貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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176話

チャンピオンズカップの勝利、それによって達成された芝ダート国際競争の勝利という偉業を達成したメジロランページ。その勝利は単純な物ではない、昨年の世界王者たるアンブライドルドを破っての見事な勝利。それは瞬く間に世界へと広まっていき、彼女の強さをまた一つ証明した事となった。同時に彼女が来年度に計画している海外遠征に更なる期待が募り始めていく。既に名立たる名ウマ娘が彼女との戦うのを楽しみにしている、その中にはジャパンカップでのリベンジに燃える者も……

 

そんな世界とは別に日本では彼女のある事への懸念があった。それはその年の最強ウマ娘を決める為の年度総決算レースとも言われる有記念。去年のこのレースにもランページは出走を期待されていた、出走馬をファン投票で決める冬のグランプリレース。が、去年はジャパンカップでのワールドレコードもあってか、彼女は出走を回避している。今年はあのアンブライドルドと戦った事でもしかして……と不安がるファンも多かった。だが

 

「安心しろよ今年は出るぜ、小生意気な後輩からの挑戦状も貰ってるんでな」

 

と彼女はレース後の会見で出走を発表し、既に出走に向けての休養に入っていると告げた。これに世間は大盛り上がり。箇条書きにしても9名がG1を制した名ウマ娘が既に出走を決めている、誰が勝っても可笑しくないし誰が誰にも負けても不思議ではない、全く予想が付かない状況になっている。

 

 

 

シガーを吹かしながらも空を見上げるランページ、病院での精密検査の結果は全く問題はなく確りと休養をすれば出走の許可は出せると言われたので絶賛お休み中の彼女。来たるべき年末に向けての調整を行っている所。

 

「にしても豪勢な面子なこった……歴代でも最高にすげぇ面子なんじゃねぇか?」

 

クラシック三冠が二人にトリプルティアラが二人、その他にはG1を取った猛者ばかりが集う正しく年度総決算の名に相応しい一大レースとなる。ある意味、自分にとっても相応しい場にもなる。

 

「俺にとっても、この有は特別な物になっちまうな……」

 

今回のレースを最後にランページは海外への遠征を行う事になる。国内最後のレースがこのレースと言っても過言ではない、それを名高きあのレースで締めくくる事が出来るなんて光栄極まる。相手も申し分ない、自分の全力を出すに相応しい舞台だ。

 

「来る所まで来ちまった感がすげぇなぁ……いまだに信じられねぇわ」

 

そんな言葉を零しながらも身体を起こす、何だか色んな事を考え始めてしまっている自分がいる。こんな時は頭を空っぽにするに限る、自分にとってのそれは―――

 

「おはこんハロチャオ~!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、無敗のティアラ、限界バトル走り抜けて 燃え尽きりゃ最高じゃない!!なランページだぜい!!皆の者~善行積んでたか~?」

 

そう世間を騒がせる事、もとい、配信をする事である。

 

「チャンピオンズカップ、皆見てくれたかな~?いやぁアンブライドルドは強かったね~流石は世界王者だよね~あれで同期なんだから参ったもんだよ、しかもあれで今年の世界王者じゃないんだぜ?あの上に二人はいるんだぜ?いやぁ世界って広いわ~」

 

・ワールドレコードホルダーが何を言うか。

・お前も負けてねぇぞ

・そんな世界に殴り込み掛けようとしてるんだよなぁ……

・つうか芝ダートのG1勝つとかマジで頭おかしいわ

・今更感。

 

「アハハハッ!!まあ、今度はダートのワールドレコードでも狙ってみるかな?」

 

・できそうだから怖いわ!!

・世界王者に勝ってるから洒落にならねぇ……。

・実際やったらどうなる?

・知らないのか?

・また、偉業が増える。

・もう聞き飽きたわ。

 

芝ダートのG1勝利だけでも十分過ぎる偉業を達成しているのに、このウマ娘は一体幾つもの偉業を達成すれば気が済むのだろうか……といった趣旨のコメントで欄が埋め尽くされていくのであった。

 

「因みに南ちゃんから言われたんだけどさ、今度の有だとこんな感じのが掛かってるらしいぜ?」

 

そう言うと画面の一部が変化して表が表示された。そこにはデカデカと今度のレースで掛かっている史上初の記録と書かれている。

 

・同一世代によるトゥインクルシリーズ全シニアG1完全制覇(メジロランページ世代)

・トゥインクルシリーズのG1レースを開催する5レース場全てでG1勝利(メジロランページ)

・年間G1勝利数世界最高記録(メジロランページ)(無敗では史上初)

・クラシック三冠ウマ娘による無敗且つクラシック期での有マ記念制覇(トウカイテイオー)

・トリプルティアラウマ娘によるクラシック期での有マ記念制覇(ツインターボ)

 

「いやぁこうしてみると壮観だねぇ」

 

・お前が一番可笑しいんだよ!!

・半分以上お前じゃねえか!!

・冗談抜きでこの世代怖すぎ。

・いや、テイオーとターボの世代もやばい。

・この後の世代が不憫でならねぇ……。

 

この後の世代の事を心配している者も多いのだが、ランページとしてはそんな心配はいらないと思っている。何故ならば……次はブルボンやライスの世代、その後にはBNW、ブライアン世代……といったように此処からコンスタントに名ウマ娘達が連続的に現れていくし、黄金世代も控えているし何なら世紀末覇王だってやってくる。何なら……

 

「大丈夫だろ、後輩は何時だって先輩を越えていくのが常だぜ。俺だって色んな先輩を越えて来たんだからな」

 

・まあそれは確かに……

・いや、あんたを越えるのは無理だろ。

・どっちの意味で?G1勝利数?無敗?再生数?

・全部に決まってんだろ。

・どうあがいても勝てる気がしないわ。

 

「まあまあ、俺に続いて海外挑戦してくれるウマ娘を願うだけさ」

 

・いよいよかぁ!

・凱旋門……遂に、日の丸が掲げられるのか!!

・気が早い、でもないか。

・なんせアンブライドルドに勝ってるしな!!

・ロンシャンと一緒にしていいかは微妙だけどなぁ……

 

「まあ待て皆の者、俺の来年の初戦は―――ドバイワールドカップだ」

 

来年の予定は海外挑戦だとしか公言していなかったランページ、遂にその予定がベールを脱ぐのだが……その初戦となる舞台はまさかのドバイワールドカップ、それは春のダート世界一決定戦と言っても過言ではない大レースである。

 

・ド、ドバイ!!?

・マジで!!?あっち行くの!!?

・いやまあ確かに、凱旋門までは時間あるし……

・てっきり渡欧してあっちで馴らしたりレースに出るのかと……

・マジで世界制覇する気かお前

 

「いやさ、去年もフェブラリーステークスを勝った辺りからドバイワールドカップに来てくださいお願いします!!って連絡が来てたんだけどあの時はまだまだ海外挑戦出来るレベルじゃなかったから南ちゃんが止めてたのよ。だから今年からは解禁で来年のは出ますよ~って返事した所」

 

信じられないような勢いで流れていくコメント欄と乱れ飛ぶスパチャの嵐。本当に凄い事になって来た、だが自分はやめない、自分は面白可笑しく自分らしく生きると決めたのだから。

 

「芝とダート、海外のそれ取ったら……二刀流としてカッコよくね?」

 

・しょ、しょうもねぇ!!?

・すっげぇ下らねぇ理由で出ようとすんな!!?

・何そのロマン思考!?

 

「何を言う!!ロマンが無ければ人は空を飛べなかったし三冠も無かったんだ!!そう、ロマンとは未来の現実である!!」

 

・コイツナニイッテンダ

・言わんとしてる事は分かるから辛いwww

・いいぞ~もっとやれ~!!

・もうドバイの石油王でも捕まえてスポンサーになって貰え~!!

・もう何処まで行く気だお前www

 

「何処までもさ、行ける所まで行ってやる!!という訳でこの流れで今日のゲスト紹介~!昨年の世界王者、ダートのチャンピオン!!」

「Hello, everyone!!アンブライドルドだよ~今日は配信に出られて幸せ~」

 

・この流れでゲストって

・おいバカやめろ!

・パンクするわ!!?

・うわぁぁぁ世界王者だぁぁぁ!!?

・アンブライドルドだぁぁぁぁ!!!?

・この配信一体何処に向かってんだぁぁぁ!!?

 

「リスナーだった身としては出られて幸せだね、それじゃあ―――」

「今日は二人で―――」

「「盛り上げていこう~!!」」

 

尚、サーバーが落ちた。




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