今回はシュウメイの忍法が炸裂。楽しんでいただけると幸いです。
「ブロロローム!アイアンヘッド!」
「レクス、じごくづき!」
ブロロロームの空中を駆け抜けて加速した鋼の頭突きと、その場で左足を軸に一回転して遠心力を加えたレクスの右足による回し蹴りが激突。鬩ぎあいにはレクスが勝利し、ブロロロームを大きく蹴り飛ばす。
「こうそくいどうで追いかけろ!」
「じならしでござる!」
こうそくいどうで追いかけて追撃せんとするも、地面に着地してタイヤを回して大地を揺らしたブロロロームのじならしで体勢を崩され、ギャリギャリギャリとドリフトしてきたブロロロームの車体の側面をぶつけられて転倒するレクス。
「ヘドロこうげき!」
「じごくづきで大地を蹴れ!」
放たれた毒の塊を、大地を蹴り砕いてその破片で防ぎつつ立ち上がるレクス。
「触れずに毒を掻き消すとは本当に食えないでござるな!」
「掠りでもすればどくるんだろ?つまりそうなるように鍛えてるってことだ」
状態異常は重ねがけされる。既に猛毒状態のレクスだが、通常のどくも重ねがけされて一気に体力をごりっと減らされるのは避けたい。食えない奴はお前だよ、シュウメイ。
「ご明察でござる!ヘドロこうげきに続いてダメおし!」
「にどげりで大地を砕いてから、迎え撃て!」
「ボス、楽しそう…」
そんなスター団したっぱの声が聞こえたとおり、生き生きと指示するシュウメイにこちらも笑みが浮かぶ。毒の塊を放ちながら突撃してくるブロロロームに対し、地面を蹴り飛ばして土で毒の塊を撃ち落としつつ、石のタイヤの一撃を脚で受け止め蹴り弾くレクス。もうそろそろ猛毒で体力が尽きそうだ。次で決めないと。
「次で決めるぞ!こうそくいどう、とびかかる!」
「受けて立つ!アイアンヘッドでござる!」
大地を蹴り、真っ直ぐ跳躍しながら飛び蹴りを叩き込むレクスと、タイヤを回転させて大地を爆走し体当たりするブロロロームが激突。双方弾かれて力なく崩れ落ちる。ダブルノックアウトかよ。
「やるでござるなラウラ殿!」
「お前もな、シュウメイ!」
それぞれボールに戻しつつ、ネットボールとボール手裏剣を構える。ということはあいつか。恐らくはシュウメイの相棒。
「我が忍法、ベトベ
「ジャック、出番だ!」
繰り出されたベトベトンとジャックが睨み合い、俺とシュウメイも無言で気を窺う。先に動いたのはシュウメイだ。
「忍法、毒津波の術!」
「れんぞくぎりで防げ!」
放って来たのは恐らく、ヘドロウェーブ。自身の身体から染みだした猛毒の液体を津波にして放って来たベトベトンの攻撃を、連続で空を斬り裂いてまるで斬撃のドームを作るように迎撃する。それを見て脳裏でひらめくものがあった。
「
「なんと、これは斬撃と素早さを合致させた刃の
「どろかけか…!?」
すると地面に触れて削り取るように飛ばしてきた泥で土煙を起こして煙幕で姿を隠すベトベトン。まさに、忍ぶ術か!
「変幻自在の動きについてこれるでござるか?!ベトベ
「ジャック、その場でがんせきアックスだ!」
煙幕で姿が見えないベトベトンにシュウメイが指示したのは恐らくとける。あの時見せた流動体になる術だろう。つまり足元から溶けて攻撃してくるはずだ。がんせきアックスでステルスロックをばら撒きながら衝撃波で吹き飛ばす。
「甘いでござるよ!我がベトベトン、素早さを特に鍛えている故!」
「なんだと!?」
すると流動体となったベトベトンはいつの間にかがんせきアックスの範囲外に離れていて、一瞬の間にジャックに纏わりついて締め上げ始めた。なんて奴だ…!?
「ゼロ距離ならば外しようがあるまい!ダストをシュートする術!」
「それ他に忍法なかったのか!?」
ツッコミながらも零距離でゴミの塊を握って振りかぶられた右手がジャックの頭部に叩きつけられ、目を回してベトベトンの中で崩れ落ちるジャック。…やられた。
「どうでござるか?我とベトベトンの息の合った忍術コンビネーション!」
「恐れ入るよ。だがな、手の内を全部晒したのは悪手だぞ?」
そう言って俺が繰り出したのはケプリベ。エスパータイプを持つこいつは今回の切札だ。さいきのいのりもあるからまだまだいける。
「例え相性が悪かろうと!毒津波の術でござる!」
「むしのさざめき」
放たれたヘドロウェーブを、衝撃波で散らして吹き飛ばしつつダメージを与える。
「生憎と、こいつの防御は鉄壁だ」
「ならば!ダストをシュートする術!」
「じんつうりき。返してやれ」
投げつけてきたゴミの塊を念動力で固めて、念の塊として返して大ダメージを与える。エスパータイプは技の自由度が高くていいな。
「煙幕の術、ベトベ
「じんつうりきで一滴残らず持ち上げろ!」
また煙幕で姿を隠しつつ隠れて攻撃しようと試みるベトベトンを、念動力で溶けているベトベトンを一滴残らず空中で持ち上げて磔にする。俺は上機嫌にステップを踏んで天を仰ぐ。ああ、お前は最高だケプリベ!
「なんと!?」
「タイプ相性ってのはそう簡単に覆せないんだよ!たたきつけろ!」
そして勢いよく地面に叩き付け、ベトベトンはぺちゃんこに潰れて目を回し戦闘不能となった。
「ベラカスがいたのは知っていたが予想以上でござった…!だがしかしここまででござる!」
▽シュウメイは ブロロロームを くりだした!
「問題はそいつだな…」
咆哮を上げるシー・スターモービル。さすがにじんつうりきであの質量を操るのはちょっと難しい。海やベトベトンみたいな液状ならいけるんだが、最重量級のポケモンはどうしようもないのがケプリぺの弱点だ。
「普通にダメージを与えるか!じんつうりき!」
「ポイズンアクセルでござる!」
毒を纏った車輪で体当たりしてくるシー・スターモービルにじんつうりきでダメージを与えるもまるで通じず跳ね飛ばされ宙を舞うケプリベ。不味い、あのままじゃ直撃コースだ。しかもあれ、毒もらってるな。最悪だ、結構あるケプリベの耐久力もほとんど意味がない!
「むしのさざめきで落下速度を落とせ!」
「遅いでござるよ!ホイールスピン!」
さらにその巨体をドリフトさせ、落ちてくるのを待ってからぶつけてきたシー・スターモービルの車体に、あっけなく吹き飛ばされたケプリベは地面をバウンドする。まだ健在か、よかった。
「ニトロチャージ!」
「……速いな今畜生」
安堵した瞬間、炎を纏った車体に轢き飛ばされ崩れ落ちるケプリベ。それはずるいて。
「我の勝ちでござるな!」
「…それはどうかな?」
「なにゆえでござるか?4VS4の真剣勝負、道具もなし。さいきのいのりを持つベラカスと言えど使えなければ……まさか!」
勝ち誇るシュウメイに、ネットボールを構えてボタンを押す。出てきたのはレクスだ。同時にテラスタルオーブを取り出して輝かせる。
「出た!ラウラの、指示歩法!」
「馬鹿な、指示もなく使っていたでござるか…!?」
「お前の忍術と同じだよ。テラスタル。行くぞ!」
むしテラスタルし、跳躍するレクス。体勢を整えてシュウメイの乗るシー・スターモービルに狙いを定め、急降下して飛び蹴りを叩き込む。
「とびかかるだ!」
「ポイズン食らわば皿まで!シュウメイ、この命最期まで!ポイズンアクセルでござる!」
そして激突。正面からぶつかったレクスとシー・スターモービルは鬩ぎ合う。体格差は如何せんがまだだ。
「そのまま、こうそくいどう!にどげり!じごくづき!」
「なんと!?」
レクスは加速。鬩ぎ合っている右脚はそのまま左足の蹴りを叩き込み、その反動で離れた右脚で再度鋭い蹴りを叩き込んで、レクスの脚のバネが爆発したかのような衝撃波と共に、シー・スターモービルを蹴り飛ばした。
「……さすがはラウラ殿の相棒。四つの技の重ねがけとはなんという……いや、言い訳にしては駄目でござるな。みんな、すまぬ!だが、恨み辛みも浮かばぬほど気持ちのいいあざやかな完敗でござった!」
シー・スターモービルが吹き飛ぶ前に跳躍して飛び降り、腕組み直立しながら笑みを浮かべるシュウメイ。満足した様で何よりだよ。
「全身全霊にて修練を積んだでござるが……真の強者には抗えぬが定め。定めは掟……これを受け取るでござる」
そう言ってシュウメイの手渡してきたダンバッジを受け取る。よし、これで三人目だ。
「掟、か。…なあシュウメイ。お前はボスではなくなったがまだスター団だよな?」
「そうでござるが…?」
「なら、頼みがある。俺をスター団に入れてくれ」
そう、アイアールやネルケ達に聞こえない様に伝えると目を丸くして驚くシュウメイ。悪いな、頼むよダチ公。
もはや定番になってきたケプリベ戦法。初見の相手には通じるのだけどね…動画が拡散されてるからほとんどの人にばれてるっていうね。
使える技四つ全ての重ねがけでスターモービルを撃破。割とトンデモ技術です。そして最後のはあることをすると…?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。