貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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202話

「改めまして……此方の4人がカノープスに入る事になりました皆さんです」

「やった~!!アタシにも後輩が出来たぁ~!!」

「ターボにも出来たぁ~!!」

「気持ちは分からなくはねぇんだけど、そうされたいならもうちょっと威厳というかなんというかさ……」

「ラン、この二人にそう言う事言っても無駄だって」

 

カノープスの入部テストで入部する事になった面子を引き連れ、部室へと向かう事になった面々。人数に本格的に増えた事、チームとしての実績も結成日数も規定を越えたので部室が新しく大きい物へと変わった。流石に元の部室も今の人数ではかなり手狭なので有難かった。引っ越しも早々に、改めての御挨拶が行われる事になった。

 

「エ、エアグルーヴです!!ティアラ路線志望です!!」

 

緊張し切った表情のまま頭を下げるエアグルーヴ、世間的にカノープスと言えばティアラ路線という程には2年連続でトリプルティアラを達成した事で大分浸透しているので分かる選択肢、と皆が思う中で彼女はランページへと期待を込めた視線を送るのだが、それに応えるようにハンドサインとウィンクで応える。

 

「約束通りに来たな、こっからだぜお前さんのトゥインクルシリーズは」

「はい、何時か胸を張ってこれが私だと言えるような走りでレースを勝つのが目標です!!」

「中々カッコいい目標だね、あのレースを勝つとかじゃなくて胸を張って自分だって言える走りか~いやぁ流石唯一の新入生合格者だね、キラキラしてるわ~」

 

ネイチャの言う通り、エアグルーヴは40人近く居た中で唯一の新入生での合格者。まだ肉体面も技術面も未熟という事で短距離を走らせたのだが―――彼女は同じ新入生や人数の関係で混ざって貰った1年先輩のウマ娘を越えてなんと1着で1000mをゴール、正しく将来有望の筆頭とも言うべきウマ娘だ。ランページは流石未来の女帝だと笑っていた。

 

「先輩先輩、私も来ましたよ~!!ドラランこと、ドラグーンランス、カノープスに着任しました!!」

「応。ドラランもティアラ志望だったっけ?」

「ええ、流石にブライアンさんと勝負する気は起きませんし、長距離はキツくて」

 

以前配信の手伝いをしてくれた縁で友人になった後輩のドラグーンランス、彼女もカノープスにやってきた。彼女は何気にブライアンの同期、94世代なのである。

 

「おっと、だからと言ってもアタイだってそう簡単に負けるつもりはないよ。ティアラ三冠を貰うのはアタイさ」

「ムムッ負けませんよ!!」

「という訳で、同じくティアラ路線志望のヒシアマゾンだよ。宜しく頼むよ先輩方」

 

そして同じ94世代の一人、ヒシアマゾンもカノープスへとやって来た。リギルの方に行くのかな……と思ったりもしたのだが普通にこっちに来てリギルはある程度弱体化しているのかな……と思ったがあっちはあっちでこの後オペラオーやらグラスやエルが行くと思えばバランス調整としては妥当な気がしてしまう。本当に厨パ過ぎる。

 

「サクラローレルです、カノープスに入る事が出来て光栄です。誠心誠意、頑張って行こうと思います」

「おっ~今度は礼儀正しい感じの子だね!」

「こちらこそよろしくお願いします」

「よ、宜しくねローレルさん」

 

最後の一人はサクラローレル。様々な苦難に見舞われながらも、必死に立ち上がり、夢を見た名馬。天皇賞(春)ではナリタブライアンとマヤノトップガンを同時に下し、サクラの冠名馬としては初の有馬記念を制した。その夢は遂に凱旋門にも向けられ、制覇をも期待される程の素質を秘めていたとされる。

 

「しっかし、見事にデビュー1年前のウマ娘達が重なったな」

 

94世代というべきウマ娘が3人に新入生の96世代が一人。何とも偏りのあるというか……まあ余り気にしない方が良いだろうか。

 

「こりゃまた忙しくなるな、ええっ?南ちゃんよ」

「そうですね、幸いな事に今年はデビューがチケットさん一人ですから大分楽ですので大丈夫です」

「そう言いながらライスとタンホイザの皐月賞が間近だぜ?」

 

楽だと言いつつも、シニア戦線のイクノにターボやネイチャ、クラシックスタートのライスやタンホイザの事を踏まえると楽とは言い切れないと思う。特に皐月賞は今月だ、人数も増えたカノープスを支えるのは並大抵の事ではないと思うのだが……サブトレーナーが遂に決まったのだろうか。

 

「トレーナー試験をパスした新人トレーナーさんをカノープスでサブトレーナーとして迎える事になりまして」

「そりゃ良かった―――じゃねえよ、新人トレーナーにはきつ過ぎるだろ。トレーナーの育成もスパルタ方式かよ南ちゃん」

「大丈夫です、顔合わせした時に見込みがある人だな、と思いましたので」

「絶妙に不安になってるのって俺だけか」

 

まあ自分のトレーナーがそう言うのであれば自分に反対する理由はないので受け入れる事にする。

 

「それでは、ライスさんとタンホイザさんは皐月賞に向けての調整。目指せ打倒ミホノブルボンプランの完遂を目標にしてくださいね」

「はい、お任せください!」

「が、頑張ります!!」

 

一体どんなプランなのだろうか……普通に気になる所だ。続けてクラシック組なのだが……此処で思わずランページはズッコケそうになった。

 

「そして、天皇賞(春)に出走希望は……イクノさん、ネイチャさん―――ターボさんですね」

「ってうぉいターボお前天春出る気なのかよ!?」

「出る!!」

「いや、キツくねぇか……?」

 

豪語するターボ、如何やら大阪杯でテイオーに負けているらしく、そのリベンジを天皇賞でするつもりらしいのだが……幾ら何でも京都の3200を走る天春はターボには長すぎる気がする。自分のように有記念の2500辺りがターボの限界と見積もりが妥当な所。それなのにこの爆逃げ娘は……。

 

「やる!!テイオーに負けてられないもん!!」

「ハァァァァッ……イクノにネイチャ、スタミナトレーニングの付き添い頼むわ」

「既に一緒にやってますので大丈夫です」

「まあランがそう言うのも分かるからね……アタシだって同じ事言ったし」

 

本気でそうしたいのであれば何とかする南坂というトレーナーもいるからある程度適性を伸ばす位は出来るだろう……まあどうなるかはターボの努力次第としか言えないのだが……。

 

「そしてチケットさんは7月に函館のデビュー戦が決まりました。それに向けて一気に仕上げていきますよ」

「うおおおおおっ遂にアタシもデビューだぁぁぁぁ!!!」

 

そして漸くデビューを迎える事になったチケット、タイシンもハヤヒデも同じように仕上げている筈。それには負けていられないと気合十分、万全の状態でデビュー戦を目指す為に南坂も力を尽くすつもり。

 

「皆さんについてですが、先ずは数日の間走りなどを見させてもらってから詳細なスケジュールを組む方向で行こうと思いますので少しお待ちいただけますか?」

「問題ないよ、しっかし燃える話が目の前でされると滾るねぇ……!!」

「来年には私達もデビューですもんね……くぅぅっ盛り上がって来たなぁぁ!!!」

「そうですね。ワクワクドキドキでいっぱいですね」

 

と元気いっぱいなアマゾンとドララン、そんな二人と対照的で落ち着きつつもワクワクしているローレル、本当に同年代かと言いたくなるレベルには落ち着いている。が、その中で唯一そわそわしていたのはエアグルーヴだった。

 

「あ、あの!!」

「ど、如何したのエアグルーヴさん……?」

「その……ランページさんはその、何時渡欧しちゃ……するんですか!?」

 

彼女が聞きたがっていたのはランページのスケジュールだった。彼女からすれば憧れの存在、気になるのも当然だが折角同じチームに入れたのだから出来るだけ一緒に居たいと思う反面、彼女の次のレースの予定が気になる模様。

 

「大丈夫ですよ少なくとも6月辺りまではランページさんは日本に居ますから」

「って事は7月辺りか渡欧は」

「一応そう考えています、ドバイの時を考慮するとこの位がベストだと思っています」

 

それを聞いてエアグルーヴは何処か安心したような嬉しいような表情を浮かべた。彼女の海外遠征は自分も期待しているが、折角だから練習を見て貰ったり一緒に走ったりしたいという欲求もあるようだ。それを見抜いたのか、南坂はランページに言う。

 

「という訳ですのでランページさん、新人さんも入った訳ですのでチームリーダーとして彼女らに付き合ってあげたりしてくださいね」

「あれ、リーダーって俺なの?」

「というかラン以外に居ないでしょ実績的に」




カノープス新入部員進路

ドラグーンランス→ティアラ路線

ヒシアマゾン→ティアラ路線

サクラローレル→未定

エアグルーヴ→ティアラ路線

やっぱティアラチームじゃねえか。
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