今回はアイアールVSネモ…を実況するドンナモンジャTV回。楽しんでいただけると幸いです。
#ドンナモンジャTV
【ドンナモンジャTV】チャンピオンランクのバトルを実況するぞ!特別ゲストもいるよ!【ナンジャモ&ラウラ】
「はい、ドモドモー。ナンジャモと~?…ありゃ。ほらほら、打ち合わせ通りに!」
「わかったよ。ラウラのー!(ヤケクソ)」
「ドンナモンジャTVの時っ間っだぞー!皆の者~!準備はいーいー?あなたの目玉をエレキネット!
「おはこんはろちゃおー」
バトルフィールドがよく見える建物の屋上を借りて急ピッチで作られた仮設スタジオのナンジャモの隣の席に座り、長机にモニターと共に置かれたマイクに喋る。なんでこんなことしてんだろ……。
〈おはこんハロチャオー〉
〈アイエー!?ラウラなんで!?〉
〈うおおおおおおお〉
〈チャンピオンランクのバトルが見れると聞いて〉
〈おはこんハロチャオー!〉
〈ラウラやる気なくて草〉
〈ナンジャモちゃーん!〉
〈バトルコートにいる三人目オモダカ氏じゃね〉
「ついさっきジム戦を配信したばかりだけどボク頑張るぞー!本日のゲストは先日ボクを打ち負かしたラウラ氏!実況がボクで解説がラウラ氏だよ!そして今回の内容は~!ついさっきボクを一方的に叩きのめしたすごいやつ、アイアール氏とー!」
「チャンピオンランクの悪名高き戦闘狂、ネモの戦いを実況するぞー」
机に置かれたカンペをちらちら確認しながら淡々と言って行く。ナンジャモ曰くこっちの方がラウラ氏は人気が出るよー、らしい。無気力ダウナーがうけるとかどんな頭してるんだコメントしている奴等は。
〈アイアールとかいう別格〉
〈ゲッコウガででんきタイプジムリーダーに勝つ変態〉
〈そもそもジムリーダー相手に一匹も倒されないのが異常〉
〈強すぎてポカーンだった〉
〈ラウラより明らかに強いよな〉
「では当事者のラウラ氏にどうしてこうなったのか語っていただきましょう!」
「そもそもアイアールのジム戦前から始まる。このネモという女は俺が働いてたところのお嬢様で、メイドをしていた時に散々バトルしてた間柄なんだが……そのネモに目を付けられてしまったアイアール共々ライバル認定され、会うたびにバトルを申し込まれるのがお約束になってる」
「ラウラ氏メイドさんだったんだー。今度企画するから着てくれない?」
「やだ」
ナンジャモからの問いかけに即答する。言質取られたら今度は何されるか分からんからな。
〈草〉
〈w〉
〈メイドラウラ絶対可愛い〉
〈噂に聞いてたけどネモやべえ〉
〈ネモに勝ったことあるの?〉
「何度か。手加減している手持ちだがな」
「それでもチャンピオンに勝ってるのはすごいよー!ね、皆の者もそう思うよね?」
〈すごい〉
〈さすが〉
〈蟲パで勝ったならなおのことすげえ〉
〈俺バトルふっかけられたことあるけど鬼みたいな強さだったぞ。力量と言うより技量が〉
〈チャンピオンネモの影響で「目と目が遭ったら」じゃなくて「話しかけたら」バトルになったって噂もあるぐらいだからな〉
「今回もアイアールがナンジャモに挑もうというところでやってきてな、無理やりバトルしようという流れになった。で、ジム戦の間に今回戦うメンバーを決めてきたらしく、アイアールがジム戦終わったから迎えに行ったらオモダカさんがいて、ネモが襲来した」
「襲w来wwんじゃもーオモダカ氏はなんでいたの?」
「俺やアイアールをスカウトしたいんだと。あ、これ話してよかったか?」
思わず確認のためにバトルフィールドの映っているモニターに視線を向けると、オモダカさんがにっこり笑って右手の親指と人差し指で丸を作っていた。ほっ。よかった。
〈襲来は草〉
〈そりゃスカウトされるわなあ〉
〈このコンビのヤバさは皆の者みんな知ってる〉
〈トップチャンピオン直々に〉
〈コガネの面接官:スーパー総大将仕事せい〉
〈未来のチャンピオンランクたりえるものなあ二人とも〉
しかしコメントが流れて行くモニターを見ながら話す配信は初めてで慣れん。するとスマホロトムで撮影されているアイアールたちにナンジャモが合図を送ると、オモダカさんが審判の様な位置に移動、アイアールとネモも距離を取る。
「多分知らない視聴者もいるだろうからアイアールにもっかい説明!いろんなジムを巡ってバッジを集めて行くとポケモントレーナーの最高峰に挑戦することができるんだ!」
「ええ。ポケモンリーグです。テーブルシティの北西に位置しております。最強の称号チャンピオンランクのトレーナーが新たに生まれる場所です」
「ジムバッジを8つ手に入れたらテストを受けることができて、最強の試験官と戦って勝てばチャンピオンになれるんだよ!そのときの気持ちになって今からイメージトレーニング!最高の舞台を目指していざ、実りある勝負にしよ!」
「うん、負けないよ!」
そうモンスターボールを掲げて輝くような笑みのネモに、アイアールもオモダカさんに回復してもらった手持ちの入ったモンスターボールを掲げて不敵な笑みを返す。あいつも大概バトルが好きだよな。
「ラウラ氏質問~、実りある勝負とは!」
「俺に質問するな」
〈ヒエッ〉
〈なんか恐怖を感じた〉
〈解説の仕事投げ捨ててて草〉
〈ジム全部乗り越えることを当然の様に言ってて草〉
〈ラウラ仕事しろ〉
〈解説ですら理解できないパワーワードということ?〉
〈振り切るぜ!〉
「ルールは4VS4。勝ち抜き戦でどうぐの所持・使用禁止。ポケモンリーグのスタンダードルールです。よろしいですね?始め!」
「トップや見ているみんなの前だからって緊張しないでリラックスだよアイアール!いけ、ルガルガン!」
「頼んだよツムヅム!」
オモダカさんの合図と共に、それぞれ初手のポケモンを繰り出す。ネモはルガルガン、アイアールはキョジオーンのツムヅムだ。これは完全にアイアールの読み勝ちだな。ネモ嬉しそう。
「さあ始まりました!チャンピオンランク最強と名高いトレーナー、ネモ氏VS!期待の新星アイアール氏!さてラウラ氏、あの二体はどんなポケモンなのかな?」
「ルガルガンとキョジオーンのツムヅムだ。ツムヅムは俺と一緒にアイアールが捕まえた少々特殊なポケモンで、とにかく防御力が鬼の様に強い。ルガルガンは恐らくイワンコの頃から俺を苦しめてたアイツが進化したんだろうな。ネモの相棒的ポケモンだ」
「なるほどなるほど。たしかにツムヅムの堅牢さにルガルガン、攻めあぐねている様子だ!」
さすがに平等じゃないので配信では言わないが、ルガルガンの技はおそらくいわなだれ、かみつく、かげぶんしん、そしてアクセルロックだろう。どの技もキョジオーンには今ひとつ、強いて言うならかみつくがまあまあ効くが防御力が高いからあまり通じない。
「ツムヅムの方も攻撃が当たってないな。かげぶんしんも織り交ぜたあのすばやさ相手は身体が重いキョジオーンにはきつい。これが入れ替えありならどっちか交代してただろうな」
「場は膠着している~!個人的にも動画映えしないからそう言うのやめてほしいな!」
恐らくオモダカさんがポケモンリーグ公式戦を想定して設定したルールだろうな。関係ないが交代による緊急回避、という裏技がある。ルールもへったくれもない実戦に置いては有用だが、公式戦では忌避される行為だ。そっちの方が動画映えしないのでまあこれでよかったかもしれない。
「…ん?」
「おおっと解説のラウラ氏!何かに気付かれましたか!?」
「いや言うのは戦っている二人の迷惑になるだろ。フィールドを見たら気付けるぞ」
いわなだれを打ち合っている両者を見てあることに気付いた。キョジオーンがいわなだれを振り払っているのを見て確信する。狙ってやったんだろうがアイアール末恐ろしいな。
「そこ!アームハンマー!」
「アクセルロックで右に回避に…って!?」
ネモも気付いたようだがもう遅い。逃げようとしたルガルガンは、いわなだれが積み重なった壁にぶつかって逃げること叶わず、振り下ろされた剛腕が叩き込まれ、ルガルガンは崩れ落ちた。
「おおーっと!こうかはばつぐんだー!解説のラウラ氏、これは!?」
「ツムヅムの一撃は重く、ルガルガンは一撃でも効果抜群のアームハンマーを喰らったら終わり。それをさせないためにネモはツムヅムの挙動に注視していたから、攻撃と見せかけて着々と場を整えられていることに気付かなかったわけだ。しかも牽制のつもりで放ってたルガルガンのいわなだれも利用されてるな」
〈やべえ〉
〈さらっと言ってるけどそれってつまり相手のトレーナーの挙動すら利用したってこと?〉
〈アイアール、恐ろしい子…!〉
〈オモダカ氏満面の笑みで草〉
〈ネモもなんか喜んでるな〉
〈負けてて喜ぶのなんで?〉
「いいのもらっちゃった!技の威力も冴えてる!」
ルガルガンを戻しながらも楽しそうに褒めるネモ。アイアールが予想以上に強くなっているのが嬉しいようだ。
「じゃあ次はこの子だ!行って来い、ミミズズ!」
次にネモが繰り出したのは……あの六本足、蟲ポケモンか!?
気は乗らないけど解説の仕事はちゃんとするラウラ。初めて見たミミズズに思わず席を立ちあがる。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。