ポケットモンスター蟲スカーレット   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。前回の最後のぼかしはあまり通用してなかったみたいですね。

今回はバトル無しの会話回。前回のラウラの真意とは…?楽しんでいただけると幸いです。


VSベトベトンⅡ

「なら、頼みがある。俺をスター団に入れてくれ」

 

 

 そう小声で言うと驚いたシュウメイに連れられて、アイアールたちと離れて人気(ひとけ)のない隅っこまで離れ、シュウメイは人目を気にしながら問いかけてくる。一応げんきのかけらで復活したベトベトンでドームを作って外界から遮断してくれた。ありがたい。

 

 

「…正気でござるか?確かに、掟ではユーであっても入ることは可能でござる。だがブルーフレア団に近づくためとはいえ我等のようなアウトローに入るのは……」

 

「それだけじゃないんだ。……俺が参加しているスターダスト大作戦。これは、カシオペアって奴が発案で俺がボス全員を倒してボスをいなくさせることでスター団を瓦解させる作戦だ」

 

「なんと……カシオペアとは何者か」

 

「それで俺をスター団に入れてくれってのに繋がる。俺はこのままカシオペアの思惑通りにさせたら、ボスを失ったスター団のしたっぱたちがブルーフレア団に鞍替えするんじゃないかと危惧している。そうなるとブルーフレア団の思うつぼだ。だが、俺が手加減して残るチーム・ルクバーのボスとビワに負けたとしても、恐らくカシオペアはアイアールもしくはネモを使ってでもスターダスト大作戦を完遂するだろう。なら俺が全員倒した方がいい」

 

 

 恐らくカシオペアはブルーフレア団がそこまで根強くスター団に侵食しているとは気付いてない。かといってそれを伝えた所で止まることはないだろうと想像がつく。何故ならカシオペアは…いや、確証もないことを言ってもしょうがないか。

 

 

「だが、「ボスは売られた喧嘩は必ず買わなくてはならない」「ボスが挑戦者に敗れた場合、ボスの座を引退しなければならない」そういう掟がある故、ブルーフレア団に飲まれるのも運命(さだめ)でござる……」

 

「そうはいくかよ。お前はもうダチだ。ダチが困ってるなら助けるのがダチだろうがよ。簡単な話だ。ボスがいなくなって統制がとれなくなるならボスが増えればいい」

 

「ユー、まさか……」

 

「スター団むし組。…チーム名はカストゥラってのはどうだ?」

 

 

 これはスター団の元ボスの協力が無いと決して為し得ない。だからシュウメイにこの話を持ちかけた。

 

 

「…ユーは既にボスの証であるダンバッジを三つ持っている猛者。恐らくすべて集めて、賛同者がスター団全体の過半数がいれば、恐らく可能でござる。…だが本来ならば我らがやらればならぬこと。ラウラ殿の力を借りる訳には……」

 

「俺もお前らの仲間になりたいんだ。それじゃ駄目か?」

 

「…負けたでござるよ。我も協力するでござる。…これからよろしく頼むでござるよ、ボス」

 

 

 そう言って片膝を付き跪くシュウメイ。話は聞こえてなかったが様子を窺っていたであろう周りがどよめく。目立つからやめろって。

 

 

「え?いや、お前まで入らなくてもいいんだぞ?それにお前らにはマジボスが…」

 

「無論、マジボス殿が戻るまででござる。それに、元ボスが所属していた方が説得力もあるというもの。それとも、我では不足でござるか?」

 

「…いや、そんなことない。こちらこそよろしく頼むよ、シュウメイ。…あと二人に勝つまではブルーフレア団について調べて欲しいけど…」

 

「心得た。忍者オタクの力を見せてくれよう」

 

「話は終わったか?」

 

 

 立ち上がって頷いたシュウメイと友情の証を交わしていると、いつの間にかベトベトンが気を利かしてかドームを解いていて。俺達を尊重してか離れてネルケが問いかけてきた。その傍にはうずうずしているアイアールと、シュウメイに会いたがってた少年、ヒロノブが。あ、忘れてた。

 

 

「盛り上がっているところ悪いがシュウメイ。どうしてもアンタに会いて直接話がしたいって奴がいてな」

 

「シュウメイ殿!」

 

「ど、同胞?気付かなかったでござる…」

 

「シュウメイ殿、聞いて!ちょっとだけでいいんだ!」

 

「……何故(なにゆえ)ここに?ユーはオレンジアカデミーで平穏無事な学生生活を送っているはず…」

 

「同胞を助けたくて!このまま不登校が続けばシュウメイ殿は退学処分なんでしょ…?いじめられっ子だった僕たちが今、学校に通えているのはスター団が頑張ってくれたあの大作戦のおかげ!そんな人たちが退学なんて僕、嫌なんだ!」

 

「……すまぬな。ボスで無くなったとはいえ不登校をやめる気はないでござる」

 

「まだマジボスって人に連絡は付かないの…?」

 

「うむ。あの日以来……マジボス殿がいなければ団はなく……団が無ければウキウキアカデミーライフはなし!マジボス殿がご帰還されるまで我等はアジトを守り続ける他なし!……団員たちも蒼き炎の手から守らなくてはいけないでござる」

 

「うきうきあかでみーらいふ?」

 

 

 アイアールが首をかしげる。気持ちは分かるが黙ってような?

 

 

「アンタたちがそこまで信頼しているマジボスってのは一体誰なんだ?」

 

「我らが実際にマジボス殿とお会いしたことはない、電話やメールのやりとりだけでござる。本人曰くひきこもりとのこと……我ら同様いじめが発端らしいが……」

 

「かわいそう……」

 

 

 ……電話やメールのやり取りだけ、ね。やっぱりお前がマジボスなのか、カシオペア……ならなおさら、俺がスター団に入るしかないな。多分このままスターダスト大作戦を完遂するのだけは駄目だ。

 

 

真名(しんめい)も姿も知らぬが我らの(ともがら)に変わりはない。我らはただマジボス殿のカムバックをアジトで待つのみぞ!」

 

「だからシュウメイ殿は学校に行かないんだね……でも忘れないで!シュウメイ殿にはスター団以外にもラウラ殿やアイアール殿、それに僕って言う同胞がいるんだって!」

 

「その通りだな」

 

「うん、私達も友達だよ!」

 

「同胞……ラウラ殿、アイアール殿……かたじけない。フッ……スター団のみが至宝と信じてきたが…誤りだったのやもしれぬな」

 

 

 感動したように目を伏せるシュウメイ。するとネルケが眼鏡を押さえて何か考え事をしている様だった。

 

 

「いじめ……不登校……また一歩、真相に近づいたな…いや、そんなことよりも……生徒たちが抱いている問題や……行動理由……そして、大事な絆……全く関知できていなかった自分が恥ずかしいです。ところでラウラさん、彼と何を?」

 

「うん?ああ、内緒話だ。それより校長が出てるぞネルケ」

 

「おや、失敬」

 

 

 そうして俺はシュウメイとスマホロトムの番号を登録しあい、アイアールと共にスター団どく組のアジトを後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ロトロトロトロト……》

 

「ラウラ、電話」

 

「カシオペアだな」

 

 

 しるしの木立ちを歩いているとかかってきたスマホロトムの通話を繋ぐと、機械で変声した声が聞こえてきた。

 

 

《「……ラウラ。シュウメイからボスの証、ダンバッジをもらったようだな」》

 

「おう。これで三つ目だ」

 

《「たしかに。これでボスがいなくなったチーム・シーは壊滅するだろう。シュウメイ……すまない、いろいろと思うことがあってな。これで残るアジトは2か所……スターダスト大作戦は順調だな」》

 

「ところで聞きたいんだが、この間襲われたチーム・カーフのボス、ビワはブルーフレア団の用心棒だと言っていた。スター団の一部がブルーフレア団に鞍替えしているという話を聞いたがお前は知っているのか?」

 

《「……知っている。これ以上ブルーフレア団に好き勝手させないためにもこのスターダスト大作戦は完遂しなければならない」》

 

「本当に、スターダスト大作戦を完遂すればすべては解決するのか?」

 

《「そのはずだ。…あなたがこの作戦に疑惑を抱き始めたのは理解した。ラウラにはこの作戦の最終目的を伝えておきたい」》

 

「アイアールもいるがいいのか?」

 

《「ラウラが負けたらアイアールに頼もうと思っていた。あなたも参加してくれるか?アイアール」》

 

 

 やっぱりそうか。元々あの日、スター団を容赦なく蹴散らす俺の映像を見て俺にこの話を持ちかけたんだもんな。あの日、別の場所でスター団を蹴散らしていたアイアールも候補に挙がるのは当然だ。

 

 

「うん、私にできる事なら」

 

《「嬉しい返事をありがとう。スターダスト大作戦の最終目的……それは、5人のボスを集めてスター団を作った真の黒幕……マジボスを倒すことだ」》

 

「…へえ?」

 

「マジボスって人を?」

 

《「君達二人は知っているようだな。5人のボスを率いる謎の人物、マジボスと呼ばれていること以外、その正体は一切不明だ……奴を倒し、解散を宣言させればスター団は完璧に終わる。目立つことを嫌うマジボスはアジトも持たず正体を隠している。だがボスが全員引退すれば表舞台に現れるはずだ、間違いない」》

 

 

 ………ああ、なんとなく読めてきた。このカシオペアを名乗る人間がなにをしたいのか。

 

 

《「約束の報酬だ。スマホロトムにLPをチャージしておこう。今回は7000LPだ。ラウラ、あなたには感謝している。これからも助力を願いたい。…まもなく補給班も着くだろう」》

 

「う、うーっす……ラウラ。それにアイアール、うちのこと…覚えてる?」

 

「もふもふのイーブイバッグの子!あなたもスターダスト大作戦に参加してたんだ!」

 

 

 カシオペアの通話が切れると同時に、ボタンが歩いてやってきた。アイアールが覚えていることを聞くと嬉しそうにはにかむ。そういやスター団に絡まれていたボタンをアイアールが助けたんだったな。

 

 

「え、えと……なんか深刻な話してた?」

 

「アギャッス!」

 

「「「!?」」」

 

 

 するといきなりコライドンが出てきて、ボタンを見つめて首を傾げる。いきなりどうしたんだ?

 

 

「え?え?な、なに?あぁああああああ!?」

 

「ストップ!コライドン、すとーっぷ!?」

 

 

 ボタンにのしかかり、ペロペロとボタンを舐めまわすコライドン。アイアールが必死に尻尾を引っ張って止めようとしているがまるで気にしてない。ええと……ご愁傷様?

 

 

「く、黒幕の存在……カシオペアからうちも聞いたよ。スター団の創始者、諸悪の根源……そいつを倒さないとうちの宝も失われちゃう……」

 

「? ボタンの宝って?」

 

「あ、いや、その……えと…これ、報酬!忘れないうちにね、ん!」

 

 

 ベトベトの身体を拭きながら袋を渡してくるボタン。いやあの、触りたくないんですけど…いやもらうけどさ。

 

 

「じゃ、渡したから。………ラウラ。負けないでね」

 

「おう。俺は負けないよ。カシオペア」

 

「うん。…えっ!?いやいや、うちはカシオペアじゃないし!?じゃ、じゃね!」

 

 

 そう言ってボタンは慌てて走り去っていった。……やっぱり、そういうことだよなあ。シュウメイ、頼んだぞ。




スター団むし組チーム・カストゥラのボス、ラウラ爆誕?いつぞやに書いた気がしますが最初、ラウラをスター団にいれようとしていたのをそのまま流用してみました。その目的はスター団の瓦解を阻止する事。はたして認められるのだろうか。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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