貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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活動報告に今作品についてのお知らせを掲載中です。

ご興味があるから下記のURLからどうぞ。
間もなく活動報告の方は締め切らせていただきます。目安としては本作でジャパンカップ終了後が期限となりますのでご注意とご了承の程をよろしくお願い致します。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=310122&uid=11127


458話

トレセン学園に存在するチームにはそれぞれ特色がある。リギルならば理論的且つ合理的な計画に基づいた指導、スピカはウマ娘個人に合わせて当人の特色を生かす指導。それぞれがトレーナーが得意とするやり方を主軸にするのが基本。

 

「後1週、ラスト直線までスピードを落とさず上げずでラストは全力スパート~」

 

そんな中でカノープスの特色たる基礎重視を引き継いでいるプレアデス、今年加入したスペ達も此処まで基礎を重視するには驚いていたがその結果は授業でも現れるので文句一つ言わない。他の友達はこんな応用を教わったという話をするが自分達は自分たちと割り切って毎日基礎トレーニングを行い続けている。

 

「それにしても、本当によくもまあマヤがこんな地味な基礎練習をやり続けてくれるもんだ」

 

本職のトレーナーですら思わず呟いてしまう程にプレアデスの練習は正しく基礎練習が中心になっている。応用をしない訳ではない毎日確りと基礎をやってから取り組むのが基本。

 

「まあそこは上手い事口八丁手八丁なんとやらよ。その基礎練続けた末の結果が此処と安田記念三

連覇という結果にも現れてる訳だし」

「ぐぅの音も出ないなこればっかりは」

「正しく論より証拠、だね」

 

今日も今日とて地味だが大切な事の積み重ね、最終的な場面で頼る事が出来るのは応用などではなく積み重ね続けて来た自力のみ。

 

「そういえばさ、ランページさんって解説者として呼ばれる事って今はないのかい?」

「解説者?偶に依頼は来るけどこっち優先してるな、そういう時は大体斉藤さんに流してる」

 

過去に解説者として席に座った事は有るが、それでもランページとしては優先順位は極めて低い。それこそ自分が戦った事がある相手が居なければ座る事は無いだろうしやる位だったらチームの事を優先する。

 

「ンでなんでそんな事聞くんよ」

「いやもう直ぐジャパンカップとチャンピオンズカップがあるからもしかしたら君に解説者として仕事があるのかなって」

「来てたけど俺は出る気ないな、チャンピオンズカップの方は出るかもしれんけど」

「何でそっちなんだよ」

「リンクスの奴が来るからな」

 

現在も現役続行中のアームドリンクスだが、いい加減にラストランを考えているらしくその舞台は日本にしようと思っているらしい。その為に既に来日済みでその事を連絡してきている。まあ本当の目的は他にあるのだろうが……。

 

「ジャパンカップだって結構なメンバーが出るんだろ、ランページ的に大本命っている?」

「俺的?そうだなぁ……」

 

天皇賞の運命を乗り越えた上でブライアンとの勝負に燃えるハヤヒデ、そんなハヤヒデにリベンジを目指すチケットにタイシン、天皇賞の勢いのままでG1連勝を狙うネイチャに初G1を目指して自身の強化のためにサンデーサイレンスに頼んで走り込みを続けているタンホイザと有望株は多い。

 

「いや、敢えて言及は避けておく。誰が勝ったとしても可笑しくはない、俺としては面白いレースを見せてくれればそれだけで満足だ。それに俺も自分の事に集中せんといけないからな」

「南坂さんとのメニュー、僕も見せて貰ったけどよくもあんなのこなせるよね」

「伊達や酔狂で担当トレーナーと担当ウマ娘の関係だった訳じゃねえって事よ」

 

今はプレアデスの練習を見ているが、この後は南坂の下でのメニューが待っている。流石にずっと二人に任せっきりというのも悪いので暇を見てチームの事もやっている。

 

「正直言ってキチぃけどよ……俺のラストレースになるかもしれねぇからな」

「ラスト……」

「まっそれはプレアデスの活躍次第だけどな。んっ時間か、悪いあと頼むわ!!」

「いってらっしゃい」

 

坂原が手を振ってランページを見送る中で上水流トレーナーは走っている皆を見た。

 

「次出れるかは俺達次第……って事か。目指してみます?ランページが偶にレジェンドレースに出れる位には」

「さて、それがどのぐらいかは分からないけどサブトレーナーとしては良い目標かもしれないね」

 

 

「悪い待たせたな南ちゃん」

「いえ時間どおりです」

 

カノープスが練習が行っている場面に顔を出す、こうしているとまだカノープスのサブトレーナーだったころを思い出すようだ……。

 

「さて本日も現役時代を感じて貰います」

「つうことはイクノやフローラとかか?イクノは兎も角フローラは勘弁してほしいんだけどなぁ……いやまあアイツほど俺に食い下がれる奴はいないけどさ」

「いえ違います、イクノさんはターボさんと走り込みに出てますしフローラさんはテイオーさんと出てますので不在でした」

「えっんじゃ誰?」

「私~!!」

 

誰なんだと思っていたら南坂の後ろから一人のウマ娘が顔を覗かせた。純白の白い髪には見覚えがある、そう彼女は―――

 

「リンクス!?お前、如何してトレセン学園にいるんだよ!?」

「チャンピオンズカップに出る為に来日したんだよ~今回こそレディとダイナに勝つ為に」

「はい、いいタイミングでリンクスさんが来日されましたので折角なのでトレセン学園に滞在しながらランページさんの御相手もお願い出来ないかと頼みましたら二つ返事を返して頂けまして」

 

という訳でランページの相手をしてくれるのは現役時代に対戦経験のあるアームドリンクスであった。海外ウマ娘としてはかなりの強豪である彼女ならば不足はないしリンクスとしても滞在中のトレーニングとしてもメリットだらけなのでトレーナーからの許可も下りているとの事。

 

「そしてもう一人」

「えっまだいんの?」

「私だよ、お姉様」

 

もう一人、南坂の後ろから姿を見せてくれた。それは愛しの妹であるライスシャワーだった。

 

「おおおおおおっっライスゥゥゥゥ~!!!メルボルンカップではよくぞ勝った~!!流石我が妹~!!」

「わわわっ!?も、もう御姉様ったら~……でも有難う~」

 

ライスの登場に一気にテンションが上がったのか思わず彼女を抱き上げてくるくると回る。少しだけ恥ずかしそうにしながらもライスはランページが自分の勝利を祝福してくれている事を素直に嬉しく思っているのか笑顔を作っている。そんな反応にランページは少しだけ驚いた、まさかライスが此処まで喜びの感情を表に出してくれるとは……。

 

「メルボルンカップの勝利が良い影響を与えてくれているようですね。先日パーマーさんと一緒に帰国しまして、ライスさんも有記念に向けて鍛えたいと仰ったので折角なのでランページさんとのメニューにお誘いしました」

「ナイスだ南ちゃん!!ライスさえいれば全盛期を越える事も夢じゃねえな!!」

「本当にランページはライス大好きだね~ライスもランページ大好きだもんね~」

「……うん、ライスお姉様の事大大大好き、だよ」

 

少しだけ恥ずかしそうにしながらもそっと寄りかかるようにしてくるライスの破壊力はえげつなかったのか思わず膝をついてしまう程にランページに効果的だった。そんな姿に南坂はいざという時はライスを溺愛する姿はフローラと変わらないぞ、と言う事を決めたのであった。

 

「よし二人とも、気合入れて走るぞ!!」

「おっ~!!フロム公認配信者気合入れま~す!!」

「ラ、ライスも頑張るぞ~……!!」




ライス は 少しだけ自己肯定感が上がった!!
ランページ には 効果抜群だ!!
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