貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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あけましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


379話

幕を開けたURAファイナルズの舞台、その一番手を切ったのは芝短距離の舞台。最速スプリンターの座を掛けた戦いに名乗りを上げるウマ娘達、その中でもトップを爆走するウマ娘はカーブに差し掛かると一気に大外へと寄れる、遂には外ラチに身体を擦らせ始めた。

 

『おっととととっ先頭のラビットパラベラムウチから一気に大外へと反れてしまっているがこれは曲がれるのか!?いや曲がれているのか!!?』

『ラビットっ曲がれぇぇ!!!』

『曲がったっ何とか曲がり切ったぞラビットパラベラム!!だがこんな曲がり方は私初めて見ました!これはもう彼女の領域は良くも悪くも直線だと言わざるを得ない!!』

 

高知トレセンが誇る直線番長ラビットパラベラム、直線では無類の強さこそ誇るがコーナリング失敗率が驚きの99%というデータまである。そんな彼女の対応策が無理矢理外ラチに身体を擦りつけて強引に曲がる、というか最早方向転換しているに近いそれに観客からは心配と笑いの声が響いてくる。

 

『だがラビットパラベラムのコーナリングとは対照的に何と素晴らしいコーナリングでしょうか、浦和トレセンのカンタートルマリン!先頭はいやラビットパラベラムが物凄い勢いで迫ってくる!!あれだけ減速していたのに、身体を最早削っていたかのような様子でしたのにもう2バ身差まで追い詰めてきているぅ!!?』

『とんでもない加速力ですねこれ!!流石直線番長、非公式で1200のワールドレコードを持ってるという噂も信憑性ありますよこれ!!』

 

一般校ウマ娘も出走してはいるが、先頭の二人が現役で地方トレセンに通っているウマ娘。そんな彼女達に自分達の力を見せてやると言わんばかりの意地の走りを見せ付けていく。伊達にトレセンに通っている訳ではないと叫ぶようだ。

 

『さあもうゴールまでは残り僅か!!電撃6ハロンの死闘、URAファイナルズの初戦を飾るスプリンター決定戦、栄光を掴むのは誰なのか!?ラビットパラベラムが追い上げる追い上げる!!だが後方からも追い上げて来るのが来ている、サクラサイクロンが一気に来る、ブレイカーチェーンも伸びて来るが、此処で一気に来たぞ!!ヤマトスィーティ!!ヤマトスィーティが仕掛けてきている!!バ群を中央突破ぁ!!』

『これは凄いのが来ました!!スポーツアスレチック番組、TEKIROを2連続で完全制覇ウマ娘が此処で来るか!!』

『このまま二人を捉えられるのか!?それとも行けるか並びかけてきている!!流石に二人は苦しいか!?さあ如何だ、ラビットパラベラムが行くのか行けるのか!!?それともカンタートルマリンが守り切れるのか!?ヤマトスィーティが一般校ウマ娘の夢を成就させるのか!?ラビットかトルマリンかヤマトか、ウサギか宝石かヤマトか、今ッゴールイン!!!これは僅かにラビットパラベラムが体勢有利でしょうか』

『ちょっときわどいですが、僕はラビットパラベラムが先のようにも見えましたね……いやでもこれは……あっ出ました!!確定しましたよ赤坂さん!!』

『そのようです!!URAファイナルズ、短距離部門の初代チャンピオンは―――高知トレセンの直線番長、ラビットパラベラムゥゥゥ!!!大外へと反れて行きましたが直線での持ち味は唯一無二!!二着にはなんと横浜からやって来たヤマトスィーティがカンタートルマリンを踏み越えての二着!!三着に浦和トレセンのカンタートルマリン、電撃6ハロンの決着はこのようになりましたぁ!!いきなり一般校ウマ娘が大健闘です!!』

 

「やりました~!!高知の皆さん~やったよ~!!ウララちゃ~ん見てる~!!?」

 

ラビットはあれだけ身体を擦っていたというのにまるで平気そうな顔をしながらも飛び跳ねながら元気をアピールする、どういう身体をしているんだと言いたくなるがそんな彼女にカンターが歩み寄って手を差し伸べた。

 

「勝ったのに思ったのに負けたぁ!!悔しいけど、凄かったです、次は負けませんから!!」

「私も楽しかったから是非もう一回出たいな~来年もエントリーするつもり~」

「やっぱりレースって楽しいんだなぁ!!いやぁあと少しだったんだけどなぁ!!」

「いやでも本当に凄かったです~抜かれると思いましたぁ」

 

 

「ホントなんつう無理矢理な……」

 

レースを見ていたランページは思わず呆れたような困ったような、複雑そうな笑いを浮かべながらも勝者を見つめた。苦手は苦手で完全に諦めるような形で得意分野のみを伸ばしたかのような突き抜け方、いっそのこと気持ちいい程だ。

 

「タイムは1:08.3……バクちゃんのスプリンターズステークスのそれに迫るものじゃねえか……」

 

今年のスプリンターズステークスでバクちゃんこと、サクラバクシンオーが記録したタイムは1:07.9。中央のG1ウマ娘、しかもあの短距離では無敵を誇るとまで言われるバクシンオーのタイムにこれだけ迫れるのだからとんでもない事だ。仮に大外へと反れて行かなければもっと凄いタイムが出ていたのかもしれない……バクシンオーは来年あたりを目途に引退か海外の短距離G1に出走を考えていると言っていたので此方からアプローチも掛けてみようかな、と思う。

 

「そして地方トレセンに並び食らいついた一般校ウマ娘か……レース経験の差が出ちゃった感じかな?」

 

ヤマトスィーティも素晴らしかったが、レースの経験が浅い為に仕掛けどころか少しだけ遅かったせいでラビットパラベラムを捉えきれなかった。経験を積みさえすればあの脚はどんどんと伸びていく事だろう。これだけの逸材がまだいると思うと武者震いしてしまう。

 

「さて、短距離の初代チャンピオンはラビットパラベラム。お次はマイルだ、次はどんなレースが見れる事やら……」

 

今回のレース結果を見て中央から見に来ているトレーナー連中の顔は余り優れない様子だと南坂と上水流からメッセージが来ている、あんな強いウマ娘が地方に居たのか、それ以上に本当にあれで一般校ウマ娘なのか……と言葉を失う者が大多数との事。上位三名以外のメンバーの走りも素晴らしかった、地方だからと言って中央のウマ娘の劣化なんてことは絶対にない。寧ろ上回る者も潜んでいる。

 

「さて、此処から加速していくだろうな―――ファイナルズは」

 

 

第一回URAファイナルズ

短距離初代チャンピオン ラビットパラベラム

 




幽々やよい様よりカンタートルマリン、不知火新夜様よりヤマトスィーティを頂きました。有難う御座います!!

次回からも皆様のウマ娘をどんどん出していくつもりです!!
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