貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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143話

「にしても、まさか配信中に社長から電話貰うなんて前代未聞だろうな!!見てみろよ、公式ウマッターでこの事もうネタにしてやがる!!」

「うっわマジだ……何れ正式なコラボをメジロランページとしてみたいですねって……何俺課長みたいな挑戦やるの、需要あんの?」

「ゲーム実況に需要がありやがる世の中だぞ、あるに決まってんだろ」

「うっへぇっ……」

 

何だか大変な事になってきたランページ、後日、自分のウマッターにダイレクトメッセージで任天堂から公式認定を貰ってしまって後日コラボ企画をする事になってしまって愕然とするのであった。

 

「そうだ、おいランページお前なんかこれからの抱負みたいなのねぇのか?」

「突然な上になんつぅ雑な振り……ランページ的にポイント低いっすよそれ」

「まあ、ショウにはそういう所があるからな。乱雑というか、デリカシーがないというか……」

「そうそう。テンが怪我した時だって元気付けるって言いながら煽ってたりしてたじゃない」

「結果的に元気出てたじゃねえか」

「あれは元気じゃなくて怒ったというのだ」

 

矢張りというべきかTTGの絆の強さは計り知れない、伝説とまで言われる程の世代というのもこれ程迄の絆があったからこそなのだろうと思わせる。

 

「まあいいじゃないか、私としても君のこれからが気になる」

「同じく、折角の舞台なんだから言いなさい」

「会長にちゃん先輩まで……」

「いい機会ですね、言って差し上げなさい」

「お婆様……んじゃまあ」

 

様々な人からの後押しを受けて、ランページはこれからの抱負というか予定を語る事にした。ファンからしたらそれは待望の物でもあったのか、大歓声が上がる。これからどんな走りを、どんなレースでするのかを聞く事が出来る。

 

「ランのこれからか……アタシも興味あるなぁ」

「お姉さんもよ」

「さて、どんな反応が来るのか楽しみだな」

「フフフッランちゃんのこれから……か」

 

様々な期待が圧し掛かってくる中で、ランページは自分を映しているドローンカメラを見ながらも一呼吸を置いてから語り出す。

 

「まずは天皇賞、んでその後はエリ女だ。まあこの辺りは予想付いてたんじゃねえか?去年と同じだからな」

 

・秋華賞の代わりが天皇賞って感じのローテだな。

・それでもまた中一週ローテかよ。

・ふつうそのローテだと足壊すウマ娘多いんだけどなぁ

・オグリのローテよりマシやろ。

・あれはマジでとんでもねぇからな。

 

「それでその先は~!?」

「勿論ジャパンカップだよなぁ~!?」

「ワールドレコード保持者が、また日本の誇りを守ってくれるんだよなぁ!!」

 

ジャパンカップへの期待が溢れ返る、今年もあの激走を見せてくれるのではないか、また見たいんだという気持ちで溢れ返っていく。正直、この先の言葉を言うのは辛い、期待を裏切ってしまうような気になる……だが違う、此処で縮こまっていたら自分ははばたく事は出来ない。

 

「―――俺はチャンピオンズカップに出走する」

『チャ、チャンピオンズカップ!?』

 

・ジャパンカップはジャパンカップでもダート!?

・いやまあ確かに、そっちも選択肢には入るのか……。

・だけど、じゃあジャパンカップはどうなるんだ……?

 

コメント欄も含めてどよめきの声で溢れている、確かに二刀流のランページならばチャンピオンカップだって射程圏内に入っている事になるし、二つのジャパンカップを制する事なんてまだ誰もやった事がない快挙である筈。その姿を見てみたいという思いもあるが……矢張りジャパンカップの連覇をして欲しいという思いも強い、そんな思いに脚を止めずに言葉を続けた。

 

「そして、それを足掛かりにして―――世界を目指す」

 

・世界、今世界つった!?

・えっまさか、海外遠征!?

・じゃあ、この前の札幌記念に出たのももしかして……

・洋芝の感触を確かめる為か!!

・えっでも、何でダートに……

・おい、まさか……

 

「薄々察してる奴もいると思う、俺が芝とダートの二刀流になった理由―――ダートでの挑戦状を海外から受けたんだ。そして俺はそれを受けようと思ってる」

 

・挑戦状って海外からだったのか……

・それでダートを走ってたのか。

・これが挑戦か……

 

「此処にいるスーちゃん、スピードシンボリさんは凱旋門に挑んだ。その次にメジロからメジロムサシが、そしてまたシンボリからシリウスシンボリが夢を背負って挑戦し続けた世界の壁、その流れはもう止まった……いや止まっていないさ。次は俺の番だ、俺は戦いに行く、そして挑戦しに行く、海外へ凱旋門へ!!」

 

堂々たる宣言、メジロランページの海外遠征宣言。しかも目的地は世界最高峰の凱旋門賞、脈々と続いて来た挑戦という走りの意志が今度は現役最強と言われる王者へと受け継がれる。これに興奮しないファンなどいない、だが此処でとある疑問が浮かんだ、ならばダートは、そのダートは何処で走るのかと。

 

「勿論海外のダートを走る為に決まってるだろ、海外でも芝とダートの二刀流で勝ちを目指す」

 

「そ、そんな事出来るの!?」

「幾らランページでも無茶なんじゃ……」

「せめて、一本、芝かダートの片方に絞った方が!!」

 

反対している訳ではない、不安なのである。海外のレースは日本以上に過酷だ、それを二刀流で攻めるのは余りにもリスキー。コメント欄でも似たような言葉が大量に出て来る。だが―――ランページは一歩も引かない。

 

「挑戦ってそういうもんだろ。無理だ何だと言われようが挑みたい、やってみたい、だからこそ挑戦する価値がある、何度だってやる意味がある。勝ち負けなんて関係ない、挑戦するという事を俺が示す!!」

 

夢を見せられるウマ娘になりたい、とあるウマ娘が言っていた言葉だ。全く以て素晴らしい言葉だ、自分も願わくばそんな存在になってみたい。だが自分は彼女のような夢の見せ方は出来ない……だから挑戦する自分の背中を見せる、それを見て、感じて、思って欲しい、そして自分の後に続いて欲しいのだ。

 

「俺達には無限の未来が、可能性が広がってる。そんな可能性を掴み取りたい、だから俺は世界に行く。だからよ―――皆、応援頼むぜ、海外でも配信やる予定だからそん時もお楽しみに!!」

 

『おおおおおおおおっ!!!!!』

 

その言葉を皮切りに爆発したかのような圧倒的な音圧が特設ステージへと向けて放たれた、それは見ていた全員が思った思いの発露。

 

「燃えたぜっランページィ!!!絶対に応援に行くぅ!!」

「俺もだぁ!!仕事辞めてでも行くぞぉ!!」

「頑張ってぇ~!!」

「いいぞ暴君~世界の王様になっちまえ~!!」

 

・随分前の配信でも同じ事言ってたなぁ!!

・挑戦することの大切さ、見たいぃ!!

・俺達の王が世界の王になる瞬間、見てえぇぇよおぉ!!

・配信絶対やってくれよな~!!

・どうせだ、海外のレジェンドも引き込んじまえ~!!!

 

 

「如何したのルドルフ、嬉しそうな顔して」

「いや……眩しいと思ったまでさ」

 

ルドルフにとって今のランページは輝きに満ちていた。祖母が果たせなかった悲願、それを果たさんと挑戦したシリウスの熱意は確りと次代へと継承されていた。それが開花する日も近い、きっと彼女ならば凱旋門だろうが何処だろうと戦えるはずだ、と思っていると後ろからスピードに抱きしめられる。

 

「いい顔してるわよルナちゃん♪」

「此処でルナちゃんは勘弁してくださいお婆様」

「ウフフフッ」

 

「お婆様、知ってたんですよね?」

「ええ、知ってましたよ」

 

思わずライアンは問った。自分の親友が海外を目指している事を、以前世界を目指すとは言っていたがまさか此処までの事とは思っても見なかった。

 

「なんというか、何時の間にかランってば遠い所にまで行ってたんだなぁ……親友として、嬉しいよ」

「貴方も決して負けてはいませんよ」

「有難う御座います―――アタシも頑張らなきゃな」

 

 

 

「あっそうだわ、ねえ皆でライブやらない?絶対楽しいわよ!!」

「おっいいなそれ!!」

「賛成だ、いや元生徒会長としてやるべきだと進言する!」

「異議なし!!」

「それじゃあ私達も踊っちゃおうかしら、ねっアーちゃん」

「構いませんよ、久しぶりにいいかもしれませんね」

「えっお婆様も!?」

「じゃあ何踊りましょうか?」

「当然うまぴょい伝説よ!!ランちゃんはセンター固定ね」

「―――えっこのメンバーでうまぴょい伝説やんの!?嘘だろ」

「やるんだよ、あっあたしがサイドな、もう一人はライアンな」

「えっアタシ!?」

 

尚、マジでやった。センターはランページ、サイドにシンザンとライアンというフォーメーションで。この生配信は色んな意味で伝説となった。

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