貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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418話

合宿はハッキリ言って大成功と言って差し支えないだろう。サンデーとの常に全力でのぶつかり合いを経てステゴは更に上へと上り詰めた。

 

「スズカァ!!」

「凄い脚っ……でも私だって!!!」

 

スズカとの模擬レース、スズカもマルゼンスキーの教えを受けてサニー達と共に確実に数段レベルアップしている成果を見せ付けているというのにステゴはそんなスズカを追い詰めて見せている。最後の直線では凄まじい末脚を発揮してスズカとの差を詰め続けていく、二人だけの模擬レースとはいえスズカとの差は10バ身以上あった。それなのにステゴはその差に一切動じる事もなく仕掛け所を誤る事もなく、勝負に打って出た。

 

「ステイゴールド So fast!!」

「スズカだってコーナリングとかは最高だった筈なのに、それなのにこんなに追い詰められるってマジ!?」

「あと少し、あと少しだよスズカ頑張って!!」

 

「先頭の景色は、譲らない!!」

「テメェの勝ちは俺のもんだぁ!!」

 

二人の激しい競り合いの末にゴール板を駆け抜けていく二人、それを見ながらもタイムを計っていたランページはタブレットに表示された勝者を確認した。

 

「芝1800m模擬レース、サイレンススズカ対ステイゴールド、勝者―――0.14秒差でステイゴールド!!」

「シャァオラァッ!!!」

「ま、負けた……」

 

プレアデスではよく行われるようになった模擬レース、それは同じチームではあるがトゥインクルシリーズでは敵同士であるという状況を意識させる為でもあるという事を認識させる為に取り入れた事。今回は二人で行ったが大体の場合は同世代を全員でやらせる。

 

「随分と速くなったもんだなステゴ、何時もの負けん気の強いお前さんは何処行ったよ」

「ああっ?」

 

能力こそあるが精神面に問題を抱えてすぐに相手の挑発に乗ってしまうのが最大の欠点、それによって引き出される力が相手の予想をはるかに超えるのが長所でもある訳だが……そんな自分の問いにしたり顔を作る。

 

「一々ンなもん出してたらダリぃんだよ。ガチの本気を出すなんざラストだけで十分なんだよ、アンタと違って俺は賢いからな」

「お~お~言ってくれるよ」

 

レジェンドレースでやった最初から最後まで全力全開走法をバカにされているが実際あれは自分もバカだと思うからしょうがない。

 

「あのクソに勝つ為だ、一々乗ってたらキリがねぇからな」

「あ~……そういう事なのね」

 

合宿中、ステゴは常にサンデーと争い続けていた。なんならメニューまで全てがサンデーサイレンス尽くしだったと言っても過言ではなかった、そんな中で常に口喧嘩が絶えなかったらしく、レースでもそれは変わらず。その中で学んだのは自分のペースを揺らしながら走る事が如何にバカバカしいかを学んだらしい。その結果としては自分のペースを一切乱さずに走るコツを会得し、最後の最後に全開放する走法に至ったとの事。

 

「でも本当に不気味だったわ、ステイったら私を無視してるみたいだったし私に対して何も言わなかったから」

「態々無駄なエネルギーなんざ使うかよ」

 

常に圧倒的な格上を競い合い続けた事でどうすれば勝てるのか、何をすればいいのかを懸命に考えた結果なのだろう。流石はアメリカのレジェンドだ。

 

「しかし、ステゴの勝ちとは……ほぼ同着にしか見えませんでした」

「マヤも~なんでランページさんはそんなタイム差までわかったの?」

「これだな」

 

そう言いながらもランページはステゴのジャージの一部を指さした、何故そこを指さしたかのかと思いきやそこから何かを抜き取った。そして掌に載せて見せた、そこには白い小さなチップのようなものがあった。

 

「何か盛り上がってると思ったらんなもんあったのかよ、というかンだよこれ」

「RFIDチップっつってな、これを使うとつけてる奴の現在地を誤差数センチで計測してスピードに加速度までリアルタイムで解析可能なんだよ」

「なんつうもん俺のジャージに仕込んでんだよ!!?」

「お前だけじゃねえよ、全員に決まってんだろ」

『えっ!!?』

 

思わず全員がジャージのあちこちを触ってみたりすると繋ぎ目で生地が重なっていたり、普通に着用していても分かりにくい所ばかりに仕込まれている。

 

「ちゃんと着てて違和感がないように配慮済みだ、データが取れてもそれで違和感感じて中途半端な走りされても困るからな」

「な、何て用意周到な……つうかなんだよこのSFみてぇなの……」

「SFじゃねえよ、現実でちゃんと使われてる技術の結晶だ。アメリカのプロアメフトじゃ全選手が付けてんのよ」

「Oh!!聞いた事アリマース!!」

「エルもデース!!」

「マジかよ……」

 

アメリカに絶大なコネクションがあるランページ、南坂に仲介をお願いして信頼出来る相手を紹介して貰ってこれを送って貰った。勿論全員で試す前に自分の身体でそれをテストしてあるので問題はない。

 

「こちとらアメフト以上に数字には敏感にならにゃ行けないスポーツだからな、使えるハイテクは使っていかなきゃ損よ損。如何に優れてようが使われなきハイテクはローテクでしかない、因みに理事長にはこれの使用を打診してある。より正確なデータを取れるからな」

 

ストップウォッチで測るのも趣があると言えばあるが、所詮人の手で使われる道具は如何しても誤差が生まれやすい。そこは正確無比な機械に任せて取れたデータを此方が有難く使わせてもらう方が良い。これの利点はタイムの正確な計測だけではなく、スピードに加速度まで割り出せるので細かな指導が出来る。これらとゴール板に設置した赤外線センサーを併用すればタイムの計測間違いはほぼ起きない。

 

「……これ、エグい位に金掛かってんじゃねえか?」

「俺が誤差修正する為に使ったデータは代金代わりに提供したから子供がンな事気にしなくていいんだよ」

「やっぱりランページさんはグローバルチャンピオンデース!!」

「私が目指すのはやっぱりランページサンみたいなウマ娘デース!!」

「それは譲らないわ」

「ケッ!?スズカさん、反応早っ!?」

 

何方にしろ、プレアデスは様々な意味で充実している速度が早い事になる。問題はランページがトレーナーとしてまだ未熟であるという事のみであるという事だが……

 

「さあお前ら、合宿の成果を出してみろ。特にマヤヤは次のレースも近づいてきてるんだから気合入れな、G1トレーナーの称号期待させて貰うぜ」

「ハ~イ!!マヤもタマさんに色々教わったんだからその成果みせちゃうよ!!」




アイシールド21の読み切りを読んだので……。
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