貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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間もなく活動報告の方は締め切らせていただきます。

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460話

「……朝か」

 

携帯のアラームよりもずっと早く目が覚める、習慣は変わらない。

 

「えへへへっもう食べられないよぉ……」

「世に平穏のあらん事をぉ……性能がピーキーって話だけど、プロトタイプが量産型に負ける訳がないでしょうが、行くよぉぉぉ……」

「いやどういう夢見てんだよ……なんか混ざってるし」

 

自分のベッドに紛れ込んでいるファインはいつもの事だが今回はリンクスまでセットだった。本当にいつの間に紛れ込んで来たのか……一先ず朝食と弁当の準備をするために絡み着いて来る二人から脱出してリビングへと向かう。

 

「さてと、朝飯は……んっ?」

 

頭の中で献立を考えているとキッチンの方から何やら良い匂いがしてきた。夕食のスープの残りかと思ったが違う、何かを焼く匂いだ。ピッコロプレイヤー辺りが立っているのかな?と思って覗いているとそこには―――

 

「ふんふふ~ん♪」

 

鼻歌交じりににこやかな笑顔を浮かべながらキッチンに立っているライスが居た。自分のエプロンを使っているのか、ブカブカだがなんとか自分に合わせてキッチンに立っている光景に思わず言葉を失った。

 

「あっお姉様、おはよう。お台所借りてるね」

 

そう言いながらフライパンで野菜炒めを作っているライスが振り向きながら微笑んだ。まだ朝も早い時間帯、だが窓から入ってくる朝日に照らされている姿は天使か女神に見間違うほどに魅力的だ。三女神よりもライスの方が余程女神に見える。思わず膝を付きながらライスの手を取りながら

 

「ライス、毎日俺の為にみそ汁を作ってくれないか」

「ふえっお味噌汁?お姉様朝は和食の方が好きだった?」

「あっいや、悪いちょっと寝ぼけてただけだ」

 

プロポーズ紛いの事をしてしまった。幸運な事にライスにとっては何のことか分からないのか耳をくるくるとまわしながらも此方を見ているだけ。だがこれで受け入れられたら恐らく自分は全力でライスを嫁にしたのだろうか……いやするだろうなという不思議な確信がそこにあった。

 

「にしてもライス、お前も早起きだなぁ。俺も早い方だが俺より早いとか」

「えへへっ早朝に起きてランニングに行ってたの、それでお泊りさせて貰ったんだから朝御飯作ったらお姉様たち喜ぶんじゃないかなぁって思って」

「くぅっ~本当にいい子だよこの子は……ライスはいいお嫁さんになるなぁ」

「えへへっねえお姉様、オムレツ作るんだけど卵は何個が良い?」

「そうだなぁ……古めの卵が残ってるしリンクスとかも来てるからいっその事全部やっちまうか」

 

その後はライスと一緒にキッチンに立って朝食と弁当まで一緒に仲良く作った、そしてその日のお昼はライスと一緒に仲良くお弁当を食べさせあいっこまでしたりしたランページであった。その結果―――

 

「らぁぁぁぁぁっ!!!」

「負けません!!」

「ぬおおおおお!!!」

 

リンクス、イクノ、そしてフローラの三人と共に行った模擬レース。一時的にランページの精神の状態を調べる為に現状出せるライバルを揃えた状態、これを見てこれからのメニューを決定する予定だったのだが……そこでランページはとんでもない大逃げを披露してみせる。

 

「こ、このペースってレジェンドレースの時のペース!?」

「なんという、超絶ハイペース!!?」

 

フローラとイクノですら絶句するようなハイペース、最早自らの身体の破滅すら厭わない程のハイペースを展開して二人が追い縋ろうとも振り切らんばかりの速度で駆け抜ける。唯一対応出来ているのはアームドリンクス唯一人。

 

「あははははっ!!!すっごいペースだね、こういうのも、楽しいけど!!」

「ハッテメェならそういうと思ってたよ!!」

 

この超大逃げのハイペース、普通に考えれば模擬レースでこんなことをすれば身体には大きな影響が残る、あのイクノやフローラですら振り切る。普通に考えれば最後の末脚で垂れてくるランページを捉えるのが上策。幾ら暴君ですらこんな逃げならばラストは脚が鈍る筈、だがリンクスは同じステージへと上がった。

 

「アームドリンクス貴方何やってるの!?そんなペースに付き合ったら脚に相当なダメージが入ってチャンピオンズカップに出られなくなるかもしれないのよ!?」

 

思わず、それを見に来ていた東条トレーナーが声を上げてしまった。当然だ、トレーナーならば暴走紛いの超ハイペースに付き合うなんて見逃せる訳がないのだ。中央トレセンのトレーナーとして、彼女に怪我をさせる訳にはいかないのだと、その思いは届いていた。だが―――

 

「へぇそうだよね、こんな走りだもんね―――でそれが何か問題?」

 

届いていたとしてもリンクスは走りを変えない。ランページに勝負を挑むのをやめない。模擬レースなのは重々承知、正式なレースではなくただの練習の一部、それなのにこんな走りをするか?するに決まっているじゃないか、あのランページと走れるのならばどんな状況だろうと全力を尽くして勝ちに行くのが自分だ。

 

「あはははっ楽しいね、楽しいよねランページ!!」

「ああそうだな!!さあ上げるぜ!!」

「望む所ぉ~!!」

 

模擬レースどころか本番のレースでもあり得ないような展開に皆が驚く中で南坂だけは笑っていた。そうだ、これでいいんだ。ランページのボルテージは順調に燃え上がっている、燻っていた炎は既に燃え盛る業火へと変貌を始めている。

 

「完璧に仕上がり始めていますね、これならレジェンドレースには全盛期を越えた状態で臨めるでしょう……さてと、私達も始めますかタンホイザさん」

「はっはい!!宜しくお願い致します!!」

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