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「お、おいランページ?」
「……」
「お~いもしも~し」
「ンだ下らねぇ要件だったらぶっ飛ばすぞ」
「いやお前仕事し過ぎだぞ、サブトレ二人になる前よりも仕事こなしてんぞ」
「しょうがねぇだろこうでもしねぇと天元突破したテンションを抑えきれねぇんだよ」
普段の数倍増しで仕事を消化するランページ、その理由は至極単純だった。愛する妹であるライスがメルボルンカップを制したからである。パーマーに続いて2年連続での同一海外G1制覇、しかも海外長距離G1の中でも格の高いメルボルンカップの制覇は快挙。その名の如く、祝福の星となったライスシャワーのニュースはあっという間に世界を伝播した。儚げで線の細いウマ娘がタフで苦しい戦いとされる長距離レースを制するというギャップが相まってか、ライスの人気は爆発したと言っても過言ではなかった。
『えへへっ……パーマーさんと山田トレーナーさんにもお世話になったけど、一番報告したのは……お姉様、ランページお姉様に勝ったって言いたいです。お姉様っライスやったよっ!!』
勝利インタビューで嬉し涙を流しながらも笑顔でそう語ったライスのそれを受けてランページのボルテージは異常なほどに高まったと言っても過言ではない。言いたくはないが自分に対してテンションが上がるフローラの気持ちが分かってしまった。それを自覚しつつもそれを抑えつけつつ発散する為に仕事に励んでいる、フローラに比べて健全且つ生産的な方向性ではあると自負している。
「しっかし、日本のウマ娘の海外進出が此処まで積極的になるなんて少し前までは全然思わなかったけどな。これもどっかの独裁暴君のお陰かね?」
「勝手に触発されてるだけで俺は別に推奨してねぇぞ」
日本のウマ娘が明確に世界に追い付いたと言えることではあるのだろうが、此処まで行くなんて誰が思っただろうか。生涯無敗の世界王者が此処まで他に影響を及ぼすとは……と沖野はテイオーの事を思う。
「メルボルンの次はブリーダーズカップか……このまま連勝したらどうなるんだろうな」
「さてね」
沖野のその言葉には東条が答える。彼女も日本のウマ娘が海外で活躍する事は喜ばしくその顔には笑みが浮かんでいる。
「何処かのウマ娘が海外G1を立て続けに勝って、そのダートのライバル達でアメリカのダート戦線は大荒れ。ハッキリ言って色んな意味で日本のウマ娘は今や嵐の中心ね」
全ての切っ掛けは仕事を凄い勢いで片付けているたった一人のウマ娘、独裁暴君メジロランページ。彼女によって波及した影響は日本のウマ娘全てに伝播していると言っても良い。ファイナルズとレジェンドレースの影響で中央トレセンとはぎくしゃくしていた地方トレセンとの連携も取れるようになっていったのも大きい、彼らは口を揃えて言う。
『ランページさんの頼みを断る訳に行きません』
『あの人作った流れを止めるのは野暮でしょう』
『友人の頼みを聞く、それをするのは当然の事』
ファイナルズの予選を地方トレセンで開く為に各地のトレセンを訪れた際にランページに頭を下げられた、夢を繋ぐため、日本を更に強くするために力を貸してほしいと。世界最速最強と名高いウマ娘に頭を下げられたら無視する訳にはいかない。たった一人のウマ娘が中央トレセン及びURAが長年に渡って解決策を模索していた地方トレセンとの関係改善を一気に進めた。
「ランページさん、貴方宛ての書類が理事長への中に紛れて居ましたのでお届けに上がりました」
「あれマそりゃまた有難う御座います、はいはいそれでは拝見っと……えっと何々?げっヨーロッパでファイナルズとレジェンドレースを立ち上げようと思ってます、実現後は是非日本との交流戦を希望します……ハァァァァッ……」
先程までテンションの高かったランページのテンションが急降下した。そりゃそうだろう、何せそんな話になったら創設者として自分が関わらなくてはいけなくなるのは明白だし色んな意味で面倒になること請け合いである。
「何の為に国内限定戦にしたのかもう分かんねぇよこれ……今だって既に海外からの短期留学ウマ娘も対象するのだって大変だったのに……」
「ま、まあ元気出してください。それだけランページさんの行動は凄かったんですから」
「だったら既にURAに主導権は譲ってる訳だから向こうに送るべきだと思うんですよ俺ちゃん、なんで態々俺の方にこれ出す訳?うん全部書いてありやがりますよ貴方の配信は全て見ておりますとか途中から唯のファンメールじゃねえか、ああもうライス早く帰って来てくれ~俺の天使ぃ~!!!」
どうして愛する妹の勝利を素直に祝わせてくれないのだろうか、これではライスが帰って来ても素直に祝うどころか癒して貰う事になってしまうではないか……本気で頭が痛くなってきた。ただでさえ今年のファイナルズとレジェンドには海外からの挑戦者が余りも多過ぎた為にURAが日本への留学、そして中央及び地方トレセンへの協力を条件に許可された結果色んな意味で凄い事になってきているというのに……まあサンデーサイレンスなどを出す関係で留学しているならOKにはしていたのだが……。
『如何やら海外から挑戦に来る有力ウマ娘を上手く日本に取り込めないかと画策しているらしくてな、私は悪くない手だと思っている。故に許可した』
ウラヌスからもそんな事を言われた、そう言われて連想したのは海外の種牡馬を購入した史実の流れ。ノーザンテーストにダンシングブレーヴ、サンデーサイレンス、ブライアンタイムズ、トニービン……それらのように考えれば受け入れる事が難しい事でもないと何とかそれは受け入れたが……本格的に海外までもがファイナルズとレジェンド導入に動くと本気で面倒な事になる。
「ったくしゃあねぇなぁ……いざとなったらマジで俺も動くしかねぇか……ウーちゃんには悪いんだけどURAはまだまだ情けねぇ所あるからな」
「よくもまあ天下のURAにそんな事言えるな……」
「天下だぁ?こちとら世界に轟く独裁暴君様だ、俺を怖がらせたいんなら南ちゃんでも連れて来るんだな」