貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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142話

URA。正式名称、Uma-musume Racing Association。トゥインクル・シリーズやウイニングライブ、トレセン学園などを運営している彼らは今日も今日とて、ウマ娘の為の活動を行っているのだが……今日日、彼らの頭痛の種となっているウマ娘が居た。それは皇帝シンボリルドルフを越えるウマ娘、前人未到の十冠という大記録を達成しつつも未だに無敗のまま走り続けているメジロランページ。

 

URAとしては漸く現れてくれたルドルフを超える逸材、そんな彼女は敗北を知らぬ処か芝だけではなくダートにも進出しその両方で勝利しているという常識にとらわれる事のない活躍をし続けている……のだが、彼女がURAにとって頭痛の種となっているのは理由がある。それは彼女の人徳というべきなのか、カリスマというべきなのか……

 

「何とか出来ない物かなぁ……シンザンにTTGなんて此方の企画に出て貰えれば大成功間違いなしなのに……」

 

ランページはURAからの要請でトレセン学園の宣伝部長を担っている。目的としては、通っている生徒の安全の為に取材などをレース関係の以外は基本的に断っているから。なのでカノープスなどへの取材の為ならば中に入る事は出来るが、トレセン学園という大きな枠組みに対しての取材は行えていない。安全の為とはいえ情報をシャットアウトとしてしまっているので、これから学園を目指す子に対する配慮の為に内部宣伝を行う者が必要となった。そこで白羽の矢が立ったのが彼女、ランページ。

 

現役最強ウマ娘にして無敗の十冠、これ以上に無い宣伝効果がある。事実としてその効果は十分あるのだが……あるのだが……宣伝や彼女の個人配信に出て来るゲストが毎度毎度レジェンド級の面子ばかり、トレセン学園でやっているのだからルドルフやシービーが出るのはまだ分かる。なのに、引退している筈のマルゼンスキーやカツラギエース、果てはメジロアサマやスピードシンボリなどがどうやったら出て来るのだろうか。

 

「何とかランページさん本人から交渉を……いや断られるのがオチかなぁ……」

 

本来であればTV局の年末企画であったとしてもなかなかそろう事がない日本ウマ娘界のレジェンドたちが、彼女の配信には頻繁に姿を現すのである。URAとしては何とも言えない事態になっていく……そして、それに対してTV局やマスコミからの問い合わせも殺到しており出演交渉やら取材の交渉も大量に来ている。そういう意味では本当に頭の痛い事態となっている。

 

「ぶぶぶっ部長ぉ!!」

「吃驚したぁ!?なんだよもう少し静かに入って来いよお前ぇ!!」

 

そんな風に頭を抱えていた企画部長、企画部の部屋へと飛び込んできた新人は血相を変えてスマホを見せて来た。そこにはトレセン学園で行われている聖蹄祭の中継が流されている。

 

「お前、仕事中に……見るなと言わんが、何を慌てて」

「いいから見てください!!この特設ステージ!!」

「特設ステージって……メジロランページの生配信だろ?シンザンやらTTGが出る……」

 

スマホを改めて見てみるのだが……そこにあったのはもう色んな意味で言葉を失う光景だった。そこには―――

 

『だってだってさ、この人突然TTG連れて行くからっていうんだぜ?司会進行する俺の身体の事全然気にしてねぇよ、頭抱えてたのよ十冠が』

『という事は勝ったって事だな、よし今日からあたしが十冠だ』

『ンな訳ねぇだろ!!?』

 

特設ステージの上で繰り広げられているトークショー、それがいい。そういう事をやると聞いている、聞いているが……シンザン、TTGだけではない。マルゼンスキーにメジロアサマ、スピードシンボリ、シンボリルドルフ、メジロラモーヌ、ミスターシービー、メジロライアン……そんなメンバーが自由に話したり、様々な事をやったりしている。現在はシンザンとランページの対談、出会いなどを話している状態。

 

「何だこりゃあああああ!!?」

 

 

「いやはや、なんだろうねこの状態、カオスすぎてなんか話してるだけで超疲れるんだけど」

「そう?お姉さんはまだまだ元気よ~皆もそうよね~♪」

『おおおおおおっ!!!』

 

・無敗の十冠が一番疲れてるなぁwww

・そりゃお前こんな状況だぞ、一番疲れて当然だろ。

・それでも笑顔を崩さない辺りプロだな。

・というかそれならなんで呼んだしwww

・ダブルお婆様なんて特にそうだろwww

 

「いやお婆様俺が呼んだわけじゃねえし」

「そうそう、私達は偶然(・・)予定が無かったから、学園祭に個人的にお邪魔しただけなの」

「ええ、本当に偶然(・・)、奇跡的に暇な時間を作る事が出来ましたからね」

「「オホホホホホッ」」

「ぜってぇ嘘だ……!!!」

 

・お婆様www

・計画的犯行じゃねえかwwww

・絶対それ意図的ですよねww

・ダブルお婆様がお茶目すぎるwwww

 

「そもそもがポケモンでマスターボール帯まで行ってるような人たちだぜ、お茶目じゃねえ訳ねぇだろ」

「あっそうそう、ランちゃんは新しいパラドックスポケモンどう思うかしら?」

「スーちゃんスーちゃん、せめてプライベートでそれ話さね?絶対に学園祭で話す内容じゃねぇよ、任天堂に怒られるわ」

 

・スピードシンボリさんwww

・自由過ぎるぞこの御大wwww

・これがあの凱旋門に挑戦したウマ娘の姿かwwww

・というか、アサマお婆様は何やってるん?なんか携帯取り出してるけど

・なんか話してる?

・暴君~!!後ろ後ろ~!!

 

「誰が暴君だこの野郎ってえっ後ろ?」

「ラン、ランってばお婆様が」

「ランページさん、お電話ですよ」

「えっ今ですか?何方から」

「任天堂の社長さんです」

「え"っ」

 

・えっ

・えっ何、いわっちから電話来たの?

・流石に話題が不味かったか?

・なんで社長が……

・何、社長この配信見てんの?

・仕事しろ社長www

 

「いや笑い事じゃねぇよ、任天堂の法務部と対決とか洒落にならねぇぞ……はいもしもし、あっ社長!!あっはい、メジロランページですってえっ?ああはい、えっと……はい、はい……ヴェッ!?」

 

・何話してんだろ

・というか、一旦ステージ裏いけやwww

・ステージ上で通話すんなww

・なんかスゲェ声出たぞ、乙女が出していい声じゃねえwww

・乙女かあれ?

・暴君やろ

 

「ああはい、あっいえいえいえとんでも御座いません。あっあの時の!?ああはい、はいそれでは、はいまた何れ確りとした形で……はい失礼いたしますぅ……」

 

通話が終わると若干呆然気質になって立ち尽くしてしまう、一体何を話したのだろうか。

 

「なんかあの、ポケモン全然出して貰って結構ですよってお墨付きを貰っちゃいました……あと、この前配信でマリオカートやった時に社長のMiiが居て、俺その人に2着で負けたんだけど……ご本人だったみたい」

 

・えっ

・あのいわっち社長ご本人!?

・知らず知らずのうちにコラボしてたのかよwww

・というかフットワーク軽いなぁ!!

・流石いわっち……

・というか、話題出していいのか……

・そっちの方が広告になると判断したのかな。

 

「えっと、なんか分からないけど生配信はまだまだ続くぞ~!!続いちゃうぞ~、なんか嫌だなぁ~!!!」

 

・というかランページのコネクションえぐくね?

・ウマ娘界のレジェンドに今度は任天堂の社長www

・これで引退後も安泰やな。

 

「それじゃあ遠慮なくお話ししましょうか♪これからは皆からの質問もじゃんじゃんも募集ちゃうわよ~♪」

「うんなんかもうさ、この配信って理事長とかURAからしたら胃が痛いなんてレベル越えてるよな……というか何で社長から電話来たんだマジで」

「私が電話して許可を求めました、矢張り岩田さんは話が分かりますね」

「お婆様のせいだったんかい!!?」




なんというか、任天堂の社長=岩田さんの図式が未だに崩れない。有野課長と対談してたのが今でも思い出せるぐらいには大好きな社長さんだ。
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