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ガチャ回したら、シュヴァルグランと正月キタちゃんが来ました。これが、アニメウマ娘効果!!?
「フフッ……フフフッ」
「あのさ、いい加減笑ってるのキモいから出ていくか黙ってくんね?」
「きも!?」
生徒会室、生徒会長たるルドルフと副会長たるラモーヌ。史実では夫婦とも言われたこの二人が切り盛りする生徒会、一応メンバーは募集しているがこの二人の空間に耐えられるだけのウマ娘はいないし実際二人で何とか出来てしまうだけのスペックがあるので問題にはなっていない。が、時折ランページが助っ人に入っている。大体はその語学力を頼っての事なのだが……海外からの書類などはランページが手伝っている。そんな中でルドルフは笑い声を上げているのが好い加減我慢できなくなったのでツッコミを入れる。
「そうね、正直な事を言えばうっとうしいわ。その笑いも顔もね」
「そ、それほどか……?」
「気持ち悪い位には」
「……」
ラモーヌにまで言われてしまい皇帝は撃沈された、ションボリルドルフとなりながら机に向かい直した。矢張り機嫌が良いのは先日のレース、テイオーが勝利を収めた事だろう。何故ならばこれでテイオーの取ったG1数は8つ。目標と仰ぎ懐いているルドルフを越えた事になるのだから。彼女としては気分が良くない訳がない。
「テイオーが勝ったのがそんなに嬉しいか、ウチのターボを見事に破った事がそんなに嬉しいかそうかそうか。宣戦布告なら受けて立つぞこの野郎」
「ま、待て落ち着いてくれランページ……私はただ、慕ってくれる後輩の成長が嬉しいだけで……」
「それならターボだって慕っている筈でしょ、貴方のダジャレにも結構笑ってくれるし貴方だって可愛がっていたじゃない。彼女はテイオーとは違うのね」
「そ、それはその……」
メジロ家から挟み撃ちを喰らう皇帝、日本の皇帝とまで言われるルドルフもランページとラモーヌに掛かればあっという間にただのウマ娘に成るという事なのだろうか。そんな空気を打破するために咳払いをする。
「次はホープフルステークスだな、ランページは期待している子は居るのか!?」
「「逃げたな」」
「い、良いから!!」
そう言われたら自分が答えない訳にはいかない。と言ってもカノープスの後輩たちは既にジュベナイルフィリーズやフューチュリティステークスに出てしまっているのでホープフルステークスに出走はしない、出ようとしたところで南坂が認める訳もない。だから彼女らを上げる事はない―――が別に期待している子はいる。
「今、黒沼トレーナー所に居るオフサイドトラップ。元々ネメシスに居たからかお馴染みだ」
「彼女か……確かデビューから3連勝中だと聞いたな」
「あらっそれなら期待出来るかしらね」
「さてそれは如何でしょうね」
黒沼から話は聞いているが、意欲も高く努力も惜しまない。ブルボンを先輩と慕って共に頑張っている、少々オーバーワークガチな所はあるがそれは上手く黒沼が抑え込んでいるとの事。そしてデビューをさせて見れば無敗で初のG1挑戦へと挑むまでに至った。教え子の一人が立派にやっているだけで自分としては満足な気もするが……出来る事ならば自分の力で錦を勝ち取って欲しい。
「それと言っちゃ悪いがそればっかりに意識を向けてられない、何せこっちもこっちで地獄なもんでな」
「レジェンドレース、芝中距離部門……改めて見ても何なんだこの出走表は」
ルドルフが机の上にある出走を見る、改めて見ても化け物染みているとしか言いようがない。自分も混ざりたいという欲求よりも先にうわぁ……という言葉と思いが込み上げてくるあたり、このレースの修羅さ加減を物語っていると言っていいだろう。
1枠2番 オグリキャップ
2枠3番 マルゼンスキー
2枠4番 グリーングラス
3枠5番 タマモクロス
3枠6番 トウショウボーイ
4枠7番 シリウスシンボリ
4枠8番 スーパークリーク
5枠9番 アグネスフローラ
5枠10番 テンポイント
6枠11番 アカリポイント
6枠12番 イナリワン
7枠13番 ホウショウツキゲ
7枠14番 クライムカイザー
8枠15番 メジロライアン
8枠16番 メジロランページ
「というか、シリウスいつの間に……」
「パイセンはなんかいつの間にかシレっと予選に参加しててシレっと本戦に上がってたわ。あの人食えないねぇ……また無茶ぶりでも考えるかな」
「許可するわ、やりなさい」
「待てラモーヌ何故君が許可を出す」
実際、ラモーヌ自身もレジェンドレースに参加したかった気持ちが強いのである。それなのに自分を差し置いてこんなメンバーと勝負出来ると思えば仕返しもある意味では正当、なのだろうか……そんな事を言ったら自分だってレジェンドレースの方に参加したいというのが本音なのだろう。それ自体はルドルフも同じではある。
「しかし本当に凄まじい面子だ、今から飛び入り参加とか難しいか?」
「テメェもか会長、生憎もう出走ウマ娘は変更不可だ。俺の特別出走権もフローラの奴に使っちまってるからな、その気があるなら来年にでも出てくれ。来年ならまだ俺も出れるかもしれないからな」
「あら、それ以降は勝ち逃げでもする気かしら」
「ちゃん先輩ちげぇって、これでも俺はトレーナーって本業があんだぜ?来年ならまだデビューするマヤだけだけってこと、それ以降だとエアエアとかも出るからシンプルにそっちに集中しなきゃいけなくなる。だから上ちゃんの腕前次第かな」
「それならそちらも育てなさい、男を育てるのもいい女の仕事よ」
「はぁ~多忙です事」
そう言いながらもNOとは言わない辺りが本当にランページだ。こう言われたら善処してほぼほぼ完璧するのだから恐ろしい、と言っても本業は本業で優先するだろうから絶対ではないだろうが……。
「因みに勝つ自信は?」
「さあね、やってみれば分かるんじゃね?」
濁して答えるが、本心からの言葉だった。現役時代、クラシッククラスの時にマルゼンスキーとカツラギエースと走った時だってまだまだ自分の全盛期とは言えない段階ではあったが、それでも引退した彼女らに負けるつもりはなかったのに大敗した。その経験がある為か油断もないが勝つ自信が絶対的にある訳ではない。やってみれば分かる……どんな結果が待っていようが自分は全力を尽くすのみでしかない。そんな彼女を見ながらもルドルフがTVのスイッチを押すとちょうどホープフルステークスの中継をやっていた。
『残り200を切った!!先頭はナムラコクオー、いや後方一気に上がってきたウマ娘がいるぞ!!凄い末脚だ、オフサイドトラップ、オフサイドトラップが上がってくる!!並び立たずそのまま差し切った!!オフサイドトラップ先頭、ナムラコクオーも伸びて来るが間に合うか!?間に合わせられるのか、いやこれはオフサイドトラップゥゥゥッ!!!デビューから3連勝は伊達ではなかった、無敗のままホープフルステークスを制しましたぁ!!来年のクラシックが今から楽しみであります!!ナリタブライアン、ヒシアマゾン、オフサイドトラップが来年のクラシック戦線の嵐の中心だぁ!!』
最後の直線、最後まで溜めに溜め切った力を爆発させた末脚で一気に先頭を奪ったオフサイドトラップが初G1制覇を成し遂げた、トラップは目をパチクリさせていたが歓声を受けると徐々に現実を受け止めて遂に感情を爆発させた。
『チーフゥゥゥッ見てくれてますかぁぁぁぁ私、私やりましたぁぁぁぁ!!!!』
「ああ見てるよ、大きくなったなトラップ」
そんなランページをルドルフとラモーヌはまるで夫婦が子供を見るような優しい顔で見つめた。心から嬉しそうな表情でトラップを祝福するランページを。