貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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……あれ今回で100話?

早くね?


100話

『さあフェブラリーステークス今―――スタートしました!!』

 

遂に始まった14万人の大観衆が見守るフェブラリーステークス。何故、この日にダービー並みの人数が集まったのか。それはメジロランページの大偉業、G17勝、そして芝ダートのG1制覇が掛っているからという訳ではない。元々ダートでもこれだけの人気を出せるだけのポテンシャルがあった。ダートにスターウマ娘が生まれなかったが為に、芝よりも低く見られていた。しかし、実際はこうだ。

 

「レディセイバー!!独裁者を打ち滅ぼす剣となれ~!!」

「ダイナ~!!超特急の力見せてやれ~!!」

「イーグル~!!気合いだぁ~!!!」

 

メジロランページという活躍をし、ダートでもその力を発揮出来るウマ娘ではなく元々ダートで活躍していたウマ娘を応援する声がかなり大きい事に元々、芝ばかりを見ていたファンや元々ランページファンは驚いてしまった。ランページのダート参戦はダート再生のカンフル剤になるなどと言っている専門家もいるが、そんな事は世迷言に過ぎないのだ。ダートを愛するウマ娘達を愛するファンがこれだけいる、彼らが再生ではない―――覚醒だ。

 

『さあ最初からどんどん前へと出て行くのは―――おっとっメジロランページよりも前に出ているウマ娘がいるぞ!!東海ステークスでのリベンジに燃える超特急、アメイジングダイナ!!そして砂塵の騎士のレディセイバー、そしてメジロランページが内から行きます。そしてその背後には砂の大鷲、ナリタイーグルが続きます』

 

好スタートを切った、切ったはいいがそれは他も同じ。全員が完璧なスタートをしたと言っても良い程の瞬間、美しい横並び、波が砂浜へと押し寄せるのを彷彿とされる光景のままレースが進んでいく。先頭にダイナとセイバー、そしてランページという形がその直ぐ傍にもウマ娘がいる。全員が逃げを選択していると行っていい程の一塊でのレース展開。

 

『先頭にはアメイジングダイナ、そしてレディセイバー、メジロランページは今三番手。大逃げの名手と共に駆けあがっていきますがこの二人はそのペースに合わせる事が出来るのか!?』

 

「合わせて来たか……!!」

「1600であるならば、貴方のペースに合わせる事は出来る!」

「超特急の名は伊達じゃないところ、見せてあげるわ!!」

 

初めてというべきかもしれない状況だった、自分が先頭に立ってペースを作るのが基本。だが今回ばかりは全員が同じ大逃げを打っているも同じ状況、全員が自分には負けないという強い意地と夢を掴む為に全力で駆けている、かといっても自分をマークしているという訳ではなく他のウマ娘との競り合いを行っている。

 

『此処でメジロランページが伸びて来るが、それと同時にアメイジングダイナとレディセイバーも上がっていきます!!そして後方も同時に上がる!!なんという超ハイペースでしょうか!?』

 

ダートを愛するウマ娘達の意地と夢が、普通ならば絶対に勝負出来ないであろうトリプルティアラを抑え込む。その熱意にランページは飛び出す事が出来ない。

 

『さあ間もなく1000mを越える所、メジロランページは未だ三番手!!流石のターフの独裁者もダートの経験が違い過ぎて前に出られないか!?後方からはハピネスレコード、シルバーバレットが上がって来るぞ!!此処でナリタイーグルも更にペースを上げます!!フェブラリーステークスを取るのは一体誰なんださあ遂にラストの直線に入るぞぉ!!』

 

「セイバーそのまま行けぇぇ!!」

「ダイナ、ダイナ、ダイナ~!!!」

「イーグルゥ~はばたけぇ~!!!」

 

スタンドからの応援が木霊する、芝とは違った気迫と魂の籠った応援が飛んでくる。力強く、心からの熱い物をそのまま応援に転化しているようだ。凄まじい物だ、ダートに掛ける想いというのは……そして自分のウチを突いて駆け抜けていくナリタイーグル、その軌跡が見えた瞬間に光が差した。

 

「っ―――!!此処だ、此処しか、ねぇ!!!」

 

見えた、一瞬の勝機!!此処を突けなければ自分の敗北は濃厚になっていく、此処からが勝負!!

 

『さあ内からナリタイーグルがやって、来たがその背後から、背後からメジロランページが伸びて来たぁ!!!前を行くアメイジングダイナとレディセイバーを避けるかのようにナリタイーグルの更に内を突いた!!うわぁこれは内ラチギリギリだ、此処からはもう腕が擦っているようにしか見えない程の内ラチを超ギリギリに疾走する!!!これがターフの独裁者の走りなのか!?そのまま抜け出して行く!!ナリタイーグルを抜いた!!さあアメイジングダイナとレディセイバーにも追い付くか、あっという間に追い付いたぁ!!!』

 

マルゼンスキーに連れられて行った峠、カウンタックでガードレールギリギリ当たるか当たらないを攻めるコーナリング。それに比べたら自分で走って内ラチを攻める位なんて怖くも無い。それが今役に立った、イーグルは信じられないと言いたげな顔を作った。

 

「更にウチ!?ひ、一人通るか取れないギリギリのあそこを攻めるなんて正気じゃない!?」

「正気にては大業成らずってな!!駄目なら俺はその程度って事だ、さあまだ勝負する気がある奴は、最後の大勝負と行こう―――さあ、俺とやろぉぉやぁ!!!」

 

雄たけびを上げながらも、本気のギアを入れるランページ。その気迫を目の当たりにしたダイナやレディ達は思わず武者震いをしながらも喜び勇んでその挑戦を受けた。

 

「望む、所ぉ!!!」

「負けるかぁぁぁぁ!!!」

「私だって、まだ負けてないんだぁぁぁ!!!」

「ダートで負けてやれるかぁぁぁ!!!」

「私の方が、上だぁぁぁぁ!!!」

 

『メジロランページが一気に伸びて来たぁ!!!バ群から飛び出して内ラチギリギリを爆走中!!だが、同時に後方からアメイジングダイナとレディセイバーが伸びる!!いや違うぞ、全員だ!!全員が凄まじいスパートをかけたぁ!!!ナリタイーグルも負けていないぞ!!ハピネスレコード、シルバーバレットも上がる上がる!!なんという激戦何だ!!だがメジロランページが抜け出した!!1バ身のリードだ!!強い、これが無敗のウマ娘の実力だぁぁぁぁ!!!メジロランページが一着でゴールイン!!』

 

何とか逃げ切った、と思わずにはいられない程の大が付くほどの激戦だった。何せ1バ身のリードを作るのが精一杯だったのだから。

 

『メジロランページ空前絶後の大記録の樹立!!!イナリワンに続く芝ダートG1制覇、そして中央としては初の快挙ぉ!!!G17勝目はフェブラリーステークス!!!し、しかもこのタイムは!!レコード、レコードです!!1:34.0!!前回のレコードを2秒以上も短縮するレコードです!!ですが二着のナリタイーグルの1:34.9もレコードタイム!!なんという大レースとなった事でしょうか!!』

 

「シャァッ!!!」

 

声を上げながらのガッツポーズを取ってしまうランページに周囲のウマ娘達は心からの尊敬の眼差しを送った。これは本物だ、彼女は本当の意味での王者なんだ。芝だろうがダートだろうが、真の王は如何なる戦場だろうと戦う場を選ばず勝利を手にする。

 

「こ、これが無敗の三冠ウマ娘の力……!!」

「負けたけど、間近でこれを見られてよかった……」

「負けて、悔いなし!!」

 

レース後にはランページは走った皆と一緒にまた写真を撮った。その時、皆笑顔で楽しそうな笑みを浮かべていた。




今回は以前行ったダートレースの応援を基にしてみました。地方競馬だったんですが、中央にはない魅力が沢山ありました。あっこんな血統があるんだ!!って思ったり、この馬ってどんな馬なんだろう?って思って調べたりしてたら

「おっ初めてかい?この馬はぁ……」

って感じで気のいいおっちゃんが教えてくれたりもしました。えっあの馬の息子で孫なの!?っていうのもいっぱいって夢に溢れてました。中央も良いけど地方も素敵でした。


訂正します。とある方からのご指摘により、この小説が史実をベース、そしてレースを現代に合わせているのなら、イナリワンが最初じゃない?とご指摘を受けたのでそのように修正する事にします。
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