貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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454話

勝利者インタビューの舞台、本来ならばそこはレースに勝利したウマ娘への称賛と次へのレースへのコメントを望む記者たちで溢れ返っているように思えるかもしれないが、チームプレアデスの場合はそうではなくなるかもしれない。

 

「意外だったな、自粛するとは」

「ポーズだけって可能性はあるよ。マスコミってそういうところあるから」

「トレーナーちゃんってば結構辛辣ぅ~」

 

マヤへのインタビューの場には多くの報道陣はいない。前日の配信が相当に効いたのか、それとも好い加減にしろと社内の良心達が一斉蜂起でも起こしたのか、紫菊賞で追い出された連中は取材の自粛を行っているとの事。

 

「そ、それではマヤノトップガンさんへのインタビューを行わされていただきます!!」

 

前代未聞な事態となったインタビューだが、進行役のお姉さんは何とかしようと思って声を張り上げるのであった。それに合わせて数少ない報道陣、月刊トゥインクルや今回が初参加となる出版社のフラッシュが切られる。

 

「それでは、坂原トレーナーは元々マヤノトップガンさんの担当トレーナーという事だったのですね?」

「はいそうですね、ですが恥ずかしいことながら事故で入院してしまいました事でマヤのデビューに支障を来すと判断して彼女には他のトレーナーについて貰う事にしたのです。その後にランページトレーナーと知り合いになりまして、彼女の伝手で最先端医療を受けられる病院に転院しまして予定よりもずっと早く退院出来ましたのでプレアデスのサブトレーナーに就任し、今はマヤの担当をさせて貰ってます」

「えへへっ~マヤもトレーナーちゃんと居れて幸せ~♪」

 

矢張りというべきか、坂原トレーナーの存在への質問が多かった印象。まあプレアデスに居ながら自分ではないトレーナーが担当するというのは物珍しく思うのもしょうがない。そんな中、乙名史記者が大きな声を上げながら手を上げて同伴した先輩記者に窘められるがランページはそのまま指名する。

 

「月間トゥインクルの乙名史です!!今回のレースの勝利おめでとうございます!!そして前回のインタビューでもお聞きしましたが矢張り次のレースは宣言通りなので!?」

「そのつもりです、マヤはこのままG1であるホープフルステークスに出走させます」

「マヤは既にG1を戦い抜けるだけの力があると僕達は確信しています、いえ何だったら今からクラシッククラスと走らせたとしても勝てる自信があります」

 

メインとサブトレーナーの意見は完全に合致していた。それどころかマヤの実力は既にジュニアクラスを飛び抜けていると言っても過言ではないことを宣言しているに等しい、坂原トレーナーの言葉に肩を竦めるがランページは乙名史が暴走を始める前に咳払いをする。

 

「ホープフルステークスはマヤがクラシックが取るべき舵取りを決める為の試金石にします。マヤこっからが本当のトゥインクルシリーズだ、気合入れてけ」

「うん分かってる!!マヤ油断せずに行く、花火の中に突っ込むぐらいの気合で!!」

「さながらクラシッククラスは円卓かい?」

「ハハッその場合どっちがピクシーだろうな」

「君はどっちかと言ったら鬼神というよりも死神じゃないかい?」

 

そんなやり取りをしている中で、唐突に爆音のような声が上がった。出所はもちろん乙名史。

 

「素晴らしいですっ!!!お二人ともマヤノトップガンさんの勝利を微塵も疑っていないどころか敗北すれば共に地獄に落ちるのも当然と言いたげな程に一心同体な空気を纏っているのにも拘らず余裕を崩さないなんて、流石は百戦錬磨というべきか!!」

「バカ生中継されてる場でそれ出すなっつったろ!?」

 

時すでに遅し。この時から月間トゥインクルの名物記者扱いをされるようになった乙名史、月刊トゥインクルはこの事で知名度と人気が上がったのだが、入ったばかりの新人且つ暴走する乙名史が名物記者になってしまった事で頭を抱える事になったのであった。

 

「さてと、カノープスの後輩はどうなるのかねぇ?」

 

『さあ近年評価の上昇が止まらないこのエリザベス女王杯ですが、とんでもない事になってきているぞぉ!!!』

 

メジロランページ、ツインターボというトリプルティアラが海外で活躍し続けている事もあってか最近ではクラシックと比べて格落ち扱いを受けるティアラ路線ではあるが最近では評価が上がり続けている。と言ってもクラシック路線もテイオーなどの活躍もあるので完全な同格という見方が強い。

 

そんな中で行われているエリザベス女王杯、ヒシアマゾンとドラグーンランスも出走しているしスピカからはオグリローマンが出走しリベンジを果たさんとしている。そんな三人が今のティアラ路線を引っ張っている訳なのだが―――

 

「いっくぞぉぉぉっ!!」

「負けてられるかぁぁ!!!」

「な、何なのこの二人の気合!?乗り遅れて堪るかぁぁ!!」

 

『カノープスのダブルティアラ、ドラグーンランスとヒシアマゾンが燃えています!!ドラグーンランス先頭ですがとんでもない大逃げを打っております!!しかしその背後にはピッタリとなんとヒシアマゾンが付いている!!その僅か後ろにはオグリローマンがいる、この三人が大きく大きく先頭を走っているが、現在4番手のバードシーキャロルとの差は8バ身はあるかという程!!既に残り800を過ぎてもこの三人の走りは衰える事を知らない!!これが今年のティアラを分け合った三強の強さだと言わんばかりの強さを見せつけております!!』

 

アマゾンとドラランは想像以上の気迫を持って突き進んでいる。ラモーヌと走らせたことが想像以上に効果を発揮しているらしい、自分達が歩んでいる道を最初に極めたウマ娘の強さをその身に感じ、改めて自分達が先輩と慕って目指し続けている頂の壮絶さを改めて理解した。故に―――

 

「「この一冠、譲れない!!」」

 

『さあ最後の直線だ、ドラグーンランスが先頭、だがヒシアマゾンも懸命に競る!!オグリローマンもラストスパートで並びかけていく、さあ三強が横一線に並び立ったぞ!!さあ誰が抜け出すか!?桜花賞、オークス、秋華賞!!ティアラ路線最終戦、エリザベス女王杯を制するのは一体誰だ、真の女王の名を継承するのは―――ヒシアマゾンが此処で抜け出していくぞ!!ヒシアマゾンヒシアマゾン!!ヒシアマゾンが僅かに出たまま―――ゴールイン!!ヒシアマゾン一着!!二着にオグリローマン、三着にドラグーンランス!!ティアラ三強、真の女王の名を継承したのはヒシアマゾン!!秋華賞に続いてこの京都で勝鬨を上げた!!!』

 

「シャアアアアアアアアアア!!!!見たか、これがアタイのレース、タイマン、強さぁ!!!」

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