184話
新年。新しい年が始まった。新年と言えば、ドリームトロフィーリーグの冬、WDTの開催が行われる日でもある。この日は初日の出を迎え、お参りを済ませた人々はテレビへと向かう。WDTは新年の最高視聴率番組でもある―――が、今年ばかりはそうとも言えず、もう一つ視聴率を争っているものがあった。それは―――
元旦らしく、日の出の幕が掛けられた舞台。それが徐々に上がって行くとその奥には門松などがセットされており、中央にはメジロ家のカラーの着物に身を包んだウマ娘が正座しながら頭を下げていた。ゆっくりと頭を上げるとそのウマ娘が誰なのかが明らかになっていく。そこには―――なんと紅を引くだけではなく確りと化粧を行っているランページの姿がそこにあった。
| ・ファ!? ・誰だお前!!? ・マジで誰だこの美女!? ・俺達の暴君は何処に行った!? |
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舞台、聖蹄祭の配信でも使われたステージ、背後には配信のコメントが流れているがそこにはランページの登場を待っていたのに予想だにしない展開になった事で困惑の言葉が乱れ飛んでいた。あれはランページではないと皆が言う中、遂にウマ娘が口を開く。
「明けましておめでとう御座います。皆様方におかれましては、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は、格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。新年もより一層のご支援を賜りますようメジロランページがトレセン学園生を代表し、心よりお願い申し上げます」
懇切丁寧且つ柔らかで美しい声が木霊する。それは見に来ていた生徒達も困惑していた、あの男らしく凛々しいという事が真っ先に出るあのメジロランページが女性らしい格好をして女性らしい言葉で話しているのだから。
| ・えええええええ!!? ・マジで、マジで暴君なの!? ・すっげぇ美人!? ・というか女だったのか!? ・ウマ息子じゃなかったのか!? ・酷い言われようだけど今までが今までだからな。 ・気持ちは分からなくもない。 |
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普段の行いが行いである為に基本的に女として見られない、だが今回ばかりは確りとした挨拶をする為に気合を入れて望んでいると言わんばかりの姿。その挨拶は色んな意味で度肝を抜く。そして挨拶を終えて立ち上がると肩に手を当てると―――一気に脱ぎ捨て、その下に着ていた普段通りの勝負服を見せ付けた。
「おはこんハロチャオ~!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、無敗のティアラ、涙が乾くまで まだ届かぬ夢追いかけた、なランページだぜい!!皆の者~善行積んでたか~?」
| ・ちょっ何やって……!? ・えっ今どうやったんだ!? ・極道かお前!? ・早脱ぎ修得してんのかよ!? ・和服をどうやって脱いだ……? ・本当に暴君だったわ…… |
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「あけおめことよろ~!!やっぱり新年一発目の挨拶だけは確りした方が良いと思ってね、化粧なんざ合わないと思ったけどさ、してみたら意外にふいんき(何故か変換できない)出るもんだから吃驚したよ~これからもああいう格好してみるかね、こんな生まれてくる性別間違えて来たみてぇな奴が女の格好しても需要ねえかハッハッハ~URAは勘違いすんなよ新しい勝負服は着ないから」
| ・いや需要はある。 ・寧ろギャップで動悸がやばかった。 ・心臓撃ち抜かれたわ。 ・ギャップがエグかったわ。 ・でもたまにやるからこそって言うのは分かる。 ・そして牽制されるURAwww ・新しい勝負服一度も着られてねぇもんなwww ・どうせまた送られるんだろうからな。 |
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「という訳でご挨拶も済んだところでまあ何時もの調子に戻していきまっしょいって事よ。慣れない事はするもんじゃないよね~肩が凝ってしょうがねえ、いやぁこの胸が邪魔でさ、男連中は分からねぇと思うけどさほらあれだよ、年がら年中赤ん坊を抱えてるって思えばわかりやすいんじゃねえかな?」
| ・でけぇもんな。 ・おおホントでけぇな!!ホントでけぇな!! ・なんで二回言うのよ。 ・二回目は木霊だ。 ・HAHAHAHA ・OK!! ・ズドン!! ・うわあああああああああ!!!! |
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「汚染速すぎるわ!!つうかそれとあれは別の映画だろうが!!いやまあ主演同じだけどさ」
相変わらず自分のリスナーはネタの反応速度が尋常ではない。コメントが途絶える事も基本的にない、自分が乗るのもあるが……。
「おっともうリスナーの数が10万を越えたな!このままWDTの視聴率を上回る勢いでやってこ~!!何、そんな事すんな?聞こえないねぇなぁ~個人の配信に負ける局にも原因と努力不足があるんじゃないですかね~?宣伝不足かな~?」
| ・煽る煽るwww ・まあ実際あっちは毎年やってるからなぁ。 ・今年も今年でルドルフとラモーヌ、シービーの競い合い的な所あるしな。 ・オグリ達もいるけどな。 ・同時視聴で良くね? |
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「だって折角やるんだったら行ける所まで行きたいじゃん?という訳で今日の企画は~……メジロランページがウイニングライブ曲を歌っちゃいますwithトレセン学園生~!!」
企画発表にコメントと同時に見に来ていた生徒達も爆盛り上がり。新年早々ランページのライブを見られるというのもあるが、まさか一緒に踊る事が出来るのか!?という期待で胸が爆発しそうだからである。
「何だかんだで俺はこれまで無敗でライブは常にセンターだったけどさ、それでも歌えてない奴もあるんだよね。特にクラシックのWinning The Soulは個人的にも好きな曲だから歌ってみたいなぁ~と思ってたのよ。だから今日は新年スペシャルという事でそれを歌いつつもリクエストに応えて歌って踊っちゃいますって企画だぜな。身体は大丈夫なのかって?南ちゃんの許可がなきゃこんな事企画しねぇから安心しろい!!」
| ・うおおおおおおおおおお!! ・マジか!!トリプルティアラのwinning the soulが聞けるの!? ・お、俺NEXTが良い!! ・俺は本能スピード!! |
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「まあ皆の者落ち着きたまえ、まずはwinning the soulからだ。そして俺と一緒に踊って歌いたい人……手ぇ挙げて!!!!」
『はいはいはいはい!!!』
と次々と上がっていく手、中等部高等部問わずに手が上がって行く様はランページの人気故だろう。正しく選り取り見取りな状況で一体誰を指名するかと困っていると最前列でおずおずと手を上げているウマ娘を見て笑いながら言う。
「よしそれじゃあ―――そこと、そこのウマ娘カモン!!」
ランページが指名したのは―――ブライアン、そしてフジキセキだった。ブライアンは思わずガッツポーズをしつつも上がって行くがフジは指名されたのが信じられないと言いたげな顔をしつつ呆然としてしまっている。
「あ、ああっえっと……」
「ホラホラ指名されたよ!!」
「マーベラス!!行かないと!!」
マヤとマーベラスに背中を押されるように舞台へと上がったフジ。そんな彼女を待っていたランページは二人の肩を抱きながらも声を上げる。
「つう訳で、一緒に歌うのはこの二人だぜ!!自己紹介よろ~」
「え、えっと……ナ、ナリタブライアン!!来年デビュー予定で、お、おお、おね……今年デビューする姉さんと同じクラシック三冠路線予定です!!」
| ・おおっお姉さんがデビューするのか。 ・じゃあそれにあやかりつつ応援の意味もあるんだろうなぁ。 ・う~ん美しき姉妹愛ですなぁ。 ・お姉さんって誰なのかな~応援したいな~ |
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「サンキュブライアン、この子のお姉さんはリギルからデビュー予定だ期待しとけよ~?んじゃほれ」
「はっはい!!え、えっと……ちゅっ中等部のフジキセキです!!!が、頑張ります!!」
| ・初々しいですなぁ~ ・中等部か~憧れの先輩と同じ舞台って感じか。 ・頑張れフジちゃん~!! |
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「うしそれじゃあ行こうかい、ミスしても御愛嬌って事で頼むぜ、だけど心を込めて歌って踊るぜ、Winning The Soul―――行ってみよう!!」
ふいんき云々はネタです。
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