貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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226話

「さあさあ女王陛下、今度は此方を御案内をっ!!」

「お姉様~ランページさんの案内は私が、お父様から預かってるんだけど~?」

「おっと、これは済まないファイン。では陛下、どうぞお手を」

「はいはい、ピルサドスキー殿下も宜しくな」

 

テンション高く、ランページの案内を妹と共に元気に行うピルサドスキー。城の中は広く、迷わない為にもとニコニコと嬉しそうに案内するファインに続き、貴方の騎士ですと言わんばかりに手を取って嬉しさを押し殺しきれずに尻尾と耳が動いているピルサドスキー。そんな二人の様子に肩を竦めながらも付き合うランページ。

 

「はぁ……なんというかなんというかですわ。流石に王族ともなるとスケール感が違うな」

「フフン!!」

 

自分の家を褒められてドヤ顔で胸を張るファイン、その姿は年相応でとても愛らしい。

 

「何かあれば直ぐに言ってください、アイルランド王室の名に懸けて取り揃えましょう。何よりも、貴方の為に力を尽くします」

「そう言って頂けて此方としては畏れ多いですが、感謝の言葉もありません」

「友人、と言ってくださったのですからどうぞ敬語を使わずに」

「では……有難うなピルサドスキー、その言葉だけでもありがたいぜ。ファインのお姉さんなだけあって、君も素晴らしいウマ娘だな」

「―――っわ、私は貴方の為になればと思っているだけでして……」

 

あれだけ自分の気持ちは愛としてしか表現できません、告白と取られても可笑しくない事を言って来たのに真正面から褒め返してみると顔を真っ赤にしながら小声になる。何ともいじらしくも可愛らしい所がある殿下だ。

 

「あいつも貴方位に可愛げがあればなぁ……」

「あいつって誰の事~?」

「んっ……ああ、アグネスフローラって分かるかい、俺の同期なんだが」

「えっとえと……ああ、イクノさんと一緒に何度もランページさんと戦ってた人だね!!」

「そうそう、よく知ってるな」

「ランページさんのレースはお姉様と全部見たから!!」

 

凄いでしょ!!と言いたげに胸を張るファインの頭を撫でてあげる、それを見てピルサドスキーは羨まし気な目を作るのだが姉としての威厳を保つ為か、咳払いをしつつも話題を切り替える。

 

「ジャ、ジャパンカップを勝ったフローラ氏だね。何故彼女の名前が?」

「いやな、あいつも二人みたいな可愛げがあったらよかったなぁって思っただけ。それだけ二人が可憐って訳だ」

「可憐、つまり可愛いってだよね!!」

「か、可憐なんてそんな……やめてくれ女王陛下……」

「おっと女王陛下ってのもなしだぜ、俺達は友人同士、なんだからさ」

「ううっ……」

 

そんな友人が出来た所でランページがやる事と言えば―――

 

「おはこんハロチャオ~!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、無敗のティアラ、目指す場所とはまだ見ぬ高み 近づいてくる決戦の時、なランページだぜい!!皆の者~善行積んでたか~?」

 

配信(いつもの)である。元々SPの皆さまからもお願いされていたので約束を果たしたつもりだったのだが……城が完備しているステージをぜひ使ってくださいと言われてしまい、そこをお借りしての生配信となってしまった。尚、観客席に当たる部分にはお城に勤めている皆様方がいる。

 

「本日は日本を飛び出して、ヨーロッパからお届けするぜ~」

 

・んわぁにい!?何時の間に日本を出たんだよ!!?

・ちょっ何時の間に出国したん!?

・連日TVクルーとかトレセンに張って無かったっけ!!?

・ああ、迷惑だからって何度も警察出動してたな。

・なんかどっか訴えられてなかったっけ?

 

「いやさ、俺様の人気を考えるといざ日本を出ますってなった時に空港に色んな人が押しかけてきて大混乱になりそうだからスーちゃんとも相談してこっしょりと出国しちゃいました」

 

・ああうん、それは確かに……

・マスコミ連中だけじゃなくて一般ファンも集うだろうな……

・空港が大パニックになるだろうなぁ……

 

「流石に色んな人が利用する空港をパニック現場にする訳には行かないじゃん。という訳で、私は今アイルランド王室のお城にいま~す♪」

 

・は?

・は?

・は?

・は?

・は?

 

「という訳で今回のゲストは此方で~す」

「如何も皆さんこんにちわ~、じゃなくておはこんハロチャオ~!!アイルランド王室で姫殿下をしてますファインモーションで~す♪」

「おはこんハロチャオ~アイルランドトレセン学園所属、ピルサドスキー!!此処に参上!!」

 

・えっ?はっ?

・アイルランド、王室……?

・あの、ピルサドスキーって聞いた事あるんだけど……

・去年あたりにニュースに出てたような……

・確か日本に来てた姫殿下……だったような

・マジで暴君何やってんの!!?

 

そこから配信は大混乱の嵐だった、元々こっそりと日本を出国していたのもあるがそれ以上にアイルランドに居る上にアイルランドの王族の所に厄介になっているのだから。尚、この事に一番慌てたのは日本政府だったりする。

 

「ヨーロッパ遠征はアイルランドに滞在しながらお送りする事になりました、何せ俺はファイン殿下とは親友だからな」

「「ねっ~♪」」

「私はランページ、殿とは友人の契りを交わしている。そう、これは日本との絆の証……」

「仰々しいなぁ~」

 

兎にも角にも、開始された生配信。流石にゲーム配信などと違って歌を歌う事をメインに据えた配信となった。ピルサドスキーとファインがアイルランド形式のウイニングライブを披露したり、お返しに日本のライブをやったりと兎に角賑やかな配信となった。

 

「ランちゃん、なんか日本政府からお電話来たわよ。何でそうなったの!?だそうよ」

「何でと言われても……なるようになったとしか言いようがない」

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