貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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409話

「マヤも無事にメイクデビューを果たした、という訳で今年も合宿に行きます」

『やったっ~!!!』

 

マヤのメイクデビューが無事に成功した数日後、チームプレアデスの定例会という名のお茶会で今後の方針が発表されることとなった。それは今年も確りと合宿を行いますと言った事の伝達が主であった。去年の合宿を経験している組はテンションが上がっている、何だかんだで合宿中のメニューは辛かったがそれ以上に合宿は楽しかったので可能であればまた行きたい気持ちが強かったのか大手を振って歓喜している。

 

「合宿って私達も行っていいんですか!?」

「寧ろ何で連れて行かないと思っているんですからねそこのニューフェイス達は、ちゃんと連れていくに決まってます準備は怠らないように」

『やった~!!』

 

遅れてプレアデス入りしたので合宿に参加していなかったマヤに今年新加入組も大喜び。心のどこかでチームで確りと成績を出さないと行けないのでは……と思っていたらしい、如何やら最近放送中のアニメでチームごとに合宿を行くか決める展開があったらしくもしかして……と不安だったらしい。

 

「合宿初参加組に言っておくと、合宿は文字通りに合宿に行きます。行くのはメジロ家の別荘だからその辺りは安心してくれていい、因みにバッチリ海なので水着なんかもちゃんと用意する事」

「海!!砂浜!!スイカ割り!!バーベキュー!!」

「スイカ!!焼きそば!!カレーにラーメン!!」

「んもうエルにスぺちゃん、合宿という事は練習しに行くのよ。遊ぶことばっかり考えて如何するのよ」

「ああその辺りは心配しなくていい、遊ぶ時間もちゃんと設けたりするから存分に遊んでくれ」

 

エルとスぺはすっかり遊ぶことにばかり意識が行ってしまっている事に呆れるキングだが、何だかんだで彼女の尻尾も楽しげに揺れてしまっている事は指摘してあげない事にしよう。と言ってもマヤもマヤで楽しみにしている様子だが、一応確りと言っておくことはあるのである。

 

「さてマヤヤ、お前さんは基本的に中距離以上のレースに出していく方針で行こうと思ってる。という訳で次回のレースは9月にある芙蓉ステークスだ」

「えっ~そんなに先なの~?」

 

不満げにするマヤ、一応マイルでも走らせることは考えはしたのだが矢張りマヤの本領を発揮出来るのは中距離以上の距離である事には変わりはない。

 

「安心しろ、カノープス上がりの俺がお前にピッタリのスケジュールを既に組んである。その後は体調を考えて変更は考えるがほぼ一月に一回のペースで走らせていく、そして11月には重賞挑戦、そのまま12月にはG1に挑ませる」

「重賞にG1!?マヤ出ていいの!!?」

「俺はそのつもりでスケジュールを組んでる、体力の回復なんかのペースも合宿で見つつ調整するが今年のラストはホープフルステークスの予定だ。俺に2年目からG1トレーナーの称号をプレゼントしてくれよ?」

「うんやるやるやる!!マヤやるよ、絶対にランページさんをG1トレーナーにしてみせるからね!!」

 

マヤとランページがそんなやり取りを見せる中でプレアデスの中にはいよいよ緊張感が満ち溢れて来た、何故ならば今までは実感がなかったがマヤがデビューした事でこのチームの出走スケジュールの一端が見え始めて来た。カノープスの叩き上げで強くなったランページが主導するチームは基本的にカノープスと方針が似通っている。実戦の中で強くなる事を強いられるという事でもある。

 

「前に言ったと思うが、このチームで無敗のなんちゃらを目指す気があるならマジで気合入れてけよ。トライアルは考慮するが俺は同じレースにチームメイトをぶち込む事を厭わない、特にスズカ、タイキ、ドーベル、サニー、ステゴ、お前らの世代は正しく群雄割拠と言っていいだろうな、勝つ気があるならチームメイトだろうが勝利をもぎ取ってみせろ!!」

 

その言葉に5人は喉を鳴らす。同じ世代で同じチームに集まる事はまず無い、そもそもがそうならないように避けるがトレーナーが配慮して別のチームを進めたり取らなかったりするがランページはそれをしない。敢えてその状況を作り出してチームメイトで競わせる方式を取る。仲間ではあるが同時にライバルである、それを強く意識させる為。

 

「望むところです、誰が相手だろうとも私は先頭の景色を譲るつもりはありません」

「私モ負けまセーン!!チームメイトがライバル、どんとコイでーす!!」

「私だって……メジロ家のウマ娘としても絶対に負けません!!」

「そうそう負けてやるつもりはないもんね、負けるのはネメシス相手だけで十分だもん!!って最近は健闘してるわぁ!!」

「テメェでテメェを煽ってるなんて余裕あるじゃねえか、ハンッ全員俺が叩き潰してやるだけだ」

 

それぞれが決意表明していくそれをスペ、エル、キングは同じように喉を鳴らしてしまった。そう、自分達とて人の事は言えない。目の前のそれは自分たちの未来でもあるのだ、この人たちは自分たちの先輩で彼女らがデビューし、自分達よりも経験を積んだ時に自分達はデビューしてその背中を追いかけていく。そして自分達も自分達で争う事になって行く……そう、プレアデスはある意味でトレセンのチームの中で最も過酷な争いが行われるチームとなっていく。

 

「そういう意味で一番気楽なのはマヤヤか」

「でもないと思うよ~だってマヤの上ってブライアンちゃんにローレルちゃんなんだもん」

 

この中では仲間内での争いを一番経験しないマヤではあるが、彼女は彼女でブライアンにローレル、さらにアマゾンにドラランというクラシックにティアラというそれぞれの路線を駆け抜けた世代がシニアで壮絶な戦いをしている時にクラシックに上がるので辛い現実なのは変わらない。

 

「の割に嬉しそうな笑いしてるな」

「えへへっだって強い人と走れるって考えるだけでワクワクするもん!どんな風にキラキラ出来るか楽しみ!!」

「今の所一番の大物なのはマヤヤなのは変わらないな」

 

そんな彼女の頭を撫でてやる、そうだ自分達はどんどん進んでいかなければならないのだ。それが例え上の世代に強大なウマ娘がいたとしても、それを踏み越えて行く位のつもりで行かなければ意味がない―――そうでなければ生涯無敗を貫き通したメジロランページのチームの一員としては相応しくない。そんな思いでプレアデスの結束はまた一段と強くなった瞬間でもあった。

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