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「サンデー、俺の家で飲みます?」
「アイルランド王室の姫さんいるのに飲めるかよ」
「ああそうだった……」
『はぁぁぁぁぁ……』
現場を後にし、メジロ邸へと戻ってきた一同。そこにはルドルフをはじめとしたシンボリ勢も一緒にいる。流石にあんな場にはいられないと思ったのかそれとも別な理由なのかも分からないが、兎も角あの場に行ったメンバーがそのままメジロの邸へと移動した。
「何というか色んな意味で強烈だった……海外のウマ娘というのはああいうタイプもいるのだな」
「全部があんなだと思うんじゃねえよ、俺の2年間が変な事になんじゃねえか」
そんな事は無いだろうと分かっている筈のルドルフが思わずそんな事を口にしてしまう程のインパクトがあった。勿論それはランページも否定しておく、シリウスには及ばないがそれでも長期に海外に滞在していた身としては否定する必要がある、ファインも同じ扱いにされるのはたまったものではない。
「何なんですのあの方は!!?本当に、本当に頭に来ましたわ!!ああもうどうして私は移籍してしまっているのですの!?私が叩き潰して差し上げますのに……!!」
「落ち着けマックイーン、あいつはダートウマ娘な上に既に引退済みだ」
「その位に頭に来るという事ですわ!!メジロに来ましたわ!!」
「なんだそのパワーワード」
肝心要のサンデーとランページではなくマックイーンがマジギレしているという状況だが、二人が怒らない分マックイーンがキレているのだろう。故にアサマもスーちゃんもマックイーンを止めようとはしないのだろう。
「というか、何でスーちゃんは会長とパイセンの方見てんの?お婆様も何でマックイーンの方を凝視してるんですか」
「いえ、ね……シンプルにルーちゃん達が本当にいい子に育ってくれてよかったなぁって」
「マックイーンもとてもいい子と改めて思いました」
ルドルフとシリウスの場合はそれは適応出来るかもしれないが、マックイーンの場合は何というか俗っぽいというかネタっぽいというか……反応に困る。
「というかよ、どうやったらあんな風になるんだ?」
「知るかよって言いたい所だけど御大からそれは聞いた事ある」
少々げんなりとしながらもサンデーがセクレタリアト経由で聞いた情報を開示する。
「元々あの野郎の家はシンボリとかメジロと同じで名家だ、ンでアメリカは血統&見た目至上主義な所に御大みてぇなあいつが生まれた。しかも能力も折り紙付きと来たもんだ、それで親がそれに相応しい教育と情報統制を敷いたって言ってたぜ。トレーナーはあくまでトレーナー、ビジネス的なマネージャーに近いって話だぜ。あくまでマネージメントがメインでそれ以上は口出し禁止なんだと」
アメリカにあった考え方の中で結果を出してきた名家に生まれたセクレタリアトの後継を名乗る相応しい見た目と才能の塊のウマ娘、故に親はその道を進ませるために全力を尽くしたのだ。ありとあらゆる手段を講じて。その結果今のイージーゴアとなった。
「言われるがまま、成されるがままか……俺からすればそんな生き方自体信じられないな」
「それ自体は俺もそう思う……つっても変わるチャンスはいくらでもあった筈だ。幾ら情報統制やら何もかもを詰め込んだ所で限界はありやがる、あいつはそれを全部丸ごと受け入れた思考停止状態って訳だ、お父様とお母様の望むままにってか、ハン下らねぇ」
それをこの場で言うか、と思わずランページは思う。それに応えるかのようにマックイーンはひときわ大きな声を張り上げた。
「確かに、家には家の事情という者はあるのは事実ではあると思います。ですがそれを全うするのは己なのも事実。自分に何が出来るか、どのようにすればいいのか、どのような精神で挑むべきなのかは自らで考え、歩み、努力し、勝ち得る物。私はメジロ家の天皇賞制覇という目標を達成するために邁進してまいりましたがそれは私自身がメジロ家のウマ娘の精神や思いを知ったが故に私もそうでありたいと思ったからこそですわ!!」
名家のウマ娘として名家の使命に最も邁進していたのはこの場においてはマックイーン。天皇賞制覇、そして数世代にわたる連覇、それを成そうと思ったのはメジロのウマ娘の思いに感銘を受けたから。断じて言われたからではない。
「ただ言われたから天皇賞を走ったのではありませんわ!!ランページさんにライアン、それにイクノさんやフローラさん……テイオーと言った様々な方と戦い心の底から勝ちたいと思いましたわ!!ですが……あの方からはそのような物を感じられませんわ、あれでは……唯の人形ですわ」
正しく人形だ。優れてはいるだろうがそこにウマ娘としての魂が感じ取れない極めて異質な部類のウマ娘。
「そんな奴が併走パートナーか……やる気がそがれるだけだな俺だったら」
「同じく、私もそうだろうな。能力などが優れていたとしても私は御免被る」
シリウスとルドルフもそう答えた。仮にイージーゴアとハルウララ、ランページが何方かを併走パートナーとして選べと言われたら恐らく自分はウララの方を選ぶだろう。贔屓目はあるにはあるが……自分ならばそうする。
「もしかしたら、そんな彼女を変えて欲しいっていう狙いがあるのかもしれないわね」
「狙いって誰がそんな事を狙うんだよスピード御大」
「スーちゃんでいいわよ、サンちゃんもランちゃんも仲良しな人よ」
「俺もランページも仲良しな人だぁ?」
スーちゃんがそんな事を言うので思わず二人は顔を見合わせる。自分たち二人が仲良しでイージーゴアの変化を望む者なんて居ただろうか。
「それこそ御大か?いやねえな、あの人なら自分で動くし」
「俺は仲良しって程でもないしなぁ……アメリカで仲良し……まさかスーちゃん、あのフリーダム大統領の事言ってる?」
「ええっ、言ってるわよ」
「これで変わると思うかね、彼女は」
「変わらなければ今度こそ終わりなだけですよ大統領」
景色を眺めつつもそう呟く大統領とセクレタリアト。今、ウマ娘のレースは急速に変化しようとしている。日本の暴君を皮切りに。
「彼女は我が国の悪しき主義の結晶だ、私のようだと持て囃され両親いや家系がそれを後押ししてあのような歪んだ結果に至ってしまっている。変えるなら今しかない」
教育の成功と失敗、それが極端な道へと走らせた。あのイージーゴアもその一人。
「だが急速に変わるのは不可能だ、だからこそ深い傷跡にする。傷は何れ治るがその時に生じた痛みや経験は癒えずに今度はそうしないように努力する」
「大統領、貴方を利用するような真似をした事をお許しください」
「何この程度の事など幾らでも被るのが上役だ。我々は挑戦者だ、変えるべきは変えて残すべきは残す。それが必要な事だ……」
だが大統領の笑みは何処か悪戯好きな子供のように愉快そうだった。
「さあ我々も勇気をもって踏み出す時だ、USAによるファイナルズとレジェンドレースを設置していくぞ。君の力も存分に振るってくれたまえ」
「承知しました」
「王者のG1が楽しみだ」
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未来からランページ産駒来襲
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そんな事よりドゥラ出す為に本編書け