貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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420話

「ほれほれ、確り走れ~チケットお前はハヤヒデとタイシンにリベンジ目指せよ~」

「うおおおっ負けないぞ~!!」

「ドラランにアマちゃん、お前らも飛ばしてけ~秋華賞はどっちが取るのかね~」

「「それは!!」」

「私!!「あたい!!」

 

チームカノープスに木霊する久しい声、ランページが元々所属していただけにその声はよく通る且つ似合っている。本日はプレアデスは上水流トレーナーに任せて彼女はカノープスの統括を行っていた。その理由としては……

 

「にしても、あいつがいねぇとカノープスも静かだねぇ」

「ホントだね~まさかターボまでローレルの欧州遠征に着いて行くとは思わなかったよ」

「ああ全くだ」

 

ネイチャの小言に思わず同意を浮かべずにいられなかった。ドバイで結果を出したターボ、そんな彼女はローレルの海外遠征に着いて行ってしまった。南坂とローレル、そしてターボ、そして最後の一人にフローラという編成で欧州へと乗り込んでいった。ローレルとフローラが目指すのは凱旋門制覇、その為の前哨戦と言える二エル賞にローレルが、フォワ賞にフローラが挑み、互いに快勝を収めている。のだが……

 

「ターボの奴……マジで何考えてんだ?」

「何も考えてないっしょ、唯ランの出たレースに出たいだけ」

「あのバカは……」

 

「真っドッカン・ターボだぁぁぁぁぁ!!!」

『此処で日本のツインターボが伸びる!!ツインターボが再び加速したぞ、信じられない!!あれだけ走り続けていたのにどこにこんな足が残っていた!?グレイテストロッジ限界か!?キェレンゼも足がいまいち伸びません!!ラーズグリーズが粘る!!ラーズグリーズ、かツインターボ!?ツインターボが今っ、ラーズグリーズを再び差し切ってツインターボがそのまま、ゴールイン!!再び日本がやったぞ、世界の暴君、メジロランページに続いて大逃げウマ娘がアイリッシュチャンピオンステークスを制覇ぁぁぁぁ!!!』

 

そう、ターボは二人の帯同ウマ娘兼海外をもっと経験したいという名目で着いて行った。そんな遠征チームはランページのコネでアイルランド王室のお世話になっており、ファインからも頻繁にメールや写真が届いていたのだが……ターボがお礼をするという意味でチャンピオンステークスに出走したのだが……制覇してしまったのである。自分とも対戦経験のあるラーズグリーズを捻じ伏せて勝者となった。

 

『ツインターボさんも凱旋門挑戦権を得たわけですが、ツインターボさんも出走するのでしょうか!?』

「それはターボさんの今後の体調と相談しながら決めていきます、そもそも今回出走しましたのはお世話になっておりますアイルランド王室の方々に少しでも返礼が出来ればと思っての事ですので凱旋門挑戦は度外視です。ターボさんは如何ですか?」

「う~ん……ターボもファインが出てくれたら嬉しいな~って言われたから出ただけだし……凱旋門、ランも走ったレースだから興味がない訳じゃないけど身体と相談しながらかな、トレーナーの意見にターボも賛成」

「という訳ですので、基本的に出走するのはローレルさんとフローラさんです」

 

 

「南ちゃんも南ちゃんで平常運行だったし、しかも炎上するどころかあれが独裁暴君の宰相だとか色々書かれるんだよ。しかも全然動じてねぇし」

 

ランページの海外遠征時のトレーナーは代役のスーちゃんだった、故か元々所属していたカノープスのトレーナーの腕前はどんなものなのだ?という考えがあったらしいが面倒を見ているローレル、フローラ、ターボが快勝した事で疑いはあっという間に称賛の声に変り、暴君の相棒として相応しい!!という物へとなった。

 

「ターボもターボで凱旋門出るとしたら、勝てると思う?」

「さあなぁ……ロンシャンの坂、それがどうしてもネックになってきやがるからな」

「それを簡単に破っておいてよく言うよ」

 

矢張り凱旋門最大の関門なのがあの坂と偽りの直線、それを自分は真正面から力技で攻略したと言っても過言ではない。だがターボたちにはそれは絶対に出来ない。だから攻略の仕方を変えるしかないのだが……まあそれは南坂に任せるしかないだろう。

 

「でもなんか、ランページさんが此処に居るのも久しぶりだね」

「ライスもお姉様と一緒に居れて嬉しいよ」

「くぅっ~泣かせてくれる事を言ってくれるよこの子達は」

 

だがその言葉通りにランページがこのカノープスに居てくれることは好ましく思うとネイチャ自身も思う。プレアデスというチームのトレーナーになってしまったが、何処まで言ったとしても自分たちにとってはチームメイトのメジロランページに変わりはないのだから。

 

「ツルちゃんも大変だな、お前さんもお前さんでトレーナーに頼りてぇ頃合なのに」

「いえいえ、南坂さん私の為の練習メニューを残していってくれたので全然大丈夫です!!」

 

スぺのクラスメイトであるツルちゃんことツルマルツヨシ、彼女もカノープスの一員としてランページに練習を見て貰っているが……何処か動きが硬い、緊張してしまった居るのだろう。

 

「しっかしまあ、お前さんのメニューもかなり詰め込んであるのに限界ギリギリを見極めてやがんな……明日に疲れが残らない程度にスパルタだ。大変だろ」

「ええまあ……でも入学直後に比べて私、身体が強くなってるっていうのが分かるんです!!南坂さん食事メニューも監修してくれた上に食堂の人にお願いまでしてくれて……デビューするときにはきっとスぺちゃん達と競い合えるぐらいにはなるって言ってくれましたから私、信じて頑張ります!」

 

曇りもない眼で意気込みを口にするツルちゃん。確かにこれだけ年密に組んであるならば心配は無いだろうが……これはこれで自分も頑張らなければいけないなと思う。

 

「こうして集ったのも久しぶりですね、ターボが居ないのは残念ですが……」

「まあな、だけどまあターボの奴もどんどん大きくなってやがって……そうだ、久しぶりに走らねぇか」

「ほぅ……フフッ貴方へのリベンジが出来ると思うと気分が高揚しますね」

「やるかいイクノ」

「望む所です」

 

バチバチと火花を散らすランページとイクノ。フローラばかり取り上げられがちではあるがランページのライバルと言えばイクノもその重鎮なのだから。

 

「それじゃあネイチャさんも参加しようかねぇ」

「ラ、ライスもお姉様と走りたい!!」

「私もですっ!!」

「んじゃ走るかい、お~いチケットにアマちゃんにドララン~俺達走るけどお前らも一緒に如何だい?」

「先輩と走れるの!?やった久しぶり~!!!」

「勿論走るに決まってるじゃないかい!!」

「ランページ先輩と走るなんて結構久しぶりですもんね!!」

 

あれよあれよと決定した模擬レース、それはあっという間に話が大きくなっていき観客が押し寄せてしまった。一体誰がこんなことにしたのかと……とため息交じりに周囲を見回していると葦毛のウマ娘が逃げるように去っていったが……あんな長身のウマ娘居ただろうか?

 

「なあネイチャ、葦毛で長身のウマ娘って思いつくか?」

「葦毛で長身?ビワハヤヒデかな」

「俺もその位なんだよな……でもハヤヒデじゃねえんだよなぁ……誰だったんだ?」

「お姉様~準備できたよ~」

「応今行く~」

 

取り合えずその事は忘れて模擬レースに集中するのであった、久しぶりのカノープスとして走らせて貰うとしよう。

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