今回はチーム・ルクバーにカチコミ。楽しんでいただけると幸いです。
ラウラが厄災の剣と戦っていた頃、スター団フェアリー組チーム・ルクバーのアジト最奥にて。
「話の分からないガキンチョですわねえ!だーかーらー!ブルーフレア団に与しさえすれば幹部であるこのわたくしがラウラを倒してやるって言ってるんですわ!スター団の体裁は守りながら、ブルーフレア団の庇護下に入る!何も悪い話じゃないでしょう!もう二人のボスに賛同してもらってますわ!」
「馬鹿なのか!?あいつらがそんな賛同するわけがあるか!」
「そんな馬鹿なことがあったのですわ!」
言い合いするのはピンクを基調とした高貴な雰囲気の衣装を身に着けた桃色の髪の、黄金のモンスターボールを模った杖を手にした如何にもなお坊ちゃまな少年、オルティガと、銀髪をパーティアレンジに纏めシックな紺色のワンピースを身に纏い「celebrity」と書かれている扇子で口元を隠した青いV字サングラスの少女、グロリアが怒鳴り合っていた。突如空から舞い降りたグロリアからいきなり持ちかけられた「ブルーフレア団の傘下に入れ」という要求にオルティガが突っぱねている光景だ。
「じゃあどいつだよ、そんな…スター団の裏切者は!」
「証拠ならありますわよ。ビワさんと――――」
そう言って何かの書類のコピーをどこからか取り出し突きつけるグロリア。それを疑惑に満ちた目で確認し、目を見開くオルティガ。
「そんな……この二人が、お前たちに与したって言うのか…!どんな汚い手を使ったんだよ!」
「失敬な。我らがボスが懇切丁寧に説得したのですわ」
「じゃあそのボスとやらが来いよ!幹部程度がスター団ボスである俺達と交渉できると思うなよ!」
「本当に聞き分けのないクソガキですわね…」
「例え俺以外のみんなが与したところで俺はお前たちに与したりなんかしない!それに、ラウラとか言う奴だってこの俺がボコボコにしてやるからお前なんか必要ないね!」
「ラウラを嘗めてますの?貴方程度に勝てるわけがないでしょう。ラウラに勝てるのは何処の世だろうとただ一人、わたくしだけですわ」
激昂するオルティガと対照的に静かに怒るグロリア。交渉は平行線どころか決裂しようとしていたその時、サングラスの弦の部分に付けられた通信機がピーピーピー!と小さく音を鳴らし、ハッと我に返り弄るグロリア。
「…なるほど、やはり
「どっちでもいいよ」
「ではいい知らせから。有言実行する機会が早くも来ましたわよ。そして悪い知らせは、ラウラが来ましたわ。お手並み拝見と行かせてもらいますわね?」
「っ…いいじゃん、俺が勝つからせいぜい余裕かましてろよ!」
不敵に笑むオルティガに、不機嫌そうにアーマーガアを繰り出して背に乗り、空に飛び立つグロリア。そこに、ラウラが門前にやってきたのだった。
《ロトロトロトロト……「こちらカシオペア。ラウラ、聞こえるか?」》
バリケードの中に入って行くしたっぱを見送っていると電話がかかってきたので繋げると、カシオペアの変声機で変えた声が聞こえてきた。
「ああ。なんかオルティガの執事がいたからブッ飛ばしたぞ」
《「イヌガヤか。彼を倒すとはさすがだ。そのアジトの主はスター団フェアリー組……チーム・ルクバー。ボスのオルティガはスター団メカニック担当。ボスの中では最年少だが贔屓目無しでもボスの中では二番目に強いと腕は確かだ。侮るなよ」》
「一番はビワのことか」
《「そうだ。ボスは全員ビワからバトルを学んでいる、彼女の強さは別格だ」》
「だろうな」
コノヨザルもやばかったしなんなら本人も強かった。あれに勝てるかどうかは正直わからない。
《「オルティガはビワに次ぐ実力と才能の持ち主だが、彼は基本的に自分より他人に行動させる司令官気質。だが少しプッツンしやすく、怒るとボス自ら戦地へと乗り込んでくるだろう。つまりいつも通りに暴れれば大丈夫だ。準備ができたらゴングを鳴らして思う存分チーム・ルクバーにカチこんでくれ」》
「いいね、わかりやすい。派手に行くぞ!ぼむん!」
通話を切るなり、ぼむんを繰り出して背に乗り体勢を低く構え、エクスレッグヘルメットを被る。機嫌が悪いんだ、八つ当たりさせてもらおうか。溜め息を吐きながらついてくるネルケはこの際気にしない。
「ヘビーボンバー!」
俺を乗せたまま全体重を乗せた体当たりしてぶちかまし、バリケードを破壊して吹き飛んだゴングを鳴り響かせる。一応ルールは守ってぼむんの他にジャックとレインを引き連れ中に入ると、星形や青いサングラスを身に着けたしたっぱたちの一団と、マリル、ミミッキュ、バウッツェル、ベロバー、プリン、マリルリ、フラージェス、カヌチャン、キルリア、プクリン、パピモッチ、ナカヌチャン、オーロンゲ、サーナイトといったフェアリータイプのポケモンたちが待ち構えていた。
《ピィィー!ガガ…!「緊急事態!エマンジェーシー!チーム・ルクバー!スターダスト大作戦のギャラドスが如き悪名高きラウラ発見!ラウラ発見ッッッッ!!ただちに体勢を整え、ボスをお守りするのだー!」》
どこからか聞こえてくる派手なBGMをバックに突撃してくるしたっぱとそのポケモンたち。見る限り半分ぐらいブルーフレア団に鞍替えしてるな。エスプリの実験台にされているかもって知らないのか?まあいいや。
「ネルケは入り口で待っていてくれ。ぼむん、まきびし!ジャック、つるぎのまいで蹴散らせ!レインはエアカッターで怯ませろ!」
ぼむんがまきびしをばら撒いて動きを制限し、遅くなったところにつるぎのまいが炸裂。その隙を突こうとした奴等もエアカッターで怯ませる。完璧な防御陣だ。飛んで火に入る夏の蟲。次から次へと飛び込んできては切り刻まれていく。
「台風でも襲って来たってのかー!?」
「おーたーすーけー!?」
「俺のサーナイトー!?」
「卑怯だぞ!まともに戦え!」
「だったら一対一で来やがれ!相手してやるぞ!」
数で襲って来てる奴等がなに言ってるんだと怒鳴ってみたらしーんとなるしたっぱたち。そんな勇気もないなら人を卑怯者呼ばわりするんじゃねえ。
「守りきれませんでした……そろそろボスの出番です!」
するとしたっぱたちが引いて行くと同時に奥のテントが開いて他のチームのとはカラーリングや細部の形状が違う、ちりばめられたハートなど妖精を思わせるピンクを基調としたカラーリングのスターモービルが顔を出す。その上に乗るのは、ピンクを基調とした高貴な雰囲気の衣装を身に着けた桃色の髪の、黄金のモンスターボールを模った杖を手にした如何にもなお坊ちゃまな少年。こいつがオルティガか。なんというか…不敵な笑顔といいあざといな。エクスレッグヘルメットを外して対峙すると、値踏みする様に睨み付けてきた。
「へー……ふーん……お前がラウラなんだ……素材の良さを全然活かせてない時点で程度が知れてるね!あいつが言うだけの奴かと思ったら期待外れだ!」
「こっちも期待外れだよ。スター団ボスで二番目に強いとかいうから期待したらこんなよわっちそうな奴が出てくるとはな?」
「お前にだけは言われたくないよ、チビめ。ショージキ予想外だよ、もっとゴツいの期待したのに。他のボスに勝てたのもただのまぐれなんだろ?ま!誰でもいいんだけどさ。俺が負けるとか無いし」
「ボスで二番目なのにか?」
「…………ぐうっ」
ぐうの音しか出ないってか。舌戦が得意なんだろうが屁理屈なら負けないぞ。すると図星なのか憤慨してゴージャスボールを取り出すオルティガ。俺もネットボールを構える。
「ふ、ふん!フェアリータイプのかわいくないとこ、じっくり体験して行けばいいんだ!」
「だったら俺は蟲タイプの恐ろしさ、見せてやるよ」
▽スター団フェアリー組の オルティガが 勝負を しかけてきた!
暗躍するグロリア。彼女が語ったビワ(厳密には本人に裏切ったつもりはない)に続く裏切り者とは…?
実は舌戦も強いラウラ。オルティガに完勝。むしタイプに不利なフェアリータイプ相手にどう立ち回るのか。
次回で通算百話だけど、設定回は除くので100話記念回は次々回にしようと思います。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。