今回はやっと旅の始まり。楽しんでいただけると幸いです。
《「私の名はカシオペア。ぜひとも協力を依頼したい」》
「いきなりなんだお前」
突如かかってきた相手が不明の電話。カシオペアと名乗った相手は、ペパーと同じく俺に協力を求めてきた。なんだって俺なんだ。
《「…あなたのことは知っている。高い素質を持つ、蟲ポケモン使いのポケモントレーナー。監視カメラに映っていたよ、あなたの活躍は。確認させてもらった」》
「それで俺になんの協力をしてほしいんだ?」
《「ラウラ……あなたはスター団を知っているな?」》
「見てたんなら答える必要ないよな?」
《「ふむ。その通りだ。スター団とはオレンジアカデミーに通う生徒たちが作ったいわゆる不良グループ。彼等はアカデミーの風紀を乱し、周囲に迷惑をかけている。そんな彼らを私は放っておくことができ……」》
「御託はいい。俺にどうしてほしい」
なんか清廉潔白なことを言い始めたので途中で割り込む。俺は正義の味方じゃなくてただの蟲好きなんだわ。
《「…では単刀直入に言おう。私はスター団を解散させ文字通りの星クズに変える作戦……スターダスト大作戦を考えている」》
「ネーミングセンスよ」
《「ぐっ。余計なお世話だ。この計画には同志が必要……ラウラ、あなたにも手を貸してほしい。蟲ポケモンを馬鹿にするような連中だ、処しておいた方がいいだろう?」》
「それはそうだな」
全員が蟲ポケモンを馬鹿にするようもんなら駆逐させるまであるわ。
《「あなたが戦ったしたっぱはスター団どく組「チーム・シー」に所属している。それを始めとしてスター団には5つの組があり、アジトもそれぞれ分かれている。ラウラにはそこへ向かい、組のボスである5名を倒してほしいのだ」》
「5人もいるのか」
《「うむ。まとめ役兼BGM担当のあく組「チーム・セギン」のボス、ピーニャ。なんでも屋のほのお組「チーム・シェダル」のボス、メロコ。服飾担当のどく組「チーム・シー」のボス、シュウメイ。最年少でメカニック担当のフェアリー組「チーム・ルクバー」のボス、オルティガ。戦闘指南役のかくとう組「チーム・カーフ」のボス、ビワ。合わせて5名だ。ボスたちは組の名前になっているタイプの使い手で、それぞれ強力な改造車『スターモービル』を有しているのが特徴だ」》
「…大半がむしタイプ不利だな。やりがいがある」
スターモービルってのはよくわからんが。蟲ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと証明するのにちょうどいい。
《「頼もしい限りだ。したっぱ軍団が邪魔してくるであろうが私も遠くからサポートさせてもらう。ラウラならきっと大丈夫だろう。というわけでアジトの場所をマップアプリに登録させてもらう」》
「それ流行っているのか?」
《「なんのことだ?…ああ、先に地図に登録した者がいたのか。できればこちらを優先してもらいたい。ボスを倒すたびにたんまりと報酬を差し上げよう」》
「もらえるもんはありがたくもらうとするよ」
《「ラウラ……あなたの活躍を楽しみにしているよ」》
そう言って電話は切れた。スター団に喧嘩売るか、なんだろう……すごい慣れている気がする。まあ湖を爆弾で干上がらせる様な危険な集団じゃないしな。そう思いながらスマホロトムをポケットにしまって校舎に入ろうとすると、クラベル校長がやってきた。
「どうもラウラさん。サニアが迷惑をかけたようで、申し訳ありません。それはそうと校内でのスマホ通話はいいですが、もう少し小さな声でお願いしますね」
「あ、はい。気を付けます」
「大切な個人情報が聞かれてしまうと大変ですよ。では」
…今の聞こえていたのに注意はしないのか。どうしたんだろうクラベル校長。
「…うーん」
授業も終わり、自分の寮の部屋のベッドの上でスマホロトムのマップアプリを眺める。ジム、ヌシポケモン、スター団。……………多すぎない?
「全部でひーふーみー……18とかえぐいだろ」
安請け合いしすぎたか。でもジムは蟲ポケモンの強さを知らしめるために必須だし、ヌシポケモンはカレーに合いそうな秘伝スパイスのために行きたいし、スター団は個人的にぶっとばしたい。
「…順路どうするかねえ」
個人的にむしタイプジムリーダーがいる西から回りたい。で、チャンプルタウンとその傍の偽龍のヌシまで行ったら一度テーブルシティに戻って東を目指す感じかなあ。
「…テレビでも見るか」
上半身を起こし、スマホロトムをテレビアプリに切り替える。面白そうなのは……うん?
「…ガラル」
ガラル特集だそうだ。チャンピオンに関する話題を纏めているらしい。確か前に聞いた話だと、ガラルのチャンピオンは俺と同い年くらいだとネモが言っていたか。
《「次は、ガラルで起きたムゲンダイナによるブラックナイト事件を……」》
「…ふああ。眠い……今日はもう休むか」
見ていたら欠伸が出たのでスマホロトムの電源を消して再びベッドに横たわる。今日は疲れた。寝る。
それから数日後。課外授業の宝探しの日がやってきた。グラウンドに集まり、クラベル校長の説明を聞く俺達。
「――――――何処へ行き、誰と出会い、何を成すのか。それぞれがそれぞれのポケモンたちと共に歩き、共に考え、共に感じ……自分だけの宝物を見つけて帰ってきてください!」
「俺の宝物……」
やっぱりまずは記憶かね。蟲ポケモンとの思い出も、かな。それから、受け損なっていた授業を受けてから外に出ると、アイアールとネモとペパーとコライドンが集まって何やら話していた。
「あっ、ラウラ!ねえ聞いてよ、ペパーったらアイアールに変なことを…」
「変なことってなんだよ!?ラウラと同じように力を貸してくれって頼んでるだけだろ!?選ぶのはアイアール本人だ!」
「アイアールもラウラも私と一緒にジム巡りするの!」
「え、えっと……」
言い争いするネモとペパー。おろおろするアイアールと「あぎゃあ」と吠えるだけのコライドン。カオスだなおい。するとアイアールは俺と目が遭って何か思いついたようで腕を掴んで引き寄せてきた。
「わ、私!ラウラと一緒にいくね!」
「え」
「ラウラとなら私も…!」
「お、俺も!」
「じゃあ私達行くから!じゃあね二人とも!ほらほら乗って、ラウラ!」
「おわああ!?」
そのままコライドンに乗せられ、まるで乗り物の様にコライドンに乗り込んだアイアールの後ろに乗って駆け出すコライドンに乗せられてしまうことになった。
「ラウラ、どっちに行く!?」
「に、西!ってちょっと待て降ろせ!?」
「テーブルシティから出たらね!」
そのまま西門に直行し、テーブルシティから出て行くアイアール。投げ出されても困るので必死に掴まっているとようやく止まってくれた。
「ふう。ごめんね、困ってたところに来たから……でも一緒に旅しようってのはほんとだよ?」
「お前なあ…じゃあ俺はこれで」
「一人旅不安だから一緒に行こうよ!ラウラのカレーも食べたいし!」
俺の服の裾を掴んでそう言ってくるアイアールに、俺は溜め息を吐いた。
「……じゃあ、俺のマメバッタと一対一で戦って勝てたらいいぞ」
「ほんと!?いくよ、ホゲータ!」
「いきなりだな!?マメバッタ!」
提案するなり相棒を繰り出してくるアイアール。この娘も大概あれだな。脳筋だ。
「ひのこ!」
「当たるか!こうそくいどうで懐に入ってにどげり!」
ホゲータの放った火の粉を高速移動で避けて、懐に入り込んだマメバッタは後ろ蹴り二連撃を顎に叩き込んで打ち上げる。悪いが加減はできないぞ。
「ホゲータ、空中から連続でひのこ!ばら撒いて!」
「なに…!?」
するとアイアールは空中のホゲータに何度も火の粉を吐かせてフィールドを炎上させてマメバッタの逃げ場を失くしてきやがった。なんだろう、懐かしい気分だ。
「落ちてきたところにフェイント!」
「ほのおのキバ!」
そして急降下してきたホゲータとマメバッタが激突。マメバッタは崩れ落ち、戦闘不能となってしまう。
「やったー!一緒に旅しようね!」
「ああ、しょうがないな。とりあえず
「そうだね。じゃあ川沿いかな?」
こうして俺達の二人旅は始まった。コライドンという足がいるのは正直ありがたいかな。揺れが凄いけど。
というわけで原作主人公のアイアールと一緒にコライドンで旅します。少なくとも4人は乗れるはず。
スターダスト★ストリートは原作と異なりラウラだけが参戦します。トレーナーなり立てよりも実力のあって因縁ある人の方がいいとカシオペアは判断しました。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ウカ以外のラウラの手持ちにもニックネームは…
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つける
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つけない