今回はハバタクカミとの対決。楽しんでいただけると幸いです。
ブルーフレア団の幹部のポケモンだろうか。ハバタクカミ、と呼ばれたムウマに酷似したポケモンの髪の毛に捕まり、じたばたと暴れるウカ。何度もローキックを叩き込んでいるが擦り抜けてしまっている。ムウマみたいな見た目の通りゴーストタイプなのか?
「なら…レクス!ウカを助けろ!じごくづき!」
ボールに入れて混乱から回復したレクスを再度繰り出し、ゴーストタイプに効果抜群なあくタイプの技を指示。レクスは跳躍してハバタクカミの後ろから首元を狙って飛び蹴りを叩き込むが、ハバタクカミは浮遊している体が一切揺れる事すらせず受け止め、ギロリと目だけを動かして睨みつけてくる。
「効いてない…!?」
「アハハッ!騙された騙されたあ!ムウマだと思った!?違うんだなあそれが!ぶっ潰れろムーンフォース!」
ウカを捕らえたまま、頭上に桃色の月の様なエネルギー体を形成、ウカを捕まえていない髪の毛を手の様に動かして投げつけてきた。レクスは避けようとするも、あまりの巨大さと弾速に避けきれず巻き込まれてしまう。
「一撃か…この威力、フェアリータイプも入っているのか?」
「アハハ!ごめーさつ!力の差が分かったならこのままチヲハウハネが縊り殺されるのを黙って見てなさい!」
「そうはいくか、ぼむん!」
フェアリーとわかったのではがねタイプを有するフォレトスを繰り出す。ミミズズにタコ殴りにされたダメージが残っているが、頑張ってもらうしかない。
「でんじふゆうで上に行け!急転直下ヘビーボンバー!」
「サイコショック」
空中に浮かび落下のGも含めた最大火力のヘビーボンバーを叩き込むも、空中に設置された念動力の塊三つがぶつかり体勢を崩して見当違いの方向にぼむんは落下。さらに空中の念動力の塊が一斉に射出されて四方八方から衝撃を受けて打ち上げられていくぼむん。物理的なダメージのあるサイコショックをあんなふうに使うなんて…!?
「ぼむん!?」
「アハハッ!撃ち抜けパワージェム!」
そしてとどめと言わんばかりにハバタクカミの周囲に現れた六角形のエネルギーが放たれて撃ち抜かれ、ぼむんはなにもできずに地面に落下、目を回す。
「くっそ…頼む、ジャック!」
「なにそれ知らないポケモン。アハハ!生意気!チヲハウハネを落として迎撃しなさいハバタクカミ!」
ジャックを繰り出すと、珍しいバサギリなためか警戒してウカをぶん投げて解放、名前の通り髪を羽ばたかせるようにして加速するハバタクカミ。なんて速さだ。ウカは…着地失敗しているけど無事だな、よし!
「ジャック、がんせきアックス!」
「サイコショックで逸らしなさい!」
まっすぐ突っ込んでくるハバタクカミに合わせてがんせきアックスを指示。しかし空中に出現した念動力の塊で刃先を逸らされ、空振りしたところに激突。髪の毛に四肢を縛られて持ち上げられるジャック。するとウカが立ち上がり、とびかかってハバタクカミに襲いかかる。
「そいつを盾にしなさい」
しかし盾にされたジャックに拳が炸裂。そのまま解放されてジャックは投げ飛ばされ、ウカは文字通り回し蹴りでジャックを一蹴してしまう。ひどい。
「アハハ!仲間を足蹴にするなんてひどーい!」
「ウカもタギングルを盾にしたお前に言われたくないだろうよ」
「それはそうね!アハハ!ムーンフォース!」
「ウカ、しびれごなで…って、おい!?」
ジャックの様子を確認しつつウカに指示して切り抜けようとするが、ウカは聞き耳持たず巨大な月型のエネルギーをフットワークの軽さで駆け抜けて回避。そのまま炎を纏いニトロチャージで殴りかかるウカ。怒りで血が頭に登っているのか俺の声が聞こえていないみたいだ。
「アハハ!ろくに言うことも聞かないじゃない!シャドーボール!」
髪の毛を伸ばして受け止めるハバタクカミ相手にじたばたと暴れるウカだったが、その真下。ハバタクカミの影から闇の弾が放たれ直撃、四肢をぷらんと垂れさせてぐたっとするウカ。シャドーボールをあんな使い方するとは…。
「ジャック、テラスタル!くさわけだ!」
それを見た俺は咄嗟にテラスタルオーブを取り出しジャックをテラスタル。草をかき分ける動きで高速で突撃し、ハバタクカミの髪の毛を切り裂いてウカを解放するジャックはそのままかっこつけて着地する。
「なんかその動きムカつくわね…ならこっちもボスから賜ったこれを使おうかしら。テラスタル」
「なんだって?」
ブルーフレア団の女幹部が取り出したそれ…テラスタルオーブに驚く俺とジャックの目の前で、ハバタクカミは結晶化しハートの形状の結晶を頭部に付けた姿に変貌。フェアリーテラスタル…!?
「なんでお前らがそれを…オレンジアカデミーで特殊な授業を受けないともらえないって話だったはずだぞ!?」
「アハハ!ボスにこれをあげた裏切り者が教師か生徒にいるんじゃない?知らないけど!ムーンフォース!」
「ジャック、ウカを連れて逃げろ!」
くさわけでさらに上がった自慢のすばやさでぐったりしているウカを抱えて走って逃げるジャックの頭上で、先ほどまでの二倍ほどに大きくなった月型のエネルギーがゆっくりと落ちてくる。
「アハハ!逃がさないわよ。シャドーボール」
「しまっ…ジャック、ウカ!?」
しかし逃げきろうとした瞬間、自身の影から放たれたシャドーボールがジャックに炸裂し、よろめいたところにムーンフォースで押し潰されるジャックたち。相手のポケモンの影からも放てるとか反則にも程がある。
「ジャック!?お前、ウカを庇って……」
ムーンフォースが消えたそこにはテラスタルが解けて倒れているジャックだけがいて、ウカは炸裂する寸前でジャックに投げ飛ばされたのか範囲外で呆然とした様子でジャックを見ていた。ジャック、かっこよかったよお前は。
「アハハ!言う事も聞かない奴を助けて倒されるなんて!貴方の切札なんでしょ、ラウラ?チヲハウハネを捨てていれば逃げれてたかもしれないのに!虫けらみたいに潰されて!拍子抜けね!」
ジャックをボールに戻して、ハバタクカミを傍に侍らせ高笑いを上げる幹部を睨みつけ後ろ手にボールを構える。
「……名を教えろてめえ。お前だけは絶対に許さない」
「アハハ!許さないからどうなるのかしら!いいわ、教えてあげる!私はアケビ。ブルーフレア団幹部のアケビよ。もろともに死ね。ムーンフォース!」
「ダーマ!スレッドトラップ!」
ウカの方に駆け出しながらボールを投擲。糸の盾を張ったダーマの後ろにウカと共に隠れ、衝撃。ダメージ自体は防げたものの衝撃波までは防げず吹き飛ばされるダーマを受け止める。くそっ、爆撃でも受けてるようだ。なんて力だ、あのハバタクカミと呼ばれたポケモン。
「アハハ!時間稼ぎしてなんになるってのかしら。相棒の助けでも待つ?まだ手こずってるみたいだけど」
「……」
…ケプリベを出してさいきのいのりでぼむんを復活させる、それしか勝機はない。だがその隙が……。
「アハハ!だんまりだなんて寂しいじゃない!ムーンフォース!」
もう防げるポケモンも迎撃できるポケモンもいない。万事休すか……。
「ベトベトン!とけるでござる!」
すると俺たちとムーンフォースの間に紫色のヘドロが津波の様に現れて球体上に包みこんでムーンフォースを受け止めた。何事かと目を白黒させていると、タンクトップに紫色のズボンと言うラフな格好のかなり爽やかで凛々しい美男子が駆け寄ってきた。レジ袋を持っているところを見るに買い出し途中だろうか。
「危なかった、無事でござるか!?」
「え、誰…?」
「名乗るほどのものではござらぬよ」
なんか変な口調だがなんかしっくりくるな。俺達を守ってくれたヘドロ…ベトベトンが美男子の傍に侍って警戒する。面白くないのはアケビだ。
「アハハ!邪魔するなんていい度胸じゃない!イケメンだからって調子に乗らないでよね!」
「おいアンタ、助けてくれたのはありがたいがアイツはブルーフレア団って言って危険だ。逃げた方が…」
「見た所同じオレンジアカデミーの生徒、困った時は助け合いでござるよ。…それに、ブルーフレア団は我としても見過ごすわけにはござらんよ」
そう言ってアケビを睨みつける美男子。なにか因縁があるのか?それならとありがたくケプリベを繰り出す。
「見ればなにか手がある様子。我が時間を稼ぐ、その間に」
「わかった。よろしく頼む!」
「アハハ!邪魔するなら纏めて死ね!サイコショック!」
「ケプリベ、さいきのいのり!」
「ベトベトン!ベトベ
どくタイプに効果抜群な四つの念動力弾を形成し、一斉に飛ばしてくるハバタクカミだったが、美男子は己にベトベトンを纏わせるように渦を巻かせて弾き返すことで防御。とけるを利用した防御か。すごいな、ただ者じゃないと見た。
「ケプリベ、じんつうりき!これを空中で…!」
「アハハ!諸共に吹き飛べ!ムーンフォース!」
「ダストをシュートする術!」
ゴミの塊を飛ばしてムーンフォースの着弾を一瞬遅らせている横を飛んでいくモンスターボール。遥か上空で神通力でスイッチを押されて飛び出したぼむんが、ハバタクカミを捉える。
「力強く急転直下!ヘビーボンバー!」
「嘘!?」
さらに力業を発動したぼむんの隕石が如き一撃に叩き潰され、クレーターの真ん中でピクピクと震えて気絶しているハバタクカミ。強敵だった……。
ござる口調の美男子参戦。一体誰なんじゃろね。
高威力のムーンフォースにパワージェム、影から繰り出されるシャドーボール、設置型弾丸としても使えるサイコショックと強力な技のオンパレードだったハバタクカミ。さすがのウカでも相手が悪かった。
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