貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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467話

様々な思いなどが交錯しながらも遂にチャンピオンズカップの当日がやってきた。今回ばかりは自分のトレーニングに専念するつもりだったランページも中京レース場へと足を運んでいた。

 

「(イージーゴアね……)」

 

あの後サンデーは既に無関心、イージーゴアを変えたいと言った所で本人にその意思がなければすべてが水泡に帰すだけだと興味なさげにその場を後にしてマックイーンと近場のスイーツを食いに行っていたが、ランページは別だった。自分自身もサンデーと同じような事を言われたが湧き上がるのは何方かと言えば哀れみなどの感情だった。

 

『テメェは如何思うよ』

『まあ俺もどうでもいいって感情が強いな、大統領がどう考えてるかは知らんけど俺が走る訳じゃねえから責任持てないし』

『だよなぁ』

『だけどまあ……クソみてぇな親持った誼って奴で幾つかの布石はしようと思う』

 

向こうが如何思っているかは知らないが、ランページからすればイージーゴアの親はハッキリ言って屑親だ。素直な事を言えばあの叔父叔母の方がなんぼかマシかもしれないと思える程には酷い。

 

「おや、ランページさんじゃないですか」

「ヤッホッ、ハッピーかい?」

 

そんな自分が直接手を加えるのならばマシだが、今回向こうは併走パートナーな上に自分も大した事は出来ないのでやる事は至極シンプル。

 

「おおっランページさん!!激励に来てくれたんですか!?」

「いや冷やかしに来た」

「帰れェ!!?」

「HAHAHA俺にそういう事言えるとは成長したなぁダイナ」

 

自分のライバルたちに声を掛ける事位しかない。

 

「まあ冗談は置いておいて、今回の相手は普通じゃねえぞ」

「と言ってもマグナやインディとは走ってますから実力はよく知ってるつもりですよ」

「厄介なのは併走相手だよ、お前ら知らねぇの?」

「レース前には情報を遮断して集中するので」

「私もです」

 

如何やらレディもダイナもレース前にはあまり情報収集はしないらしく、トレーナーも敢えて伏せているらしい。まあ実際に走る訳でもないし走った事がある相手が相手なら良策だ。だが敢えて漏らす。

 

「インディとマグナ、その併走パートナーはイージーゴアだ」

「イージーゴアって……あのサンデーサイレンスと最優秀ウマ娘の座を争ったというあのイージーゴア!?」

「それはまた……トレーナーさんに落ち着きがないと思ったらそういう事でしたか」

 

流石に分かるか、芝ダートの両刀な自分は兎も角ダート専門な二人にとってはその手のウマ娘は本当に大スターなのだから。まあそんな二人は既に彼女を上回る程の走りができるとランページは思っている。

 

「そんな相手が併走パートナー……まあ何とかなるでしょう」

「だね。気にする事はないか」

「なんだなんだ随分と気楽だな」

「「私達の仮想敵は貴方ですから」」

 

そう、真っ直ぐと目を見つめながら言い放ってくる。二人も今日に備えて練習をしてきている、そしてその仮想敵はイージーゴアなんて目じゃない程に強いと二人は確信しているし、例え偉大なウマ娘と共に歩んできたとしても恐れる事はない。

 

「イージーゴアさんは確かに偉大な相手でしょう、ですが私たちが目指した背中だって負けない位に偉大な相手な事も事実です」

「そうでしょ、ワールドレコードホルダーさん」

「いらないおせっかいだったか」

「いいえ、顔を見れて少しだけホッとした自分が居ます。何だかんだで言いながら緊張していたんでしょうね」

「いい気分転換になりましたよ」

 

そう言いながらも二人は控室から出ていく、そして振り向き際にサムズアップを向けて来た。それに対してランページもサムズアップで応えていく。

 

「なんというか本当に貫禄出たなぁ」

「そりゃ日本ダート界の重鎮扱いだからね~海外的にも」

「へぇ~ってうわぁっリンクステメェいつの間に!?」

「やっほっ♪」

 

背後から出てきたリンクスに思わず過剰反応をしてしまうランページ、アームドリンクスもこのチャンピオンズカップに出走し、このレースを最後に引退する事を決めている。故にこのレースは全力で楽しむとリンクスは宣言しに来たのであった。

 

「応援に来てくれたの?」

「まあそれもあるが……イージーゴア関係で色々あってな」

「あ~なんかあったらしいね、私は居なかったけどトレーナーが行ってて殺気に塗れて空気が地獄だったとか言ってたけどどういう事?」

「イージーゴアがサンデーと俺の地雷踏んで空気が死んでた」

「え~何それウケない」

「だよな~」

 

リンクスには色々というべきなのかは迷う所、言った所でこのウマ娘はたいして気にも留めずに走るだけだろう。

 

「まあ兎も角、今回のレースはアメリカ勢のバックにはイージーゴアがいると思えばいい」

「楽な戦いじゃないってこと?」

「ああそうだ、忘れる所だったわ……ほいこれ」

 

懐か何か封筒を取り出すとそれをリンクスへと渡す。何かと思いながら見つめたりひっくり返したりしている中である物を見つけた―――リンクスが推しているフロムソフトウェアの名前だった。

 

「ランページこれって!!?」

「新作AC、ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONのプレミアイベントの招待状だ。当日はACⅥの先行プレイもする事になってるぞ」

「―――私、今死んでもいいわ」

「こんなところで力尽きるなリンクス、お前がすべきことは―――分かるな?」

「―――」

「言葉は不要か……」

 

静かに立ち去るランページ、そして残されたリンクスの瞳の奥にはAC乗りの魂が燃え上がっていた。これほどまでに滾る知らせがあるだろうか、身体が震え始めているがこれは喜びだ……そしてそれを全てこのレースで発揮してやろうとリンクスは笑った。

 

「アハハハハハッ!!!早く闘争したいなぁ!!」

特別編に関するアンケート

  • ランページが未来に行く
  • 未来からランページ産駒来襲
  • そんな事よりドゥラ出す為に本編書け
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