんも。転入生とはいえ気を付けてくださいね」

 

「以後気を付けます。…あのサニアって奴、何者なんですか?」

 

「今の校長…クラベル校長が就任時に一緒に入学させた子なんですよ。ああ見えて文武両道の優等生で、チャンピオンランクで私と同じいわタイプ使いでもあるんですよ」

 

「チャンピオンランク…!?」

 

 

 そりゃ強いわけだわ。納得。その後タイム先生に軽くお説教されてから解放され、教室に戻ろうとした時だった。

 

 

《ロトロトロトロト……》

 

「スマホロトム?知らない番号だな……もしもし?」

 

《「…ラウラだな?この通話はあなたのスマホロトムをハッキングしておこなってる。私の名はカシオペア。ぜひとも協力を依頼したい」》

 

 

 スマホロトムに知らない番号がかかって来たので警戒しながらも出ると、変声機かなにかで変えた声が聞こえてきた。スクール初日からなんなんだ厄日か?




・サニア
 どこかの民族みたいな奇妙な文様が描かれた、ウォーグルの羽が飾りとして付いている仮面を被った、オレンジアカデミーの夏服のネクタイが無くて両袖を破ってタンクトップ風にしていて、日焼けした浅黒い肌で裸足の、野生児という印象が強い人物。一人称は「わたし」中性的な声で片言で喋る他、ポケモンの様な身体能力を持つ。
 判明した手持ちはカジリガメとコジオ。クラベル校長が就任時に一緒に入学させた文武両道の優等生。さらにチャンピオンランクでいわタイプ使いとハイスペック。
 「チヲハウハネ」と呼ぶものに興味があるらしくラウラを狙う。名前の由来は食虫植物サラセニア。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ウカ以外のラウラの手持ちにもニックネームは…

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